頭の中⑥成長モデルの木
仕事で下のような「ビジネス成長モデルの木」の図を書いた。
この図で言いたいのはことは二つ
・人の成長も企業の成長も、根や幹が大事
・全体を見ることが大事
って話だと思う。
人も企業も、木に習う
木は、根っこ→幹→枝→葉→実という流れで成長し、増えていく。
企業の場合、根っこ(理念)→幹(戦略)→枝(計画)→葉(戦術)→実(成果)に例えられ、成長していくと分かりやすい。
人の場合もほぼ同じだと思う。
根っこ(理念/目的=なぜ)
根っこは他人からは見えないから、忘れられがちだが、その人を支える根源、ルーツである。
その人をその人たらしめるのは、理念であり、根っこの部分だ。
同じ人なのに、どうしてこんなにも人によって差があるんだろう?と思う。
世界で活躍するプロ野球選手がいる一方、アマチュアの人もいる。
なぜなんだろう。
1日24時間だし、やってることも、練習量も、さほど変わらないように見える。
たぶんその答えは、根っこなんだと思う。
親や、育った環境「なぜそれをやっているのか?」という理由、理念。
他人からは、その根っこは見えないから、なおさら、なんでこんなにも差が出るのか分からないはずだ。
大切なのは想い。
想いとは「なぜ?」「なんのため?」という言葉に置き換えられるかもしれない。
幹(戦略=どのようにやるか)
想いがあるのだって、みんな同じはず。
なのに、それでも結果を出す人と、そうではない人がいる。
話題の大谷翔平選手は「マンダラチャート」という目標達成のシートを、高校生の時にやっていたって話は有名だ。
「想い」「理想」「理念」をかなえるためにどんな方法でやっていくか、それがその後の人生や方向性を決める「戦略」だと思う。
木の幹も、まさにその通り。
どこまで伸びるかは、どの方向に伸びるかは、木の幹(戦略)にかかっている。
枝(計画=いつ、どこで、だれが、いくらで、)
目的、戦略の次は計画が必要だ。
木の枝がいくつにも伸びるように、幹(戦略)をもとに、いつ、どこで、だれが、なにを、が決まってくる。
例えば企業なら、どこに支店を出そうか、誰を店長にして、どんな人材を配置して、いくらの予算で…と枝を伸ばす。
戦略を、より明確に具体的に落とし込むのが、計画だと僕は考えている。
葉っぱ(戦術=何を)
自分も含めた多くの人が、この葉っぱばかりを見てしまっている気がする。
このnoteで一番言いたいことはこれ。
例えば僕の場合、コンサルティングをやっていたのだけれど「あっちの企業はあれをやっている」とか「WEBも、SNSも、広告も、イベントも、色々やろう」とか、小手先ばかり気にしていることがとても多いことに気が付いた。
「みんながやっているから」とか「なんとなく」とか「本で言ってたから」などと、毎日忙しく小手先ばかりみて行動してしまっていた。
葉っぱは、日の光を浴びて、木に栄養を届ける大切な役割である。
あれやこれやと、生い茂る葉っぱのように、無数にある物事をやってれば、忙しく、なんなら充実した気にさえなる。
だけど、気づいたら「何のためにやってたのか分からなくなった」とか「がんばっているのに結果がでない」なんてことが多々ある。
僕らが日々やるべき物事ってたくさんある。
営業マンなら、今日会うお客様がどうやったら買ってくれるか?って考える。
野球選手なら、数ある試合の中で、今日の試合ではどうやって勝つか?なんて考える。
あくまで、それは戦術であり、文字の通り「どんな術を使おうか」ということ。
昔から「戦略」と「戦術」って言葉は似ているものだから、ずっと勘違いしていた。
でも前述の通り、戦略(木の幹)と、戦術(葉っぱ)は、全然違う。
この戦いにどうやって勝つか=戦略
だとするならば
兵士が相手をどうやって倒そうか=戦術
なのだ。
戦術(葉)は、戦略(幹)があってこそだ。
実(成果)
こうして、根や幹、枝葉がしっかりしていると、そのうち実がなる。
仕事なら売り上げが上がったり、お客様がついてくれる。
野球なら勝ち星が増えていく。
戦なら領土が増える。
種(紹介)
実はやがて成熟すると落ちて種がまた新たな芽を出す。
ビジネスなら、お客様が別のお客様を紹介してくれたりする。
そうして、もっと豊かになっていく。
以上。
僕は起業家なので、だいたいビジネス目線で書いた。
企業の成長と、木の成長は似ているなとわかった。
僕自身「葉っぱ」ばかり見ていたと分かったし、企業として、やるべきことがどこに位置していて、何とつながっていくのか分かっていなかった。
勉強になった。
成長モデルの木をなんで書いたか
名ばかりのコンサルタントをしていた僕。
うちのお客さんが「あれやってほしい」「これやってほしい」と、あれもこれもって求めてきた。
例えば「ホームページのデザインを変えたい」「YouTubeやInstagram、いやBlueskyも」とか「ティッシュボックス作って」とか「チラシを変えよう」とか、相手も社長さんだから色々やりたい気持ちはわかるの。
最初のうちは、僕も「お客様の願いを叶えてあげるのが大事」とかって、言われるがまま、命ぜられるがままにやってきた。
でも違った。
この無限にある物事にずっと、踊らされると思った。
だって本当にいくらでもあるんだもん、やることなんて。
さっき「ティッシュボックス作って」って言われたけど「バスの広告はじゃあなんでやらないの?駅の中づり広告は?市の広報誌に広告は?」とか「SNSはやれっていうけど、Googleビジネスプロフィールはなんでやらないの?」って思うわけ。
結局、気まぐれだったり、世間が言ってるから、やってるからってことだったりするの。(もちろん、中には正しいご要望もあるけど)
やることなんて無限にある。
無数に葉っぱが生えているように。
ただ、その一つ一つばかりに追われてたら木が枯れちゃうよって。
だから、小手先を求めるのも大切なんだけど、全体をまず見ようねって説明するのに、この図を書いた。人も企業も、木と同じように成長していこうねって。
そんで、その社長さんにね、根っこ(想い)とか、幹(戦略)とか聞いてみたの。大きくて優しい想いはあったんだけど、戦略(幹)と計画(枝)が、全然ないの。
だから、その会社さん、スタッフとか支店でトラブルがあったり思うように成果が出なかった。枝が枯れちゃってたのね。
戦略(木の幹)がしっかりしてなくて、お金もジャブジャブ使ってしまったり、人材も「知り合いだから」ってなんとなく雇用したり。
木の幹って、木全体のエネルギーを蓄えたりしてるんだよね。
企業のエネルギーって以下のようなこと。
・どんな人を雇用し、育成するか(人)
・お店や機材、商品、支店はどうするか(モノ)
・お金をどう守り、稼ぐか(金)
・IT活用や、知識やノウハウやデータ(情報)
・どのくらいで達成できるか(時間)
このエネルギーをどう使っていこうかって考えるのが戦略。
WEBをやっていきましょうとか、SNSやりましょうって、大事なんだけど、まずは木の幹をしっかりやりましょうねって、話をした。
偉そうなことを書いているけど、僕自身分かってなかった。
デザインをどうするかとか、WEBサイトどうするかとかしかやってこなかったから。
でね、考え直したの。
結局、戦略から導き出して、僕が「泥臭いですが地元でイベントやりましょう」って結論を出したの。
HPとかじゃなくて、今までやったことない全然違う路線なのね。
結果、そこからテレビで放映されて、お客さん来て、売上が上がって、社長さんすんごい喜んでくれたのね。
僕も嬉しかった。
それから社長さん「あれもこれも」って言わなくなって、根っこや木の幹から、何をやっていくかを導きだすから、どんな枝や葉っぱをやるべきかが分かるようになったの。
おわりに
自分の勉強不足を痛感した。
そして、人の根っこにある「なぜ?」がとても大事なんだってこともわかった。
昔ね、僕が「この人には敵わないな」って人に、根っこを聞いたの。
その人のルーツが知りたくて。
そしたらその人ね、
中学生くらいの時に両親を亡くして、弟を育てるために、一生懸命勉強して、大学進学して、最先端のITを勉強して学んだんだ
って。
あぁ、もうルーツ(根っこ)が違うんだって分かった。
僕みたいに親兄弟に恵まれて、20歳まで「何したいかわかんない」とか「大学は遊ぶところ」とか言ってた人間と、早くに両親亡くして弟育ててきて、猛勉強してきた人間。
全然違うんだって。
続けて「あのね、僕ね、夜寝る時間とか決めてないの。1日24時間しかないでしょ?ライバルに差つけるとしたら、どんだけ努力するかなんだよ。寝る時間削るしかないの。それに僕は好きなことやってるから気づいたら寝てる。そういう生活してるよ」っていうのね。
常識とかに囚われてた当時の僕にとって、衝撃的だった。
ただでさえ凄い人なのに、寝る間も惜しんで仕事してるって、勝てるわけなかったんだって。
あとね、人とのつながり方も、すごく面白かった。
人脈がすごい人だからコツを聞きたかったの。
「僕はね、夜とかに何十人って人に、メッセンジャーとかチャットで”どう元気~?”とか送りまくってるの。目的とかなくて、定期的に声かけてるの。」
って。
自分だったらね「仕事でこれをやりたいからあの人に連絡とる」とか「特に用事もないのに連絡したら良くないかな」って考えちゃうなって思ったから、驚いた。
人も「水やり」と同じなんだって。
定期的に水あげないと枯れちゃうから気軽に話しかけてるねって。
そんなことを何十年も続けてるって。
確かにそうだなって思った。
普段から声かけてくれたり、気遣って声かけてくれる人と
自分の用事がある時だけ声かける人じゃ、信頼が違うってわかった。
何より、本当に人と話すのが好きなんだなって。
根暗な自分との差が見えた気がした。
この話で何が言いたいかって
見えない根っこほど、やっぱり大事だなってこと。
目に見えない根っこにある、想いや願いが、幹や枝や葉を育てる。
根っこ次第で、枝葉はどのようにも変わる。
小手先(葉)ばかり見ててはいけないな。
根っこも、木の幹もちゃんと見て、人生も仕事もやっていきたいと考えた。
長くなったけど、勉強になった。