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岡本太郎の「生命の樹」の前方誤り訂正 (3)  間違っていたら訂正する

大阪府庁に電話してください

 太陽の塔の展示を見始めて、いきなり間違いに気づいた僕は、近くにいる係員に40億年前というのは20億年前の間違いであることを説明した。
 すると係員は、どういう間違いか、なぜ間違っているのかということを深く考えることもなく、「これは当時の展示のママなのです。」と正当性を主張する。「だけど、もし太郎さんが今生きていたら、最新の科学知識を反映するように訂正すると思いませんか?
 少々お待ちくださいと事務室のほうにさがり、10分ほどして戻ってきた。「展示の内容は大阪府の責任になるので、大阪府に連絡してください」という。
 「え? 大阪府に電話しろということですか」「はい」
 「いきなり府庁に電話せよということですか? 電話番号も、担当者も、わからないのに、いきなり総合受付に電話せよというのですか。
 そんなんじゃ、解決につながらないのじゃないかな。太郎さんがそういうふうに言われたら、怒ると思いますよ」
 すると、「わかりました。帰りに事務所に立ち寄ってください。」という。とりあえず、最初のところはそれで一段落した。

カンブリア大爆発

 少し上のほうにいくと、今から5億4000万年前におきたカンブリア大爆発の時期となる。ここの時代区分は合っていると思う。
 生命は、38億年前に原核生物が生まれ、20億年前に真核生物への進化がおき、多細胞生物になるのはたかだか5~6億年前のことになる。単細胞だけの時代が30億年以上続いたのだ。
 単細胞の時代が30億年以上続いたという厳粛な事実は記憶しておいてよい。


哺乳類の出現時期もおかしい

 それから恐竜の時代を経て、爬虫類、両生類を経て、我々哺乳類の時代になるのだが、その時期がおかしい。2300万年前に登場したことになっている。

 哺乳類の登場は6600万年前である。そう言い切れるのは、メキシコ湾に巨大隕石が衝突して、大量絶滅が起きたことで、胎生哺乳類は生まれたからだ。
 それまでの哺乳類は卵生哺乳類で、カンガルーのように小さな卵で産んで、生まれた赤ちゃんがおっぱいを飲んでいた。ところが、胎生哺乳類は、隕石衝突の衝撃で気を失った間に突然変異がおきて、子宮と胎盤とへその緒によって、新生児は子宮のなかで、胎盤とへその緒を通じて代謝して、大きく育つようになった。このため脳が大きくなり、音声コミュニケーションをするようになったし、ボスがいる社会を形成するようになった。
 卵生哺乳類のカンガルーがオーストラリアに残るのは、メキシコ湾の対蹠点にあたり、隕石衝突の影響を受けなかったからだ。
 哺乳類の出現時期もおかしい!!

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