見出し画像

北へ、とにかく北へ vol.35

火曜日 午前 01:35

携帯の画面を見るともう真夜中だった。

ミカからのLINEが6件。電話も3件。

ロンダキとハーモニーで会話をした。
その後のことはボンヤリとしている。

いや、本当は覚えているのだろうが、竹田の脳は思ったよりショックを受けていた。

「じゃあ、今はこれくらいにしておこう。タケダも疲れちゃうし。また来るしさ」

シュウトがロンダキの部屋でそう言ったのは覚えている。

それから、どこか別の部屋に連れていかれ、気づいたら透明なピラミッドの前にいた。

前には漆黒の海。
後ろにはさらに大きなピラミッドがあった。

(あれ、ここはアスパムだ、、)

竹田は大湊に住んでいた時に、両親に連れられてここへきたことがある。

青森市のシンボル的な三角の建物。
《観光物産館アスパム》

深夜の遊歩道には、スケボーをしている少年たちが遠くに2、3人見えるだけだった。

「Thank you for your hard work」

ジュリーレッドが声をかけてきた。
サングラスはブルゾンの首に引っ掛けてある。

(あ、夜だから、サングラスはかけないか、、)

と、どうでもいいことしか考えられない。


「梵珠山に出ると思った?あそこ遠いからさ、タケダのホテルの近くの出口にしたよ。
正式な出口じゃないけどね。
タケダは特別待遇。
ロンダキもそれだけ期待してるってことだよ。」

(シュウト、、もういいよ、、
今日はもうロンダキの話は聞きたくない、、)

「すみません。今日はすぐに寝ます。」

「ワタシもそれがいいと思うわ。」

ジュリーレッドが心配そうに見つめている。


竹田は、Google mapでホテルへの道順を検索した。

《ミカ、連絡できなくて本当にごめんなさい。
青森はヤバイよ。
ココは普通じゃない。
ゼッタイ来ない方がいいと思う。》

《でも、お洒落だとも思う。》

帰り道、ミカにLINEを送信した。


#小説
#ヨガ
#チャクラ
#恋愛
#青森
#旅行
#クンダリーニ
#sf
#スピリチュアル
#UFO
#ニュートリノ
#タラコ
#アスパム





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?