誤解はイノベーションの母

「妄想ニホン料理」というのが面白くて。例えば親子丼を知らない外国で作ってもらうのだけど、その情報というのが、「具材が親子」「ご飯の上に載せる」くらいの3条件しか示さず、それをヒントに料理してもらうという番組。大変ユニークで独創的な料理がたくさん出てきて面白かった。

「誤解は発明の母」というのがオープニングにあって。これはその通りと膝を打った。誤解から生まれたイノベーションとして、瞳サイズのコンタクトレンズがある。
戦後、眼鏡屋に外国人が来て、コンタクトレンズを持っていると聞いた。眼鏡屋は実物を見せてほしいと頼んだが、断られた。

そこで眼鏡屋はコンタクトレンズを自作してみることに。試行錯誤の末に作り上げたのは、瞳サイズのコンタクトレンズ。ところが当時、海外で主流だったのは眼球全体を覆う、装着かとても大変な代物だった。
もし変に実物を見ていたら、瞳サイズのコンタクトレンズは生まれなかったかもしれない。

私たちは知識を正確に伝達しなければならない、という思い込みを持っている。しかし、あえて誤解の生じやすい不正確な情報だけに基づいて考えることで、それまでにない製品が生まれることがある。意識的に誤解を取り入れることでイノベーションを起こす、という方法もあり得る。

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