【考察日誌】テレビでよく見るツァイガルニック効果とは?『続きは本文で!』
こんばんは、芝本です。
冒頭の言い方、皆さん聞き覚えがあるんじゃないでしょうか?
テレビCMでよく見かける手法で、
説明の途中で『続きはWebで♪』なんて言って答えを言わなかったりしますよね。
お察しの方も居るかもしれませんが、
この『続きは〇〇で♪』といった手法が「ツァイガルニック効果」です。
今回はいたるところで使われている
「ツァイガルニック効果」について書いていきます。
ツァイガルニック効果とは?
「ツァイガルニック効果」は、冒頭に挙げたような「続きが気になる!!」みたいな効果の事を指します。人間の脳は完成しているものより未完成なものの方が記憶に残るんだとか。
この効果は、ドイツの心理学者であり、社会心理学の父とも呼ばれるクルト・レヴィン博士の下記の考えに基づいて、そのあとに続く心理学者によって確立されました。
人は欲求によって目標指向的に行動するとき 緊張感 が生じ持続するが、目標が達成されると緊張感は解消する
目標設定を追っている最中や、何か情報を見ている途中が最も緊張感を持って集中していて、達成した瞬間や情報が完結した瞬間に、その緊張感は失われるという事。
完成に至る途中なんかだと、脳が完成までの作業をシュミレーションしてたりするのかもしれませんね。
ツァイガルニック効果の使用例
コマーシャルの例を紹介しましたが、
「ツァイガルニック効果」は他にも様々な場面で使われています。
<テレビ番組の「続きはCMの後!」>
テレビ番組が扱っている問題やテーマの肝心な部分をCMの後に紹介するというもの。
CM途中での視聴者離脱を防ぐ効果が見込めて、視聴率が安定するのかもしれませんね。
<漫画の話の区切りやページワーク>
週刊少年ジャンプなどの週刊誌だと、めちゃめちゃ気になるところで次回に持ち越しますよね。もちろん、これも「ツァイガルニック効果」
ちなみに、週を跨ぐパターン以外にも、ページ内で話を完結させずに、バトル漫画だと技の命中しているコマが次のページだったり、日常系だと会話の返事が次のページだったり、意外と「ツァイガルニック効果」が利用されているので、好きな漫画でチェックしてみてください。
<サグラダファミリア、ミロのヴィーナス>
未完成であることが特徴の世界的な造形物と言えばこの二つ。
サグラダファミリアは建設途中の建造物で、2026年に完成が予定されているのだとか。着工から実に150年掛けての完成で、完成後は現在の高さの約1.5倍まで高さが伸びて、尖塔の数もかなり追加されるそうです。未完成のサグラダファミリアを見られるのはこの期間限定って考えると、5年以内に見に行くのもオススメかもしれません。
ミロのヴィーナスは、両腕が途中から欠落している事が特徴として挙げられます。当時の芸術家達によって腕の復元案が多数考えられましたが、定説となるような案はまだ上がっておらず、腕がない方が想像を書き立てられて芸術的だという説も唱えられています。
まとめ
今回は、「ツァイガルニック効果」について解説してきました。
一昔前に話題になった「アハ体験」ももしかすると似たような脳の働きを元にしているのかもしれませんね。
完成した時点で脳は考える事をやめる。脳が最も活動しているのはいつも未完成なものを完成に近づける時だ。
なんてなんだか格言ぽいですね。
逆に言うと、未完成の状態は脳に負荷をかけているという事なので、仕事に取り組む際は未完成で放置するのでは無く、一つ一つを完了させる方が脳に優しそうです。個人的にはこれがもっとも嬉しい学びでした。
皆さんも、他の人に興味を持ってほしい事柄がある時は、「ツァイガルニック効果」を試してみてくださいね。
本日はここまで。
最後までお読みいただきまして、ありがとうございます。