仕事が早い人の早いは、次元が違っていた 天才から学ぶ「テトリス方式」とは?
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
先日脳梗塞の患者様をとある病院に紹介したら、以前一緒に働いたことのある同期のA医師が対応してくださりました。
その人とはたった2週間しか一緒に仕事をしたことがありませんでしたが、私の人生に大きな影響を与えた人でした。
それはなぜか?
それは、
異次元に仕事をこなすのが早い
人だったからです。
その人の姿勢を思い出しながら、仕事が早い人とはどのような思考回路をしているのか? そう考えていたことを思い出しました。
そしてそれは実は私たちにも役に立つ、意外と簡単な心がけで取り入れることができるものだったのです。
今回の記事はそのTipsをお伝えしようと思います。
誰もが後回しにしたくなる仕事
医師にとって避けることのできない面倒な仕事とは?
実はおそらく多くの医師が「サマリー」と答えるでしょう。
主治医は入院した患者さんが退院すると、原則全ての人にサマリーとよばれる「入院診療録概要」を書かなければなりません。私たち医師は文章を書くのが好きな人ばかりではありませんから、この仕事は非常に面倒な部類に入ります。
ひどい人はどんどん後回しにして、書かなければならないサマリーが何十人もたまることも。
この状況のことを、サマリー地獄、と呼びます。
A先生は仕事が早かった。
今回登場するA先生はこのサマリーを書くのがひたすら早かった。
どれだけ早いかというと、通常であればどれだけ短くても、15分や30分くらいかかりますし、退院してすぐ書くという訳ではないので、その日の夜になったり、翌日になることもあります。
でもまあ、翌日であれば早い方に入ると思っていました。
しかしA先生の早さは、想像を超えていました。
患者さんが退院し、数分後にはすでに完成しているのです。
どういうことなんでしょうか?
不思議に思った私は彼の動きを観察することにしました。
仕事は待つのではなく取りに行く
通常であれば、患者さんの退院が決まってからサマリーというのは書き始めます。なぜなら退院できるかどうかは、血液検査などの結果が判明してから決まるからです。
サマリーにはもちろんその血液検査の結果も書かなければなりません。
つまり、退院が決まるまで(血液検査の結果が判明するまで)サマリーを完結することができないはずなのです。
ですが、Aさんは血液検査の結果を待っている時、机の上でペンをぽんぽんと叩きながら、結果を待っていました。その時、すでにサマリーは完成されていたのです。
あれ? と思った人もいるでしょう。
なぜまだ結果が出てないのに完成させることができたのか?
答えは簡単です。おそらくそうなるだろう結果を予想して、すでに書いておくのです。そして違っていたら修正する。
ですから、予想通りの結果が出た時点で、サマリーは完成するのです。事実上ほぼ0分で。
これは目から鱗でした。
結果が出てから書く、これが最速と思っていたのですが、それを超える早さでこなす人がいるとは。
私はこの人の行動から、自分の行動を見直すことにしました。
鉄は熱いうちに打つ、メールの返事は0秒で返す
私たちは生きているうちに、色々なタスクが押し寄せてきます。
メールの返事、確認しなければならないこと、書かなければならない書類。たくさんあります。
私はこれらを来た瞬間に処理するよう心がけました。
全員に問いかけられた忘年会の出欠、住所変更の確認書類、これらの処理を誰よりも早く返すよう心がけました。
これを続けることで、分かったことがあります。それは、
すごく楽。
一見大変なことをやっているように思えるかもしれません。しかし、これらの返事や考えることって時間が経てば立つほど焦げついてくる、つまり処理しにくくなるのです。
先ほどのサマリー地獄を例に挙げると、時間が経てば経つほど人は忘れていきます。すると思い返すのによりコストがかかり、正確性も失われていくのです。
つまり、早くやったほうが結果的に少ないコストでタスクを処理できることに気づいたんです。
それだけではありません
仕事が早いと何より喜ばれる
相手も助かるんです、返事が早いと。
自分も楽で、相手も喜ぶ。こんな良いことはありません。
私はこれを「テトリス方式(タスクマネジメント)」と呼んでいます。
テトリスというあのゲームは最初まっさらな状態だと色々処理しやすいですよね、あそこにあれをおいて、とかこうして、とか考えやすい。
しかし色々溜まってくると、どんどん処理が難しくなってくる。
つまり、物事を小さいうちにどんどん処理していったほうが、結果的に楽に過ごせるのです。
仕事を早くこなすために必要なのは、なにも能力だけではありません。
自分の処理能力が高くない、と思っている人ほど、この「テトリス方式」を採用したほうがより効率よく対処できます。
ぜひみなさんも試してみませんか?