中途入社の管理職がビジネス組織の強度を上げることに取り組む愉しさ
はじめての投稿ということで自己紹介です。
まず、私が所属するA1A株式会社では製造業の調達・購買活動を支援する『UPCYCLE』というサービスを提供しています。
このブログでは前回のCOO西島のブログに続くブログリレーの一環で中途入社の管理職がベンチャーにどんな思いで入社して何から着手するか?
そんなことを綴りつつ、私たちの事業やA1Aについて知ってもらえればと思います。
シリーズAの事業Ph.の管理職の愉しさは?
まず、いきなりですが我々A1Aの事業フェーズにおける、管理職の愉しさってなにか?
それは、私にとって「不確実性の高い事業を具現化していくことの愉しさ、組織としての成長を一緒に体験できる」に尽きます。
採用候補者の方々に「なんでA1Aに入社したんですか?」という質問をよく受けますが、その時も大抵はそんな回答をしています。
もちろん、自身の経験したいこと、キャリアパスによって得たいことや、事業や社会貢献、プロダクト・サービス面白さ、将来性、Mission共感性など他にも様々なことはあったりますが。
シリーズA〜Bの事業フェーズにおいては、事業に不確実性が高く、近視眼的に事業を見る必要もあるし、かと言って一箇所に止まってしまっては中期的な事業のあり方を思考しきれないが故に、将来に負の遺産を残してしまうような意思決定をしてしまうこともあり得ます。もちろん組織のスコープがよく変わることもありますし。
だからこそ、「虫の目」「鳥の目」「魚の目」で事業や我々が置かれている環境に鑑みながら、自身の業務領域にとどまらず事業と組織強度を上げていくような立ち回りが求められる管理職(実質はプレマネ)って愉しいんです。
どうせ山に登るなら「より険しく我々が登る道筋を創るほうがいい」
A1Aに入社した究極の理由は上記の通りですが、実は入社前に懸念していたことは2点ありました。
それぞれについて今振り返ってみたいと思います。
①については、当時はターゲットがかなり絞られており、ARPA(Average Revenue per Account)を上げていかなければ、企業としての成長戦略を描けない。要は価値提供領域をしっかりと広げていく企業戦略と事業戦略ってあるのか?
②については、前職がAI-OCRを提供する事業会社に所属していたので、製造業のバックヤードに存在する帳表の構造化データベースの構築をスケールさせる難易度と原価コントロールの難易度が究極高い。短期的にはトップラインを上げることはできるが、中期的に収益化するにはプロダクト視点でデータ化のオペレーション基盤を究極的に効率化する必要があり、ここにソリューションをもっているのか?
ただ、これらの懸念点を考えた時に、「意思決定に迷ったときは難しい方を選ぶ」という私が大切にしている思想を実行に移すべきだって思いました。
「入社して一緒に作っていけばいいじゃん。不確実性が高く難易度が高い事業ほどやりがいがあるっしょ」と。
製造業のバックオフィス系のデジタル化、DX化はホリゾンタルSaaSの台頭で著しく進化してきたけど、調達・購買領域はその恩恵をほぼ受けていない。
だからこそまずはDX化できるためのデジタル化させてDXに使える構造化データベースを作らないといけないし。
でも構造化データベースが構築できれば価値提供領域を広げることに注力できる。それはビジネスサイドがフロントに立ってデプスをプロダクト・開発サイドとガリガリ進めればいい。 そうすれば今見えているTAMやSOM(Serviceable Obtainable Market)も我々が創って広げればいいなと。
あとは収益性の担保ってところも、 A1Aに関わらずどんな会社でも切った貼ったはあるので、私もどんどん関わって一緒に推進していけばいいなと腹を決めました。
結果、どうせ登る山ならば難易度が高く険しい方が面白いに決まってるってことで入社したわけなんです。
中途入社が一番最初にインプットする情報はこれ
私はベンチャー中小企業を渡り歩いてきたのですが、まず一番最初にインプットする情報は、「市場と顧客の情報」だと決めています。「お客様の情報」といっても、どこの既存客とかって意味ではなく、ざっと以下のような感じ。
もちろん、一番最初は自社のプロダクトやサービスでしょ?って方もいるんだろうと思いますが、実質プロダクトやサービスを知ることの目的はお客様に提案したり、対象者として各種施策を企画したり、本質的な課題を探求して要求から要件化をすることになるので、見る角度が違うだけで結果行き着く先は同じように思います。
だからこそビジネスサイドでキャリアを歩むのではあれば、SaaSという事業において、新入社員はセールスもしくはカスタマーサクセスの顧客接点への同席や、そもそもセールス、カスタマーサクセスを一定期間自身が体験できるって環境を作れればアダプテーションが早いなと考えます。
中途入社の管理職が一番最初に手につけることは機能戦略の言語化
それでは、中途入社の新任管理職って何から手をつけることで、組織強度を上げることに貢献できるか?って話なんですが、私はいつもここから始めています。
私のなかでは完全にお約束としてやっているような取り組みで、大体いつも同じフレームワークを用いているのですが、これは新規事業年度も、ほぼ同様のことをするのですが、「何をする組織(=何に責任を持つ組織なのか?)」ってことを明確にすることです。実質、機能戦略(例えば:マーケ組織の戦略)をつくるってことを必ずします。
A1Aでももれなく、事業戦略を経営陣と言語化したのちに、PR、マーケティング、カスタマーサクセスの機能戦略を作りました。
組織によって言語化は異なりますが、例えばこんなこと記載します。
(組織により大きくスコープが異なる場合があるので、一様に以下の内容だけ含む訳ではありません)
20名弱の組織でなぜこんなことが必要なのか?
正直なくても各人の業務回ります。それではなぜ?ってことだと大きく3つの利点があります。
① 文化形成の観点で上流の事業戦略と各組織の戦略(機能戦略)を合わせることの重要性を皆が認識する必要性
② リソースが限られているからこそ、ベンチャーでは高いROIが事業運営には求められ、戦略的な思考こそ事業を高度化できると私は思います。その結果、優先度が明確化され、意思決定の拠り所が生まれるので結果として各自の意思決定のスピードが早くなり、質も上がる
③ 転職直後だとプロダクト理解やドメイン理解のキャッチアップはだれしもそれなりの時間がかかり成果を出しにくい。でも、少しでも組織横断的に汎用的アプローチで強度を上げられれば成果につながりやすい。
(個人成果)<(組織横断的成果)となる思想です。
A1Aでは今期(2024年6月から新規事業年度)、上流の事業戦略と紐づけて各組織がこれらの資料を作成し、機能戦略を発表し、明確化させて社員一同強い戦略的意識を創って事業を推進しています。これで、「事業<>組織<>就業者」しっかりとして紐付けができたってことになりました。
今の事業フェーズに求められる中途採用管理職のスキルセットは?
我々は先日8月5日 に「資本業務提携と新サービスUPCYCLEの公式発表」をしました。今期は事業の形も組織のあり方も大きく変わる一年になります。今期末時点でおよそ倍の大きさになるような採用計画を立てていますし、各組織の管理職(VP職、Manager職)の採用活動もしているということで、ビジネスサイドの中途採用管理職に求められるスキルセットについて考えてみたいなと思います。
結論、こんなことかなと。
中途入社の管理職は原則、セールス、マーケ、カスタマーサポート・サクセスの関連組織で一定プレイヤーとして成果を出して、事業年度を跨ぐマネジメント経験がある方を前提としつつ、最も重要なことは上記4つの"力"を駆使して「本質的課題を発見・探究し、その解決策を講じて、解決を推進する」ことかなと思います。
我々のフェーズだと、大小様々な事業課題、組織課題が存在します。加えて、意思決定のスピード、市場の変化への対応、着手する事物の優先度の判断など、事業を推進する上で大企業と異なるプロセスや時間軸で事業を展開していく必要がありますし、事業を前に進めることを最優先できるような能力が重要度が高く、我々のターゲット市場におけるケイパビリティとプレゼンスを高めるのだと思います。
さいごに
諸々ピンポイントなトピックでしたが、さいごまでご覧いただきましてありがとうございます。
A1Aや弊社事業について興味が湧いた方は、是非下記のCEO松原の創業背景や、一度事業をピボットを経験している裏側を赤裸々に記載したCTO佐々木のブログを覗いてみてください。(佐々木のブログはなかなか面白くて秀逸です)