しんしん

大学卒業後、大手素材系製造業の会社に四年勤務。製造業の深みに魅了され、自分の手でものづ…

しんしん

大学卒業後、大手素材系製造業の会社に四年勤務。製造業の深みに魅了され、自分の手でものづくりをしたいと退職を決意。現在は職人の手作業によるガラス加工を行う会社を経営しています。

最近の記事

夕方、遠くの景色を見てしみじみ思う

夕方、遠くの景色を見て立ち止まる。 ドラマ等でよく見るこのシーンの出演者に自分もなるようになったようだ。遠くの景色は遠くにあって動かない。信じた道を一歩、一歩、歩んでいったその先にある光景が「そこ」なのではないだろうか。自分は今、その道を歩いている。いつ辿り着けるかわからない。だけどその道の先には、今見ている「遠くの景色」が待っている。 朝に遠くの景色を見てもそのような気持ちにはならない。朝は目の前に並んでいるやるべき事に目を奪われてしまうから。今日一日するべき事を終えて

    • やっと分かった、会社が1位を目指さなくてはならない理由

      かつて某政党の議員が、「なぜ巨額の予算を使って世界1位を目指さなければならないんですか?2位じゃだめなんですか?」と迫ったことがあった。当時社会人なりたてだった私もその通りだと思った。桁外れのお金と時間を使って1位にならなくても、リーズナブルな予算で2位になったら余力を他の有益な事に回せるからいいじゃないか。2位でも充分に売上高や利益を確保できるだろう。 今の会社で働きだしてからは、中小零細企業にとって、世界一になるなんてことは夢のまた夢。きっと大企業だけの話だろうと考えて

      • 週末だけ飲む

        日々の仕事のストレスから逃れるため毎晩お酒を飲む、というのは思い込みで毎晩惰性でお酒を飲んでいた。 お酒を飲むのは唯一の生き甲斐、生活の全てをお酒の楽しみに結びつけて過ごす、と言うような考えをもっていた。例えば美味しいご飯はいかにお酒に合うか、誰かと会話するのもお酒を飲む時間の方が素面の時より楽しみ。 お酒を飲み終わってから過ごす時間-使い物にならない自分と過ごす時間-がだんだん虚無に思えてきた。使い物にならない自分、酔ってる時間は確かに好きだけど、いつから毎晩飲むように

        • 「仕事に慣れる」…ってよく使われる言葉だけど、普通の人から見たら「仕事に勝つ」って言うほうがしっくりくる

          「慣れたら大丈夫ですよ」 製造業の現場ではよく聞く言葉である。 そのベテランの方は難しいのに量の多い作業を毎日行っている。 話を聞いている人がその膨大さに圧倒されて、こんな量こなせるんですか…?と畏敬の念をもって聞く。「慣れたら大丈夫ですよ」と答える。 ある作業が、新人なら1日10個しかできない。でもベテラン従業員なら1000個できる。こんなとき新人は1000個の仕事を見て目眩がしそうになるだろう。「慣れたら大丈夫だって」と笑いながら言われても、自分はいつになったら慣れ

        夕方、遠くの景色を見てしみじみ思う

          《客観性と数字》 を中小企業の経営に活用する⑥ ~管理ツールで見える化した数値を年間評価に活かす~

          さてこれまで客観性と数字で説明する習慣という大企業の管理手法を活かして、作業手順書、基準書、忙しさの数値化、作業改善の見える化、という独自のツールを紹介してきた。 年間評価に見える化した数値を活かす当社では、これらの《客観性と数字》のツールで見える化した数値を全てまとめて最終的に各従業員の期末評価の重要な指標として使用している。 ①年間の作業指数(見える化された忙しさ) ②不良発生件数 ③作業改善の提案件数 ④普段の就業態度 を指数化し、数段階の評価としている。作

          《客観性と数字》 を中小企業の経営に活用する⑥ ~管理ツールで見える化した数値を年間評価に活かす~

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業の経営を科学する⑤ ~作業の「改善」を数値で把握する~

          従業員の忙しさを数値で見える化したら、「改善」がマネジメントしやすくなる。前回の記事で書いた通り、従業員の忙しさを数値で見える化することで、会社がどれだけの注文をこなせるかがわかり、今持っている力を最大限引き出すことはできるようになる。しかし、同じ事を同じだけやっていてはどんどん相対的な価値は下がっていく(コモディティ化)。 残念ながら、企業というものは常に発展をしなければ生き残っていけない。今日と同じ明日は来ないのだ。もし、あなたの会社が明日も明後日も一年後も五年後も何も

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業の経営を科学する⑤ ~作業の「改善」を数値で把握する~

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる④ ~従業員の忙しさを数値で見える化する~

          従業員ひとりひとりの忙しさを数値で見える化できたらどんなに心強いだろう…。作業の時間が決まっており高度にマニュアル化された作業なら、経営者は生産計画や従業員の仕事の計画を立てやすい。しかし、中小企業の仕事というのは多品種少量生産、もしくは新たな作業の連続である。そして一人の従業員がいくつもの仕事を抱えている。そのため、誰にどれだけの仕事を任せるかといった判断や、その月の仕事量はこなせるのかこなせないのかという見通しは、なんとなく経営者の感覚で決めざるを得なく、とても論理的に計

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる④ ~従業員の忙しさを数値で見える化する~

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる③ ~検査基準書の具体的な作り方~

          前回の記事で、《客観性と数字》の経営をする上での基準書の必要性を説いた。それでは具体的に基準書の作り方を当社検査基準書の例を参照しながら説明する。 なお、この記事の後半は、当社で実際に運用中の検査基準書を実際に紹介し、筆者が8年かかって作り出した検査基準書の原則を公開しており、基本的にこの記事を読めば大企業的な検査基準書は作れる。そのため後半部分のみ有料とさせていただいた。 不良品でないものが全て良品まず、製品には良品と不良品とが存在する。不良品でないものが全て良品となる

          ¥200

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる③ ~検査基準書の具体的な作り方~

          ¥200

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる② ~基準書は従業員を守るためのもの~

          会社の持続的発展には客観性と数字で説明する習慣が欠かせない。傑出した才能を持ち人の心をつかむ事が巧みな経営者が会社をぐいぐい引っ張っていくうちは、働いている人たちもやりがいをもって幸せに働くことができるだろう。 しかしその有能なリーダーを失った瞬間に組織は瓦解する。可哀想なのは、それまで必死に働いてきた従業員である。会社に一生を捧げてくれる従業員の未来を真剣に考えているのならば、経営者は自分のカリスマ性が失われた後も会社が持続的に発展する仕組みを作っておかねばならない。その

          大企業のメソッド 《客観性と数字》 で中小企業を持続的に発展させる② ~基準書は従業員を守るためのもの~

          大企業ノウハウを中小企業経営に活かす~具体的方法論① 手順書~

          大企業で働く人たちが大切にしていることは、客観性と数字で説明する習慣である、と前回のコラムで述べた。そして経営の魂がこもった中小企業に足りないのは客観性と数字で説明する習慣だとも述べた。 客観性と数字で説明する習慣が必要な理由客観性と数字で説明する習慣が必要な理由は、そうすることで万人から理解されやすいからだ。万人、とは、顧客の他に共に働く同僚のことも指す。顧客になにかを説明する際に客観性と数字が必要なことはよく言われることであるが(しかしながらそれを理解していない中小企業

          大企業ノウハウを中小企業経営に活かす~具体的方法論① 手順書~

          大企業の仕事ノウハウを中小企業経営に活かす方法②

          大企業で働くサラリーマンの特徴大企業のサラリーマンの皆さんは勉強が得意だ。ありとあらゆるスキルを身に付け、効率的にスマートに仕事を進めていく。そして客観性と数字を非常に大事にする。一万人を越える同僚達に自分の仕事は正しいということを証明するためには客観性と数字が欠かせない。そして大企業は誰から見ても素晴らしい会社でないといけないので法令遵守、福利厚生をしっかりと行う。 中小企業の経営者の特徴中小企業は経営者の人間性がまず問われる。仕事がいくらスマートにできても仕事・社員・会

          大企業の仕事ノウハウを中小企業経営に活かす方法②

          大企業の仕事ノウハウを中小企業経営に活かす方法

          筆者は東京で大手企業のサラリーマンとして四年働いていた経験がある。素材系製造業の営業がその職種であった。 四年勤務の後、親の営む中小零細企業に転職する。こちらも製造業、八人程度の加工会社である。 大企業をやめた理由それは、会社が嫌いだったからではなく、働くにつれて製造業という仕事の深みを知り、営業ではなく、現場で働き、製造業のコアである「技術」に直接触れながら仕事をしたいと強く思うようになったからである。 中小企業で働くようになってから気付いた、大企業で働く人と中小企業

          大企業の仕事ノウハウを中小企業経営に活かす方法