頭の中②社会問題
昔から自分は忙しいと思っていたし、がんばってると思ってたけど、最近がんばり過ぎて「昔の自分は全然働いてなかったんだな」とわかってしまった。
大学を卒業してすぐ独立したため、サラリーマンをやったことがなく、社会人の「働く」という実感が分からなかった。
今回、本当に休む暇もなく、ベッドで泥のように眠るってこういうことが分かった。
たまたま、イベント事が続いたのもある。
テレビ取材を受けたり
広大な土地の草刈りをやったり
数千枚のタオルを印刷したり
ビジネスプランの審査員をやったり
短いスパンで、イベント事が重なったので、非常に疲れたけれど、やり切った感じはある。
働くことは好きではなかったが、誰かの役に立てている気がする機会が増えて、生きがいなんだなと思うことが増えた。
前置きはこのくらいにして、人よりも激しく動いたり考えたりする性質があるので、今日も頭の中から考え事を取り出したい。
ソーシャルビジネス
社会起業は付加価値である
先日ソーシャルビジネスプランの審査員をやった。
これから「ソーシャルビジネス」を始める人のプランを聞いて、僕みたいなのが生意気にも、ああだこうだ質問したり、アドバイスする役を賜った。
正直、起業家のくせに、自分はソーシャルビジネスという言葉を知らなかった。
ソーシャルビジネスとは平たく言えば「社会問題を解決するビジネス」のこと。
社会問題と一口に言っても色々ある。
・子どもの貧困
・災害の激甚化
・環境問題
・少子高齢化
・都市への一極集中/地方の過疎化
・情報リテラシーの格差
・生産性の低迷
・ジェンダー平等
などなど、他にもたくさん。
今までは「そんなの行政やボランティアが解決してよ」なんて風潮が強かったようだが、最近は「ビジネスで解決できないか」という声が日本だけでなく世界的に広まっているそうな。
僕は無知なだけで、本当はもっと昔から声は上がっていたんだと思うが、自分ごとになって初めて感心を持った。
会場には、150人の中小企業のビジネスマンや社長たちがいたのだが、司会者の「ソーシャルビジネスに関心がある人は手を挙げて」の質問に、全然手が上がらなかった。
僕だけじゃなく、たぶんこれも実情なんだなと思った。
起業家や事業家は昔よりも増えたが「ソーシャルビジネス」の概念自体知らない人もまだまだ多いんだと思う。
noteを見ていると、僕の周りにはすでにソーシャルビジネスを実践している人がちらほらいるが、多分街中で通り行く人に「ソーシャルビジネス」 って知ってる?」って聞いても、みんな「知らない」って答える人が過半数ってのが実情だと思う。
審査員をやって勉強になったこと
審査員をやって、印象に残り、勉強になったのは「ソーシャルビジネスをやっていることが会社の価値になる」と言うこと。
なぜ印象に残ったのかを考えると、企業のコンサルティングをしているからだと思う。
普段から「どうしたらお客さんを獲得できるか」「どうしたら来てくれたお客さんに満足のいく顧客体験を提供できるか」を考えている。
なので面白くない話だとは思うし、いやらしい話かもしれないが、僕は「ソーシャルビジネス」は、今後、中小企業も積極的に取り組んだ方が良いと考えた。
そのソーシャルビジネスの必要性の話の前に、僕の仕事のひとつであるホームページを作る仕事について考えたい。
一昔前、多分30年くらい前に「ホームページ」なるものが出来て、企業は「これは凄そうだ!うちもやりたい」って、大手なんかも飛びついてきた。
当時は「HTML」という言語くらいしかなくて、ホームページを作る会社でも味気ないものだった。
でも、そのうちもっと見栄えを良くしようって「CSS」って言語が出てきて、今のホームページみたいにデザイン性が高いものが増えてきた。
そしたらもっと欲が出てきて、動きがあったらもっと凄いって「javascript」なんていう、動きや通信性を高める言語が出てきた。
人の欲は際限がなくて、もっともっとってなって今度は「CMS(管理システム)を作ろう!」とか「動画を取り入れよう!」とか「アニメーションを!」とかってエスカレートしていっている。
じゃあ今はって言うと、企業は「ホームページは持ってて当たり前だ!今はSNSが必要だぁぁ!」ってなってるって感じ。
今はSNSをやっていることがPRやマーケティングでは価値とされている。
話を元に戻す。
僕はソーシャルビジネスは、これからのビジネスやマーケティングでも、さっきのホームページの新しい技術と同じような価値を持つと考えている。
なんでかって言うと、昔は
ホームページがある会社と、ホームページがない会社どっちを選ぶってなった時に「ホームページがあるから安心できる」ってなってた。
次は「あっちの会社より、こっちの会社の方がホームページかっこいい」ってなってた。
次は「A社はブログやってるのに、B社はやってないから、顔の見えるA社にしよう」ってなってきた。
そんで今は「A社はSNSをバッチリ更新してるのに、B社は3年前で止まってるから、A社にしよう」ってなってる。
でも、これからは見回してみると、みんなSNSやってるの。
TwitterやInstagram更新して、Youtubeやって、Googleビジネスプロフィールもちゃんとやって、レビュー獲得が大切だってこともわかってるの。
もちろん「やってるやってない」だけが企業を選ぶ基準じゃないのは言うまでもないんだけど、人はいつも比較する生き物だから、間違いなく比較はされるんだよね。
でね、この話の流れでいけば「AIやってる会社が次は選ばれるのか?」と言うとそうでもないのかなと。
AIは効率化には最適だけど、まだ信頼されるものとは言えないのが現状だと僕は考えている。
「AIであなたの車を査定します!」とか謳ってるけど、いや僕はプロの目で見て欲しいもん。
「AIでパッケージ作ってます!」って言うけど、それは業務効率化には最適だけど、マーケティングの観点では”人が何を選ぶかの価値基準”としてはAIを使ってるって、言われてもお客さんが選びたいかどうかには繋がらないと僕は考えている。
むしろマイナスなんじゃないかとさえ思う。
そんなことを考えている時に「ソーシャルビジネス」を知って、僕は「あぁ、これは企業を選ぶ価値基準になり得るな」って感じた。
昔からやってた企業なんていくつもあるけど、最近はそれが増えたように思う。
・この商品を買うと、恵まれない子供たちに3%の寄付がされる
・うちの商品は、エコな間伐材を使っています
・うちはジェンダーフリーです
なぁんてことを叫ぶ企業が増えたように思う。
SDG’sが一時期流行った理由も、そういうこと。
ただ、多くの中小企業は、自分の会社をどうにかすることや、売り上げを上げることだけしか見えないから、関心が本当に少ない。
社会問題の解決って非効率だから。
その反対にある通常のビジネスって効率化を求めるでしょ?
ホームページやSNSでPRすることに金や労力は惜しまないのは、効率が良いから。
だけどね、これからはみんなSNSやるのが当たり前で、更新するのも当たり前の時代になってきている。
じゃあどう差別化するのかって言うと、SNSのコンテンツの質を上げなきゃいけない。
SNSにアップしてるかどうかよりも、何をアップしてるかってことを人は価値を感じるようになる。
だからソーシャルビジネス(社会問題をビジネスで解決しよう)の姿勢は、企業を選ぶ価値基準になると考えている。
本質の話
僕はこれを書いていて「企業が儲けるために良いことしてるアピールしよう」ってこと?
そんなイヤらしい感じがする。
でもそうじゃない。
昨日も中小企業の社長がたくさんいるのに「社会問題の解決に関心がある人?」という問いに、誰も応えなかった。
ちょっと寂しいなって思うけど、企業の社長ってみんな少なからず、叶えたい夢があるはずなんだよね。
例えば僕なら「自分らしく自由に働ける人を1人でも多く増やし、社会に還元できる起業家を応援したい」って想っている。
これって、よく考えると「職業選択の不自由」っていう社会問題の解決とも言えるんだよ。
工務店さんとかなら「夢をカタチに」とかって理念があるの。
それって言い換えれば「夢を叶えられない人を応援する」ってことだし「夢を叶えられない社会を変える」っていう社会問題の解決なんだよ。
うちの理念は「儲けたい」です。
とかって言う人いないんだよね。
もちろんみんな儲けたいんだけど、やっぱり「なんか人の役に立ちたい」って願って、会社を立ち上げる社長がたくさんいるはずなんだよね。
何が言いたいかって言うと「社会問題の解決」とか「ソーシャルビジネス」って聞くと
自分には関係ない
って思うかもしんないけど、そうじゃないはずでしょ?って。
みんな少なからず、社会を良くしたいって人がほとんどなんだけど「社会問題解決」とか「ソーシャルビジネス」とか言われると
「いや、うちただの工務店だし」
って思っちゃう。
でもね、ただの工務店ならいくらでもあるし、ホームページもSNSもやってない企業が淘汰されているように、どうせ頼むなら社会問題の解決に取り組んでいる会社の方が選ばれると思うよ。
例で言った、工務店さんの
「夢をカタチに」って話だけど、お客様の夢のカタチって色々あって、家を買えるほど豊かな人なら尚更、「社会が良くなるように」って願う余裕のある人かもしれない。
それを叶えてあげるのも、あなたのビジネスの理念につながるものだと思うよって。
だから中小企業の社長さん、社会問題の解決って他人事ではないと思うよって話。
恥ずかしい話、僕自身できてない。
「審査員やってくれませんか」って言われて初めて、改めて社会問題に目を向けたくらいで。
審査員やって初めて、僕の発達障害と夢や理念も繋がってたんだ、って気づいた。
発達障害で社会に馴染めないから、自分の自由じゃないと働けなくて、そして起業して自由な仕事を叶えられたから「社会の他の誰かにも」って夢を描いたんだって。
僕も「社会問題」「社会課題」って聞いて、全然ピンとこなかった。
どっか他人事だった。
でもそうじゃないなって思う。
今一度、理念に立ち返って、そこからさらに、社会問題の解決の一助になれないだろうか?って考えたら良いと思う。
それはボランティアじゃなくて、それが企業の価値の一つになるから、あなたも得なんだよって話なの。
ちょっとしたことで良いから始めたら?って思う。
僕は小さなことからでも始める。
講習会を開いて情報の格差をなくせたらいいと考えているし、発達障害を持っていようが持ってなかろうが、人が適切な場所で活躍できるような商品やサービスを提供していく。
もちろん、目の前のお客様のニーズを叶えることも大事だけど、自分の夢の軸からズレない、小さなことから始めようと思う。
また大事なのは、それは声を高らかにしてPRして良いってこと。
ゴミ拾いでもなんでも良いから。
社会問題とか、社会課題って聞くと、どこか遠いことのように感じるけど、意外と身近なところにある。
子供が不登校だったり、発達障害で困っていたり、貧困だったり。
まずはそれは自分事と捉えることが大切なんじゃないかなと思う。
おわりに
僕は心理学者のマズローが提唱した「人間の欲求の5段階説」が結構好きで、確かにそうだなと納得している。
人は衣食住(生理的欲求)が満たされると、安全欲求や社会的欲求、承認欲求、自己実現の欲求と、5段階の欲求に分類、エスカレートするという考え方。
いつの時代も、ご飯が食べられて🍚→洋服が着られて👔→住む場所が満たされると🏠→次は社会と繋がりたくなり🏢→認められたいと願い🤲→果ては自分の夢を叶えたいと思う🌈
今の日本は先進国で、衣食住はほとんどの市民が満たされている。
学校にも通える、仕事もできるような社会になっている。
そして正に、今はこうしてソーシャルネットワーク(SNS)にかじりついて「社会と繋がりたい」「認められたい」「自分の夢を叶えたい」と願う段階の人がたくさんいる
このマズローの欲求5段階説の先に、6段階目に「自己超越の欲求」も近年提唱されている。
自分を超えていくということ。
それは「社会全体の幸福や成長を望む」ということ。
僕が「本当の自分とはなんだろうか(真我)」と頻繁にnoteに書いている話にも繋がってくる。
経済の発展とともに、人の欲求もエスカレートしている。
これからAIの出現で「承認欲求」や「自己実現」もたやすくなる時代が来ると考えている。
その先にあるのは、自己超越であり社会の幸福を願うことならば、僕はひと足先に、そのステップに入りたいと今願っている。
だから、今の自分のままで良いのか悩んでいたし、今一度、自社の理念にたち帰るときなんだと思っている。
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