高齢者への分配を減らせばむしろ若者の負担は増え、喜ぶのは富裕層だけ

(若い人は高齢者に搾取されている、という議員の意見に対し)

若い人への投資、これは構わないし、むしろ賛成。しかし「若者応援」を隠れ蓑にして、高齢者への配分を減らそうというのが真の狙いのように読める。
でも実際に高齢者への配分を減らすと何が起きるかというと、若者個人が親や祖父母の面倒を見る羽目になり、むしろ負担が増えかねない。

なぜなら多くの場合、若者には親や祖父母がいるから。もし高齢者への配分を減らせば、高齢者の多くが生活が成り立たなくなり、結局、子や孫に頼らざるを得なくなるという事例が増えるだろう。親子の情は、そう簡単に切ることができるものではないからだ。

物事の単純でないのは、高齢者への分配は若者を搾取し、高齢者を優遇してる政策のように一見見えるけど、実は広くあまねく負担を求めることで、若者に高齢者の世話をする負担がいかないようにしている仕組みだといえる。つまりこの人物が言ってることは、もっともらしいようで現実は逆。

ではなぜこの人物は、若者応援のフリをしてその実、若者を苦しめる政策を提案しているのか。2つ可能性が考えられる。一つは、本当にそう信じてる、考えの足りない人物であるという単純な理由。もう一つは、真の狙いは富裕層に有利な政策を実現しようという狡猾さがこの人物にある可能性。

今の年金などの制度は、富裕層から多めに負担してもらい、それを高齢者に分配している。もし年金などの負担を減らせば、実は喜ぶのは若者ではない。富裕層だ。若者は負担が減るどころか、両親や祖父母を養わねばならなくなり、負担が増えてしまうだろう。

つまりこの人物が訴えている政策は、実は若者応援などではなく、富裕層の負担を減らし、高齢者の世話を若者に押し付けるのが真の狙いである可能性が高いように思う。だとすれば!相当に狡猾ではないか。もし狡猾でないとするならば、自分のやろうとしてることが理解できていない、思慮不足。

繰り返すが、高齢者支援を減らせば、喜ぶのは富裕層だけで、若者にはむしろ高齢者を養わねばならない負担増になるだろう。
全く、こんな狡猾なリクツを考えたのは誰なのか?これも竹中氏の考えそうなリクツのように思う。あーあ。

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