薬がよく効く人と効きづらい人の違いって?
薬の効き目は人によって違うって本当でしょうか?
答えは本当です。風邪薬であっても。ビタミン剤であっても。そして抗がん剤であったとしても。個人差があります。
「めったに薬を飲まないからよく効くのよ。」
「普段から薬を飲み過ぎているから効かなくなってんだよな。」
こんな事を毎日の店頭でお薬をお渡しする時によくお聞きします。確かに薬には耐性というものもあり効果が出にくくなる事もありますが、果たしてそれだけでしょうか?
それだけではない気がします。
昨日のnoteでは赤血球が毛細血管を通って身体の隅々の細胞に酸素と栄養を届けるとても重要な働きを担っていると書きました。
実は酸素と栄養だけでなく薬も毛細血管を通じて患部の細胞に届けられているのです。
もしかしたら。めったに薬を飲まない人って元気で血液の巡りが良く体調も良いので薬を飲まなくて済んでいるのでは。普段から薬をたくさん飲んでいる人はそれだけ血液の巡りも悪く疾患の改善を妨げているのでは?そんなことも考えられますね。
そして顕著なのが「がん」です。お薬の効き目が生命に直結する疾患の1つです。なぜ抗がん剤が効く人と効かない人がいるのでしょうか?
昨日の高倉教授のご講演の中でもっともショッキングだったのが大腸がんの組織を例に挙げられたデータです。
がん細胞では薬剤の送還が抑制されている。つまり抗がん剤がほとんど届いていないというものでした。
その理由はがん細胞の特性が大きく関わっています。がん細胞周辺の血管は「盲端」という行き止まりになっていることが多いのです。つまり血管のゴースト化の成れの果てです。
そして薬剤だけでなく酸素が届かないこともがん細胞の増殖に繋がります。
がん細胞を攻撃するナチュラルキラー細胞に代表されるリンパ球=免疫細胞は酸素を原料にしてATP(エネルギー)を産生します。対してがん細胞は強い低酸素状態でもミトコンドリアが働きATPを産生できるのです。
つまり低酸素の状態ではがん細胞が元気いっぱいなのに対して免疫細胞が死んでしまっている状態となります。
薬も届かず酸素も届かない状態でのがん治療はなかなか効果が出ないのは当然とも言えます。
血管のゴースト化は人間の生命を危険にさらします。
身体のすみずみまで栄養。酸素。そして必要な薬を届かせることが元気で健やかに過ごすための必須条件。
普段から血管をゴースト化しない。つまり血流を良くしておくことが本当に大切ですね。また「がんの予防と血流」に関しては今後のnoteに更に詳しく書いていこうと思います。