プレート理論の代替案:カラハリ衝突仮説

 プレート理論を否定する以上,代わりの仮説を提示する責任がある.自分の足で歩き,自分の頭で考えた結果,それを得たから,自信をもってプレート理論を葬り去ることを提案するのである.

  南部アフリカ地域は,かつて南極にあったと思われ,巨大隕石衝突跡がいくつもある.最古のものは今から20億年前のフレデフォートドーム(図のV地点,以下同じ),10億年前にハイベリー(H),1億8000万年前にクガゴディ(K)にそれぞれ巨大な衝突跡がある.これらの衝突は地殻を突き抜けて,割った.すると地球内部のマントルがせりあがってきて地表に達し、大気によって冷やされ固まって溶岩台地ラーヴァ(lava)を形成した.

 今も南部アフリカには、カルーと呼ばれる溶岩台地がある.その溶岩台地は、カラハリ砂漠の周囲にある.なぜカラハリ砂漠の周囲にあるのか.カラハリ砂漠には、なぜラーヴァはないのか.大きな謎である.

図1 Du Toitの地質図上の巨大断層は巨大隕石衝突跡と重なる

 1億4500万年前のモロケン衝突(M)は,それまでの衝突によってせりあがっていたラーヴァの上に衝突したのだ.弱体化していた地殻を叩き割り,大陸の分裂を招いた.
 デュトワが地質図に描いた巨大断層(図1)は,過去の衝突跡と見事に重なる.大陸の亀裂である大地溝帯(Great Rift Valley)は、フレデフォート衝突跡(V)とクガゴディ(K)を結ぶ線の延長にある.そしてモロケン(M)-クガゴディ(K)-ハイベリー(H)線の延長線上には、アフリカ大陸東海岸の分裂線がある.

                     (表1) 南部アフリカの隕石衝突跡

 名称    緯経度     直径(km)  百万年前

Vredefort  S 27° 0' E 27° 30'  300    2023 ± 4

Highbury  S17°04' E30° 07'                              1034

Kgagodi         S 22° 29' E 27° 35'       3.5             < 180

Morokweng   S 26° 28' E 23° 32'        70          145.0 ± 0.8

                     PASSC Earth Impact Databaseより

  1億4500万年前のモロケン衝突の際,ついに大陸が分裂して,地殻の割れ目から海水が地球内部に流れ込んだ.そして、カラハリ砂漠は巨大な噴火口となって、ずいぶんと長い期間にわたって、マグマ爆発が続いた.

図2 カラハリ砂漠の周辺の白い部分はそれまでの天体衝突によって生まれたラーヴァ
そこにモロケン衝突が命中してラーヴァを溶かし、巨大なマグマ噴火が長期間続いた
(アメリカUSGSのGTOPO30標高データをGoogleEarthに重ね合わせた標高図)

 アフリカ大陸は北上して,ヨーロッパ大陸を褶曲してアルプスを生み
だし,エルブルズ山脈やザグロス山脈を生みだした.南米大陸は離れていき、亀裂は大西洋になった.


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