『既製品を使うと言う事』
板橋『Bistroむじか』の伊藤です。
料理に限らず普段感じた事や考えた事などを備忘録として書いてみようと思い
ツラツラと書いております。
昨日のお休みに美術館へ行きました。
たまに行きます。
何かを始める時に下から知るんじゃなくて
上を体験する事が大事って聞いた事無いですか?
(あれ?じゃぁむじかは???)
やはり本物を見るっていいですね。
上野で「デ・キリコ」展が開催されているのですが
上野まで足を伸ばしている時間がなかったので
北浦和の美術館で開催中の
「椅子」をテーマにした展示会に行きました。
デザインから離れ
「座る」という機能からも切り離した
『椅子』をモチーフにした作品が集められていました。
感性を刺激して「物」の新しい見方を気づかせてくれる所が
アート鑑賞の楽しい所です。
この展示会は
・美術館の座れない椅子
・身体をなぞる椅子
・権力を可視化する椅子
・物語る椅子
・関係を作る椅子
の5つのテーマに沿って
様々な作品が展示されていました。
まず最初に鎮座していた作品は・・・
いきなり真打登場です!
(私的には)
マルセル・デュシャンの
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「自転車の車輪」
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この作品、これってアートなのか?
って言われてもおかしくない作品です。
世に言うレディ・メイドの作品です。
「レディメイド」とは「既製品」の事。
デュシャンは既製品を使って作った作品をこう呼びました。
「芸術ってそんなに大層な物ですか?」
って問題提起をしたワケですかね。
デュシャンによるとレディメイドの選定基準は
「美的な感動が何にも受けないような無関心、同時に好悪の欠如」
と言っています。
そんな意図(?)で作られた作品の横で
ウキウキしている私は完全にミーハーです。
最近、「アート」特に「現代アート」がマイブームですからね。
いきなりテンションが最高潮になる事を許してください。
まぁ興奮していると言っても側から見たらいつも通りだと思いますが。
なにしろ感情表現が苦手な物で。。。
そしてもちろん(?)
ウォーホールのライフワークとも言えるテーマの作品「死と惨禍」の中の一つ。
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「電気椅子」
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もありましたよ。
先日ワタリウム美術館でも見たんですが
相変わらず強烈に暴力や死、そして権力の象徴を感じます。
他にも
・草間彌生
・岡本太郎
・オノ・ヨーコ
の作品も。
さらに1969年の東大全共闘の様子を切り取った写真。
多くの「椅子」を重ねて作られたバリケードの内側から撮影された写真からは当時の空気感や学生運動のエネルギーを垣間見る事が出来ました。
全ての作品を見終わる頃には脳みそが焼き切れそうになっていました。
(反転術式を使いながらの鑑賞でした)
現代アートって解釈を見る側に委ねているので鑑賞後の整理が大変。
特に考えずにただ見るだけでも面白いですが作品の背景を知りながら
自分なりの受け取り方をしていくその過程が面白い。
とにかく他にも衝撃的な作品が多くとても良い時間でした。
自然の物・作られた物を問わず感性を刺激して
自分の中の「美」を養う作業は何をするにしても大切ですね。
物事の判断基準に「美」って大事ですよね。
料理にも当然その判断基準は適用されます。
例えば神楽坂「ル・マンジュトゥー」の谷シェフも
どうやったら美味しくお肉を焼けますか?
と言う問いに対して
「美味しそうに焼けばいい」と言っていますし
料理研究家の土井義晴さんも
「美」が大事と発言しています。
実際、過度に作為的ではない
美しい料理って美味しいと感じますし。
美しさを求めて料理を作ると美味しさが抜け落ちる気がします。
同じ料理でも他の人は「美しい」と感じ無いかもしれない。
でもそれはそれで良いのかと。
人それぞれ感じ方が違って当たり前。
自分の感じた物・事を共有できたら嬉しいけど別に「強要」はしません。
さて、
そんな現代アートの片鱗を体験してきた
(特にデュシャンとウォーホール)
今日からのお店のコンセプトは「レディ・メイド」。
私も既製品をバンバン使って
「手作りってそんなに大層な物ですか?」
と提案してみようかなwww
あっ、
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冗談
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ですよ。
なんでも自分で作れば良いとも思ってはいませんが。
実際、調味料なんかは既製品だったりしますからね。
「餅は餅屋」です。
大事なのはそれをどう使うか?
ですからね。
では、長文お読み頂きありがとうございました。
そういえばBGMが「人間椅子」なら
もっとワクワクしたかもな〜。
お読み頂きありがとうございました。
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