サヘルさん母子と同様の困窮が起きている日本
Eテレでサヘル・ローズさん母子が出ていて、思わず見入ってしまった。番組終了後「戦場から女優へ」をすぐさま注文。今日、一気に読み終えた。給食のおばちゃんの下りを読んだとき、カフェで泣きそうになってしまった。サヘルさんのお母さんの大きさに圧倒された。 https://www.amazon.co.jp/戦場から女優へ-サヘル-ローズ/dp/4163710205
サヘルさん母子ほどの困窮ではないが、私も中学2年生から大学三年生になるまで経済的に苦しく、最初に入学した大学はお金がなさすぎて中退したのを思い出した。同級生がカフェに行こうと誘ってくれても、財布の中に110円しかない私にはどうしようもなかったのを思い出した。
サヘルさん母子の困窮ぶりは尋常ではない。数ヶ月公園で寝泊まりするホームレス状態になり、服もろくに買えず、その困窮もあり、中学ではいじめられ通し。お母さんの食事はツナ缶一つを2日に分けて。あまりに極端な困窮ぶりに、読者も理解がついていけない場合があるのではなかろうか。
ただ非常に残念なことに、サヘルさん母子とさほど変わらない困窮ぶりに陥る母子が、今の日本では少なくない様子。辻由起子さんのご活動をFacebookで拝見していると、目を覆う。子どもに十分に食べさせてやれない。もちろん母親はもっと食べることができない。
新型コロナで仕事を失い、僅かな蓄えも失い、家賃を払えなくなり、行き場を失った母子が辻さんのところにSOSを出す。辻さんらは身銭を切って母子の生活を何とか再建する支援をするけれど、数が多すぎるのだという。
働く人々を低賃金に抑える時代が日本では長く続いて、コロナをきっかけについに底割れし始めた感。「生きていくのかやっと」ではなく、「生きていけない」人が増えてきた。
サヘルさん母子が味わった困窮を、今の日本で、少なからずの母子が味わっている。何とかならないものか。
私のnoteは無料公開なのだけど、なぜか読んだ方が「投げ銭」してくれることかある。そのお金はすべて辻由起子さんのご活動に寄付することにしている。
ただ、noteへの「投げ銭」は手数料を結構抜かれる。もし気になった方は、以下に振込先があるので直接送って頂きたい。
https://note.com/shinshinohara/n/n03c86a85fe4a
ただし。送金しても、見返りを求めないで頂きたい。お礼も何も。
時折、「送金したのだから感謝の手紙でも送るのが礼儀というものだ」という人がいる。しかし辻さんらは手弁当で、持ち出しも多い。送られたお金は全部右から左へ支援に回している。そして支援されている人も生活再建だけで疲労困憊。
「感謝の強要」は、支援されている母子を精神的に追い詰める。多くの母子が「まさか自分がこんなことになるなんて」と思っている。何不自由なく暮らしていたのに、ほんのちょっとしたボタンの掛け違いであっという間に困窮、なすすべがない状態に。その母子が困窮したのは、たまたまでしかない。
なぜ私達が?何も悪いことをしていないのに?そんな割り切れない思いの中で、支援を受けるのもありがたいと思う半面、なぜ施しを受ける側に自分がいるのか、割り切れない思いをしている母子が多い。なのに「感謝しろ、礼状を書け」というのは、精神的にとてもつらい。
そういう「お礼の強要」をするのは、年配男性に多いという。もし「お礼の強要」をするつもりなら、送金はやめて頂きたい。辻さんらを信じ、辻さんらのご活動を応援したいという思いだけでご寄付頂ける方のみ、応援して頂きたい。
今の日本では、ほんの少しのボタンの掛け違いで、サヘルさん母子と同じ困窮に陥る恐れがある。その現実に私は慄然とする。どうか、誰もがお腹いっぱい食べられる社会でありますように。子どもが未来に希望を見いだせる社会でありますように。
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