野球規則の落ち度
野球規則で規定しているボークの項目は13あります。
これは全国で有名で、審判をしている人なら誰でもボーク13項目を耳にしているし知られています。
まだ野球審判をかじりたてで、まだそんなに場数を踏んでいない審判の方々が、「ボークの13項目は誰でも知ってますから」って感じで、僕は良く知ってますからみたいに、半分自慢交じりにアドバイスしてくれるんですけどね、、、
申し訳ないですが、ボークの13項目なんて言っている人は野球規則の勉強が足りてないです。
確かに野球規則で定めているボークが13項目あるのはその通りで、それ自体は何も間違っていません。
6.02(a)(1)項から(13)までの規定がそれにあたります。
でもここからが野球規則の落ち度で、この13項目の中身ひとつひとつを丁寧に分解して解釈していくと20項目以上あるんです。
そのことを指摘する人を僕は見たことがありません。
僕は一時期何項目あるか数えましたが、数えることが無意味なのでやめました。
アマチュアの内規などまで広げて調べ始めたら、恐らくは25以上、ボークに該当する動作や姿勢、決まり事があるのだと思います。
参考まで・・・
ボークを規定している6.02(a)(1)では、5.07(a)(1)及び(2)項に定める投球姿勢に違反した場合はボークだと規定しています。
ではこの6.02(a)(1)と(2)で禁じられている動作や姿勢を列挙してみましょう。
・投手は投手板に触れて捕手からのサインを受けなければならない
・投手がサインを見終わって投手板を外すのはOKだが外した後で素早く投手
板に踏み出して投球すのはNG
・サインを見るたびに投手板を外すことは許されない
・投手板を外したら必ず両手を身体の両側に下ろさなければならない
・体の前方で両手を合わせたら投球すること以外は許されない(ワインドア
ップ)
・投手板を外す時は投手板の後方に軸足を外す(投手板の前方に外すのは許
されない)
・投球動作を起こしたら中断も変更もできず、投球を完了しなければならな
い
・ボールを体の前で保持して完全静止してから投球
全部書いてるとキリがないのでこの辺にしておきますが、最初の1項目である6.02(a)(1)と(2)を分解しただけでこれだけあり、これ以外に(3)から(13)までの項目があるわけですから、そうそう簡単には覚えきれません。
そんなわけで、ボークに該当する項目が全部で何項目あるのやらわかりませんが、審判をする方は実践を積みながら一つ一つを覚えていくしかないように思います。
僕自身、ボークの内容をほぼ理解するのに3年近くかかりましたが、それでもまだ曖昧なところがないわけではありません。
ボークの13項目を暗記しても何の役にも立ちませんが、規則内の一言一言の意味を実践で理解できるとかなり強みができますし、審判が楽しくなります。
これは僕の実体験から本当だと言えます。
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