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第17夜 イタリア旅行記④

まえがき

前回はイタリア旅行記の第三回で

・世界遺産 ≪死にゆく街≫
・丘の上の街 オルヴィエート
・カルボナーラ発祥 ローマ

の備忘録を綴りました。

今回は前回に引き続き、
イタリア旅行記の第四回です。

ナポリを中心に据えつつ、
カプリ島
イスキア島
郊外の港町 ポッツォーリ
についても書いて参ります。

※6泊7日の旅行の中で訪れた場所ごとに
記録するので時系列順ではなくなります。

本日もよろしくお願い申し上げます!


ナポリ (Napoli)

9月20日 到着&注意点

南イタリアの港町、ナポリ。

ピッツァで有名な街、ナポリ。

広瀬康一君が降り立った街、ナポリ

憧れの街ナポリに私は行くことにした。


格安航空を使ったことがなかったので
今回はライアンエアーを試すことにした。
マルペンサ空港から1.5時間の空の旅である。

高速鉄道だとミラノ中央駅から約5時間だ。
※高速鉄道もLCCも値段が大差なかった。
   季節や席の空き具合でかなり変動がある

これは人に寄るが、マルペンサ空港からの飛行時間は1.5時間なのだが、マルペンサ空港への移動や、空港内での荷物検査や諸手続きなどに時間を要したり、移動にかかる工数が増えるので、ミラノに戻る時は高速鉄道で戻った。アマゾンで買い物をする際、ワンクリックでシームレスに決済ができる点にストレスレスなユーザー体験の良さを感じたのだが、移動1つとっても私は工数が多いことにストレスを感じるらしい。なので私はイタリア国内の主要都市への移動に関しては高速鉄道を強く勧める。とにかく楽である。


閑話休題。

ナポリ国際空港に到着した。
ここからバスに乗ってターミナル駅である
ナポリ中央駅に向かう。
所要時間は概ね10-15分程度である。

ナポリ中央駅に着弾。

最初から高速鉄道にしていれば
労せずにナポリ中央駅に到着するのに……

今回の旅行の宿泊先に向かうべくナポリ中央駅から地下鉄に乗るのだが、チケット販売所の券売機が故障していて有人販売しか稼働していなかったため、観光客が数少ない窓口に長蛇の列を成していた。埒が明かないと感じたので2-3駅ほど歩き、人が少ない駅で公共交通機関の一週間券を購入した。これで一週間、域内の鉄道とバスが乗り放題になった。

左から3番目の駅 "Frullone"に宿泊先がある。
観光するには非常に便が悪い。
あと、朝の地下鉄は激混みする。
ラッシュ時の山手線を思い出した。
乗客が酸欠で倒れる現場に2回遭遇した。

私は宿泊費を下げるためにナポリの中心部から離れた郊外地に拠点を置いたが、これを読んで下さった皆様には、ある程度栄えている場所に宿泊することをオススメします。

部屋は綺麗で可愛いけど
後半戦に差し掛かった時に
シャワーからお湯が出なくなり詰みました。
冷水心臓叩きの始まりです。

なぜなら、地下鉄もバスも最終便が早く、夜遅くまで観光を楽しめないのです。ましてナポリは公共交通機関が時間通りに運航することが期待できないので「知らぬ間に終電が消失していた」なんてことが起こり得ます。

私自身、終電を逃して宿泊先まで夜な夜な孤独に12km歩かされる寸前でした。まあ僕は歩けるんですけどね。北イタリアより若干治安が心配なところがあるので皆様は中心部から徒歩で移動できるような観光に御誂え向きな場所に宿泊するようにして下さい。


揚げピッツァを喰え!!!

宿泊先に荷物を置き身軽になったので
早速ナポリの街中を徘徊することに。
(繁華街➡宿泊先が概ね40分なので往復80分)

お腹が空いたので早速ナポリ飯を喫食!!
その名も
Pizza Fritto(ピッツァ・フリット)!!
日本語に訳すと「揚げピッツァ」である。

その名の通り、
生地にトマトソースやモッツァレラ、
バジルを包んで油で揚げたものです。

何故か遠くを見るおじさんが
注文を受けてから包んで揚げて下さる。
目の焦点合ってる?

生地は外がサクッ‼ 中がモチッと食感
生地の中でモッツァレラとトマトソースが
溶け合って最高の状態になっております。
これで500円しないのですから驚きです。

ちゃんと"Buono!!!"と伝えてから去ります。

La Vera Pizza Fritta da Gennaro

因みに、イタリアは南方に行くほど
経済状況が悪くなり、物価が安いらしい。


腹ごしらえ終了ということで
この日は夕食まで延々と散歩する。

一瞬東南アジアかと思いました。

比較的整然としているミラノと比べ
なにやら混沌として雰囲気を感じさせる
ナポリの街中が気分を高めてくれます。

こちらはダンテ広場。

海沿いは道幅が一気に広がり、
景色に開放感が加わります。

エエ写真が撮れました。
ヴェスヴィオ山

ナポリのシンボルの一つである
ヴェスヴィオ山もよく見えますね。

ベヴェッロ埠頭から程近いプレビシート広場

ナポリにもガレリアがありました。
ミラノのそれにそっくりですが、
サイズはミラノより控えめでテナントも
高級志向の店ではありませんでした。

ナポリのガレリア

人生最高のボンゴレパスタ

沢山歩いてお腹が空いたので夕食!!

Bellini

海に面した地域ということで海の幸を使った料理を楽しもう、ということでボンゴレパスタを注文しました。

本当に幸せな時間でした。

暖色系の光に包まれ、人々の営みの音が聞こえる外の席で、夜のナポリの雰囲気に恍惚としながら食べるパスタはそれだけで最高。

大きな皿に雑に盛られたパスタ。
見た目に反して回線の味が強過ぎず、
非常に上品で美味なお味でした。
終始独りで唸ったり天を仰ぐなどしました。

傍から見たら普通に気持ち悪い。

正直な話、ナポリ旅行で一番の美味でした。

この雰囲気がもう最高ですね!
ワクワクすっぞ!!

9月23日

9月20日の散歩で回り切れなかった場所へ。

その前に朝の軽い腹ごしらえ。
何やら老舗感を醸し出すピッツァ屋の
路面店でアランチーニを一つ喫食しました。

雰囲気のある店だったので寄ってみました。
「外サクッ!中トロッ!」を伝えたかったのに
普通に汚い写真になってしまいました。

何を喰っても美味い!!!ナポリ最高!!!こんなに美味い飯が安く食べられるんだから働かなくなるのも分かる気がする。


スパッカナポリ (Spacca Napoli)

有名なナポリの旧市街である。

真っ直ぐな一本道が続く。

"Spaccare"(スパッカーレ)という単語が
「真っ二つに割る」という意味で、
細くまっすぐな路地がナポリを
二つに割っているように見える様から、
この相性で呼ばれているらしい。

雑多で混沌としていて、何やら危ない薫りがするナポリの通りの中でも観光地化されている箇所で他の場所に比べると歩きやすい。
比較的安全にナポリっぽさを味わえる。

また、歴史ある有名なピッツァの店は
大抵ここに集積しているらしい。

有名らしいピッツァの店で食べました。
【Antica Pizzeria Di Matteo】

マルゲリータ
バジルをケチっていなくて好感が持てる。
美味い!!!

ここはスパッカナポリの中でも
浅草の様な下町感があって特に面白い
サン・グレゴリオ通り

サン・グレゴリオ通り

イタリアの伝統的なクリスマス飾りを
作る職人が営む店が軒を連ねていて、
人形等の可愛らしい土産物が無数に広がる。

職人感が全身から溢れ出ている。

歩くだけでも超楽しい場所である。


スパッカナポリを歩いていると
何やら坂道が続いている場所があり、
遠方の丘の上に城っぽい建物が見えたので
とりあえず歩いて行ってみることにした。
(自分のHPを全く勘定に入れない人間)

どんどん上に進みます。

結構な距離と階段と勾配があったが
なんとか城に辿り着いた。

私は坂を上りに来ただけで、
城の内部には興味が無かったので
それなりにする入場料を払ってまで
城内に入る気にはなれなかった。
※あとシンプルに金欠だった。

ベンチでのんびり休みながら
快晴の美しいナポリの景色を一望するのは
まさしく至高の時間であった。

快晴の青々としたナポリ。

下に戻るためにグーグルマップを開き、
ケーブルカーが存在することを知った。
このケーブルカーも初日に購入した
公共交通機関の一週間券で乗れる。

ケーブルカーを使うような場所を普通に
歩いて登ってきたと思うと単なる馬鹿だ。

※このケーブルカーもジョジョ5部に登場していて、ジョルノとブチャラティの遣り取りが繰り広げられている。

ケーブルカーを用いて坂を下り、
海沿いの道に到着するまでしばらく歩いた。
ここまで自力で登っていたと目で確かめ
我ながら体力お化けだと思ってしまった。

行きはここまで登ってたのです。

海沿いを歩いて卵城に向かった。

卵城の中からは美しきヴェスヴィオ山を
良いアングルから見ることが出来る。


新鮮な水牛モッツァレラを喰え!

モッツァレラチーズの本場は南イタリアのカンパニア州。そしてカンパニア州の州都こそナポリなのである。

ナポリに来て超新鮮な本場の水牛モッツァレラを喰わないのはアレルギーでない限り大罪である。

有識者の方がオススメして下さったチーズの専門店で水牛モッツァレラと
パルマ産のプロシュートを注文。

見て下さい!!!
モッツァレラチーズの中から
ミルクがブシャー溢れとります!!

そして何より店側の圧倒的自信。
調味料なんて一つもありません。
モッツァレラとプロシュートだけで
十分に美味なのです!!!!!

【La Tramontina Napoli】


再びスパッカナポリを徘徊していると
親子かと思しき日本人二人組がいたので
話しかけてみた。
一緒にビールを飲ませて頂いた。

親子ではなく、
私が母だと勘違いした方が
現在アテンドを生業とされている方。
元々広告代理店でバリバリ働いていたそう。

私が娘だと勘違いした方が、
2週間フィレンツェ郊外で料理の勉強に来ていて、空いた時間でナポリ観光に来ていた方だった。大阪某所のイタリアンレストランでシェフをされている。

お邪魔いたしました!
ありがとうございました!

またまた面白い御縁であった。

この日もナポリを存分に満喫した。


9月25日 一日ナポリ飯な雨の日

この日は生憎の雨…
南イタリアの夏のナポリで雨が降ることは
激レア現象らしいが、観光客としては困る。

「珍しい現象に巡り合えてラッキー」
とひたすら心に言い聞かせた。

Twitter上でお世話になっていた方から
オススメして頂いたお店に入店しました。

Trattoria Enoteca Campagnola

本当は金曜日の魚介専門のコースなるものを勧められていたのだが、金曜日はどうしても都合が合わなかったのでやむなくアラカルトで注文。

連日魚介類のパスタを食していたので
この日は気分を変えてみる。
「ナポレターノな感じのパスタはどれ?」
と聞いて指差されたパスタを注文しました。

Bigoli allo Scarpariello(ビゴリの靴職人風)
ビゴリは太麺のパスタ。
たっぷりのトマトを使用したソース。
靴職人が靴を磨く様に皿をパンで綺麗にして
食べてしまうことから名付けられたそう。
Ricotta e Pera(洋梨とリコッタのチーズケーキ)
アマルフィが発祥とされるデザート。

この日はもう一店舗、
散歩中に気になった店に訪問。

【Monsù】

伝統的且つ凝ったナポリ料理が
食べられるっぽいのである。

前情報でナポリの伝統的なパスタは
「ジェノベーゼ」や「ラグーソース」の
パスタと聞いていたので、それを探していた矢先、偶然発見したのがこの店なのである。

※この「ジェノベーゼ」は日本で一般的に想起される緑色のバジルペーストのそれとは全くの別物である。本来のジェノベーゼは茶色い。何故なら玉ねぎと牛肉を煮込んだソースで作るパスタだからだ。緑色にはなりようがない。では、あの「ジェノベーゼ」と私達が認識していた緑色のパスタは一体全体なんなのか。茶色い方は”Pasta alla Genovese” で「ジェノベーゼパスタ」、緑色の方は”Pasta al Pesto Genovese" で「ペスト・ジェノベーゼのパスタ」という形になる。”Pesto Genovese” の”Pesto” はリグーリア地方、つまりジェノバ(Genova)の辺りで生まれた調味料を差し、ニンニクや松の実、オリーブオイル、パルメジャーノチーズ、そしてバジリコ等で作られる。そして"Pesto Genovese"はPestoを作る際に使用するバジリコがジェノバ産である場合に限り用いられる名称なのである。つまりバジリコがジェノバ産のものでない場合、それは”Pesto Genovese” ではなく、単なる”Pesto” なのだ。言い方を変えると”Genovese” は単にバジリコの産地を形容詞として示しているのだけなのだ。つまり、我々が想像するバジリコの緑色のパスタは「ジェノベーゼ」ではなく「ペスト」なのである。

ジェノベーゼの蘊蓄を垂れておいて難であるが、私が注文したのはラグーソースのパスタである。

Ragu Pasta e Carne

理由はジェノベーゼのパスタの煮込み時間が8時間であるのに対して、ラグーソースのパスタの煮込み時間が12時間だったからである。より時間と手間が掛かっているものにお金を払ってみたかったのである。

それはそれは濃厚な
肉の薫りと味が口いっぱいに広がりました。
お肉もホロッホロでです!!

幸!!!


9月26日 ナポリピッツァの名店

この日も朝から生憎の雨。

本当はピッツェリアをハシゴするつもりだったが、天気の悪さに加えて宿泊先のチェックアウト日故に荷物が多くフットワークが重くなってしまった。

更にかねてより行きたかったピッツェリアの待ち時間が尋常ではなかったために、
ピッツァハシゴは断念した。

この日に行ったピッツェリアは
ナポリが本店ではあるのだが、
なんと日本にも、東京恵比寿、
横浜みなとみらい、福岡天神の3箇所に
展開しているので皆様も是非!!!!

【L'Antica Pizzeria da Michele】

ピッツェリア・ダ・ミケーレのナポリ本店は
毎日開店前から列ができる程の超人気店。
列に並んで整理券を貰う。

そこそこ早く並んでいたので
40番台の整理券を入手。
これでも小一時間は待つ。

整理券はどんどん配布されていき、
人がごった返していた。

退店時に撮影。ひと・人・ヒト。

整理券さえもらえば離れても問題ないが、
この日は生憎の雨で私は傘がなかったので
整理券を貰った後も知らん顔をして
店前のテントに収まって雨を凌いでいた。


いよいよ入店!!!

ピッツェリア・ダ・ミケーレ
ナポリ本店のメニューはこんな感じ。

なんと4種類のみで全て5ユーロ(約700円)!

概ね700円で本物のナポリピッツァが
フルサイズで食べられるのである!!

私は強欲で2種類食べるために
半分マルゲリータ、半分マリナーラの
MARITAを注文した。

ピッツァが到着!!!
デカい!!!圧倒的にデカい!!!

MARITA

それでもペロリと食べれる美味さ!!!

本場ナポリの味を体験してみたい方は
先述の通り日本にも店舗があるので是非!

帰国後友人達と恵比寿店に行きました。

カプリ島 (Isola di Capri)

2022年9月21日 悔しいです!!!

ナポリに来たからには
ついでに見てみたかった景色がある。

それはカプリ島にある
【青の洞窟(Grotta Azzurra)】である。

欧州有数の高級リゾート地として有名なカプリ島はナポリのベヴェレッロ埠頭から出ているフェリーに揺られて40分程度で行くことが出来る。片道料金は概ね20~25ユーロ。

Marina Grande港に到着。
圧倒的快晴!!!

青の洞窟。
そこは手漕ぎボートでしか入れない場所である。海面にある洞窟であり、南イタリアの強い日差しが透明度の高い海水を通して洞窟内に入ることで幻想的な青の景色が洞窟に広がるのだという。

行けば必ず入れる場所ではなく、晴れの日で、波が穏やかで、洞窟への入り口が海水で塞がっていない時にのみ入れるのだ。

そう、ギャンブルである。

カプリ島に到着してから
青の洞窟に行くには二つの方法がある。

・海路
カプリ島の港に到着後、別の船に乗り換え、
青の洞窟の出入り口周辺に行き、
順番が来たら手漕ぎボートに乗り換えて
洞窟内に入場する。
➡高くつく上に船酔いリスクが大きい。

・陸路
カプリ島到着後にバスで青の洞窟の出入り口に行き、手漕ぎボートで洞窟内に入場する。
➡安い上に船酔いせずに済む。
 また、手漕ぎボートの船頭さんが
 優先して入場させてくれるという噂も。

当然のことながら私は陸路を選択。

天気は圧倒的快晴!!!
「これは勝った!!!!!!!」
そう私は確信していた。

心まで晴れやかになる天気ですな。

心躍らせながら私は陸路で
洞窟の出入り口に到着したが、
人が全然見当たらない……

おっふ………

出入り口が波で塞がっていた。
船頭も誰一人いない……

無念!!!!!
入場不可能!!!!!
膝から崩れ落ちるような気分であった(泣)


青の洞窟だけじゃないから!!!

青の洞窟を見ることは叶わなかったので
悲しみに暮れていたのだが、
遠路はるばる南イタリアまで来たので
楽しまないで帰るのは損だと思い、
気持ちを切り替えカプリ島を楽しむことに。


カプリ島には二つの町があり、
【カプリ】と【アナカプリ】である。

カプリ地区はマリーナグランデ港から
ケーブルカーに乗ると到着する町である。
高級リゾート感のある瀟洒な街だ。

カプリ地図。
ケーブルカーを下車すると
こんな景色がお出迎えしてくれる。

アナカプリ地区はカプリ地区から西に
バスで15分程度で行ける街である。

アナカプリ地区はリゾート地というより
昔ながらの街並みが残っている町であるが、
観光地はアナカプリ地区に集積している。

私はアナカプリ地区にある観光地
ソラーロ山にケーブルカーで登ってみた。
これめっちゃ楽しいですよ!!!


ソラーロ山で空中散歩を楽しむ。

ソラーロ山(Monte Solaro)にはアナカプリ地区からスキー場のようなリフトで登ることが出来ます。

15~20分程度の空の旅です。

頼りない安全バーを備えたリフトに体を預け、高所恐怖症故にその高さに怯えながら、
空と海、地平線、大自然を五感で感じている内に終着駅に着きます。

リフトを降りて案内に従って進むと
景色が楽しめる場所に辿り着きました。

これが頂上からの景色です。
あまりにも美し過ぎる絶景です。
これは実際に見に行く価値があります。

大自然を感じますな。

ソラーロ山からの景色を楽しみ
青の洞窟ショックから回復し満足したので
フェリーに乗ってナポリに帰還。

この日もナポリで地元の人にも愛される
レストランを訪問し、
ここでもボンゴレパスタを喫食しました。
【La Lazzara Trattoria e Pizzeria】

この雑に盛ったワイルド感が良いですね。
カプレーゼも頂きました。

ここのボンゴレは非常に野性的な感じで
Belliniとは趣向が違いますが美味でした。

店員さんに
「食後に何か飲むかい?」
と聞かれたので

「俺あんま酒飲めないんだよね」
と返答したら

「そんなこと言わずにさ!
 ナポリに来たんだったら
 リモンチェッロを飲みんさいな!」

とリモンチェッロを御馳走してくれた。

リモンチェッロ

苦いし、アルコール強いけど
優しい味がしたような気がした。

地元の人で賑わっております。

イスキア島 (Isola di Ischia)

9月22日 「天然」温泉を求めて

イタリア生活は「湯船に浸かれない」
という苦痛との格闘の生活である。

風呂文化で生まれ育ち
風呂という時間を愛する私としては
これは非常に悩ましい問題である。

「全身お湯に浸かりたい!!」

そんな衝動が私をこの島に導いた。

イスキア島(Isola di Ischia)である。

イスキア島はナポリ湾に浮かぶ火山島。
そう、温泉が湧き出る土地なのだ!!!
テルメ(Terme)があるのだ。

ローマじゃないけど
『テルマエロマエ』を
やろうじゃあああないか!!!


イスキア島はカプリ島と同様に
ナポリのベヴェレッロ埠頭から
出航するフェリーで片道40分程度
で気軽に行ける島である。
こちらも片道20〜25ユーロ程だ。

イスキア島には幾つか有料で入場できる
温泉公園なる施設があるのだが、
私は貧乏学生なので行くつもりはなかった。
加えて希少な体験を求めていたのである。

私の目的地は
ソルジェート温泉(Baia di Sorgeto)

源泉が直接海に流れ込む場所のため
海水と源泉が混ざり合う場所は
丁度いい温度で浸かることができるのだ。

そしてここは入場無料である。


イスキア島に到着し
バスの一日券を購入した。

バスに揺られて数十分
所定の停留所で下車した。

何もない。小平市くらい何もない。

地図を見る限り場所は合っている。
目的地まで3km程あるので歩いた。

快晴も快晴。
風も大変気持ちが良い。
自然と表情筋が綻ぶような天気だ。

目的地のソルジェート温泉付近に到着。

朝にカプチーノしか摂取していなかったので
近くにあるレストランらしき場所に入店。
温泉に入る前にトイレにも行きたかった。

何度でも言うがイタリアでの
トイレ探しは結構難儀するのである。

レストランではカプレーゼを注文。
皿いっぱいに敷き詰められたトマトに
カットされていない球状のままの
モッツァレラが乗って出てきた。
美味しく頂きました。

トマト過多になるで。

近くの席で御老人5人組が
記念写真を撮影しようとしていた。
撮影者が写真に映れなさそうなので
声をかけて私が撮影に回った。

その後少し絡まれたので
一緒に写真を自撮りで撮影した。

こういう人との触れ合いも悪くない。

さあ、いざ温泉である!!!

服を脱ぎ。水着に着替える。
あとビーチサンダルに履き替える。

これがソルジェート温泉!!

最高の天気!!
最高の景観!!
微妙な湯加減!!!

湯加減が微妙である。
何もせずとも適温の場所は
既に先約がいるのである。
源泉近くに寄って
お湯を掻き混ぜないと
湯加減は微妙なままなのだ。

良い湯に浸かるために
労力を惜しんではいられない。
これは宿命なのである。

このねいネイチャー感が堪らない。

しばらく温泉を楽しんでいると
こんな辺鄙な場所で日本語が聞こえてきた。

日本人4人組がやってきた。
お話を聞かせて頂いたところ
ドイツのフランクフルトで
飲食店を営んでいる方々で
8月に頑張った分の慰安旅行らしい。
後でお店を調べたが相当有名らしい。

温泉を出た後、この方々が
バス停までタクシーに乗せて下さった。
「これも何かの縁、いつかお店来てね」
と御言葉を添えてタクシー代まで……

フランクフルトなら日本から直通便がある。
働いて稼いで絶対に食べに行きます!!
【MUKU】


海上要塞⁉︎ アラゴネーゼ城

温泉を楽しんだ後、
バスで港付近まで戻ったが、
乗りたいフェリーまで2時間弱あったので
島内を観光する事にした。

「どうやら有名な観光地がある」
とのことで行ってみることにした。
※温泉の事で頭がいっぱいで他の事は
   何一つとして調べていなかったのである。

アラゴン城という
紀元前からの歴史もつ城塞だった。
港からバスで近くまで行けるが、
私は元気っ子なので歩いて行った。

こちらがアラゴン城。

絶海の古城とでも言うべきか。
島から突き出た場所に位置しており
200m程の橋を島まで渡る。

※「橋」感はない。

ここは入場料がかかる。
学生料金があったので学生証はないが
パドヴァの時と同じ手口「ビザ」で
学生料金を勝ち取った。
イタリアは言ったもん勝ちである。
真っ当な正当化の理由さえあれば問題ない。


いよいよ城内へ!!

中には小さい博物館もあり
なんと中世の拷問器具が所狭しと
展示されている空間があった。

首チョンパするやつ。
なんか人体をめっちゃ挟むやつ。

少し気味が悪いが妙に興奮した。


城の展望エリアからの景色はこんな感じ。
登って良かった!!!

歩いてきた橋が見えますね。
神秘的にすら感じます。

何やら撮影をしている人がいたので
何を撮っているのか聞いてみたら、
イスキア島で作っているブランデーの
物撮りをしている最中とのことだった。
お洒落が過ぎるぜ。

そんなこんなでアラゴン城を後にし
港へ戻り、ナポリに帰還した。

この日のナポリでの夕食は
微妙だったので触れないでおく。


ポッツォーリ (Pozzuoli)

9月24日

ナポリ旅行の出費が嵩み過ぎている。
原因は島に行くためのフェリー!!
乗る度にエグい出血であった。

本当はソレント、ポジターノや
アマルフィなどにも行きたかったが
何より美味い飯が最優先事項だったので
【今回】は行くのをやめた(次回確定演出)。

とはいえ、ナポリの繁華街は十分に
歩き回っていたので別の場所に行きたい。

そこでTwitter上の有識者の方が
御教示して下さった場所こそ
ポッツォーリ(Pozzuoli)である。


ポッツォーリはナポリから
電車で小一時間で行ける郊外の港町だ。

円形闘技場や神殿などの古代遺跡、
硫黄の匂いがプンプンするらしい
フレグレイ平野火山地帯公園などの
観光地があるだけでなく、
郊外の港町ということで魚介料理が
ナポリより安く美味しく食べれる
というのである。

これは行かない手はない。

私が最初に購入した交通機関の1週間券が
目的地まで有効なのか念のため職員に確認。有効の確認が取れたので早速乗車。

快晴の空の下を走る電車で
海を眺めながら移動するのもまた一興。

電車はいつの間にか目的地の
Pozzuoli Solfatara駅に到着。

駅から徒歩数分、円形闘技場。

しばらく歩くと港周辺の街に到着した。

流石は郊外地、
観光客がいないわけではないが、
明らかに人がまばらである。
ナポリ中心街の喧騒とはまるで異なり
長閑な港町といった感じの趣である。

給水。

オススメされたレストランに行ったが、有識者の方がいた時と比べて観光地が進み、価格が上がりクオリティは下がった可能性が高いという。写真を送って見て頂いたが、料理の盛付や量、価格がイメージと随分と違うらしい。郊外地ならではの「地元感」「ローカル感」が損なわれて、有識者の方も残念そうにされていた。

とはいえ不味いわけではないし
雰囲気も悪くないので写真は載せる。

ここでもボンゴレを食す私。
ボンゴレを食べ比べてみたくなったのだ。

腹ごしらえも終わり
昼飯だけで帰るのは勿体ないので
ソルファターラ火口
(フレグレイ火山地帯公園)
まで歩いて行ってみることにした。

結構な距離っぽかったが、
元気っ子なので気にしない。

ソルファターラの入口に到着。

はい!!!閉まってる!!!

散!!!!!!

悲しみに暮れつつ
丘の上から美しい景色を
眺めてポッツォーリ旅行は
終了しました。

有識者曰く、なにやら公園内で
事故が起きたらしく
それが原因で閉めている可能性がある
とのことである。


あとがき

6泊7日の旅行ともあって
尋常ではない文字数になりました。

もう中間レポート位の分量である…

執筆途中で我に返って
「俺は一体なにをしているのか」
と虚無感に襲われたりもしました。

それでもこんな分量を書き切ってしまう程に
イタリアには魅力が詰まっているのです。

「人生で一度は行くべき地」だと
心の底から感じております。

次回はイタリア旅行記の最終回です。

長かった旅の備忘録もいよいよ終わり。

丹精込めて執筆致しますので
次回も御一読下さいますと幸いです。


記事を読んで下さいまして
誠にありがとうございます!!!

少しでも「面白い」「良かった」と
思って下さいましたらイイね👍または
コメントをして下さいますと幸いです🙏

記事を有料化する事は現状考えていません。

その代わりに、
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と思って下さいました場合には
サポートして下さいますと幸いです🙇🙇🙇

それでは
第18夜へ続く…To be Continued…

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