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『転職の魔王様』の名言に思うこと④


あなたの人生、このままでいいんですか?

来栖 嵐(キャリアアドバイザー)


毎週月曜、夜10時から放送中のドラマ
『転職の魔王様』も最終話まであとわずか!!

“転職の魔王様”の異名を持つ
敏腕キャリアアドバイザーの来栖さんが
心えぐる辛辣な言葉を突きつけながらも
求職者の働く自信と希望を取り戻させる
爽快なストーリーです。

今回も、現役のキャリアアドバイザーとして
成田凌さん演じる来栖“魔王様”の
名言をクローズアップしたいと思います。

ちなみに、前回の第7話はコチラ↓


今回は、第8話です。



“転職の天使様”が登場!


第8話の求職者は
フリーライターとして活動していた
28歳の男性でした。

有名メディアへの掲載実績もあることから
自己評価が高く(自信満々!)
正社員になることを目指していました。

この彼、転職エージェントを2社併用しており
手間を省くためという理由で
なんと2社のキャリアアドバイザーを
面談に同席させたのです。

喫茶店内で、競合する転職エージェントが
ひとりの求職者に対して
おすすめする求人案件を順に紹介していく。

あ、ありえない・・・

守秘義務はどうなってるんだ!?

求職者が複数のエージェントを利用するのは
よくあることですが
同席してそれぞれが案件紹介というのは
さすがに、情報保護の意識が低すぎる……。

まぁ、ドラマですからね。
2社が対決する状況は斬新で面白かったです。

この場面で、“魔王様”と対峙した
もう1社のキャリアアドバイザーは
大手転職エージェントの天間(白洲 迅さん)
という、さわやかなイケメンでした。

この天間さん、優しく紳士的な対応から
“転職の天使様”の異名を持っていたんです。

“天使様”のやり方は「企業見学」といって
お預かりしている求人の企業に行き
まだ見ぬ転職希望者のために
あらかじめ一日働いてみるんだとか。

ちょっと執務スペースを見学させてもらう
という程度なら、わたしも普通にやっていますが
一日かけて働くとなると非現実的です。

求人を出した企業側も迷惑でしょうし
第一こちら側にそんなヒマありませんから(笑)

まぁ、ドラマですからね。

 “転職の天使様”の名言!


そんな「優しく親身に」をモットーとした
“天使様”の名言が心に響きます。
(エージェント目線ですが)

ひとつの失敗でも
求職者にとっては
大切な人生の一大事ですからね

そう、まさにその通りです。

キャリアアドバイザーは
たくさんある求人案件の中のひとつを
たくさんいる転職希望者のひとりに
紹介することを仕事にしています。

ともすれば、流れ作業のようにこなして
事務的なやり取りで済ませることも
できてしまう。

でも、求職者にとっては
1件の書類選考、
1件の面接、
1件の内定が、
その人生を左右する可能性がある。

キャリアアドバイザーからすると
数ある中の1件かもしれませんが
求職者にとっての1件の重さを
ゆめゆめ忘れてはいけません。

話を戻して、今回の求職者は
元ライターの肩書を活かして
“天使様”こと、天間さんが紹介した
大手メディア企業へ無事に入社します。

ところが、鳴り物入りで入社した彼も
プレッシャーに押しつぶされ、自信を失い
わずか2週間で退職願を出してしまう。

彼は自分らしさを失っていました。

そこで、天間さんは
彼が昔に書いた旅行ブログが
最高の文章だったと伝えたうえで
こう語りかけます。

自分らしさで勝負すべきです
この武器でやってみませんか

求められることより
やりたいことをやるべきです

今の転職先でやりたいことを
アピールするんです

この言葉が、彼の心を動かします。

退職願を出した転職先に戻ることを
決意させたのでした。

少しくらいつまずいたって
「自分のやりたい仕事は何か?」
を追求して、それに取り組む人生のほうが
きっと楽しいはず。

キャリアアドバイザーとして
求職者の武器を見い出し、自信を取り戻させ
再チャレンジを促す。

さすが、転職の“天使様”です。

天間さんは、「企業見学」を行っている理由を
こう語っています。

転職は人生の一大事です
僕は、自分がよく知らない会社に
求職者を無責任に送り込むことはできない

なんと頼もしいキャリアアドバイザーでしょう。
このプロ意識と責任感には惚れぼれします。

確かに、その企業の社風や環境面、
部署の特性、キャリアパスや将来性などを
くわしく知らないことには
求職者に自信をもって勧めることはできません。

でも、でもね、求人企業を知っていくと
正直オススメとは言えない求人もあるんです。

なかには、就業環境が悪かったり
社員の定着率が悪かったり
福利厚生などが不十分だったり
業績が悪化している企業だってありますから。

それでも、自分の営業成績のために
お構いなしに求職者にすすめたり
ミスマッチと知りながら平気で紹介する
キャリアアドバイザーもいます。

①転職者の希望にそった求人を紹介する
②求人企業がほしい人材を紹介する
そして、
③営業としての目標数字を達成させる
という“三方よし”が理想なのですが
そう簡単ではありません。

人材紹介業は、成果報酬型で
求人企業から手数料をいただくことで
成り立っています。

この仕組み上、トレードオフとは言いませんが
求職者の希望よりも、企業からの内定獲得
そして入社へ進めることが優先されがちです。

営業のエース、横山さん(前田 公輝さん)が
転職エージェントについて
「慈善事業じゃない」とか、
企業から内定をもらえなければ
「1円にもならない」とか、
言っていたのもわかります。

“どこまで求職者に寄り添うことができるか”
キャリアアドバイザーの矜持だと思います。

自分の選択に責任をもつ


なんだか“天使様”の言葉ばかりを
取り上げてしまいましたので
最後に“魔王様”の言葉で締めたいと思います。

今回の、元ライターの求職者は
転職本を参考にして仕事観を語り
キャリアアドバイザーにすすめられるまま
大手メディア企業に入社しました。

その後すぐに、退職願いを出したわけですが
彼はうまくいかなかった原因を
すべてキャリアアドバイザーのせいに
していました。
(確かに天使様はやり過ぎでしたが)

転職に失敗した彼は
「あんたのせいだ」と
紹介元の“天使様”を強く責めます。

それを横でじっと聞いていた“魔王様”が
口を開きます。

言っておきますが
ビジネス書の著者も
そして、キャリアアドバイザーも
あなたの人生に責任を持つことはできません

誰かのせいにしても
何も変わらないんですよ

さすがの“魔王節”です。

まぁ、そうなんですけど
言葉にすると厳しいと感じますね。

転職本やネット記事、
キャリアアドバイザーの話を参考にしながらも
最終的に判断するのは、
もちろん求職者本人です。

“魔王様”の言う通り、
だれも求職者の人生に責任をもってくれません。

自分の人生に答えを出すのは
自分以外にいないということですね。

おわりに


第8話では、
“魔王様”と“天使様”いう、対照的なふたりの
キャリアアドバイザーが描かれました。

求職者へ歯に絹着せぬ物言いで
「自己責任」「主体的なキャリア形成」
強く求める“魔王様”。

一方、求職者を尊重しつつ寄り添い
「合意形成」により「希望条件を広げる」
誠実な好青年の“天使様”。

両者の“北風と太陽”のような直接対決は
見応えがありました。

特に、現役のキャリアアドバイザーとしては
“天使様”の誠実に寄り添う対応には
背筋が伸びる思いでした。

でも、“魔王様”の鋭さにも憧れる(笑)

いずれにしても
求職者の人生の一大事に
丁寧に向き合っていきたい
そう感じた第8話でした。



最後まで読んでいただき
ありがとうございました。

はたらく方たちに少しでも
ヒントや元気をお届けできるよう
これからも投稿していきまっす!


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