できることをもっと
週末は京都でも第一波を超えるコロナ陽性患者さんがでました。山城地区でも経路不明の陽性者が増えています。日本は中等症に絞った検査と、クラスター対策という戦略で、第一波を戦いました。結果的に人口あたりの死者数は世界的にはかなり少なく耐えていますが、全国一律の緊急事態宣言は社会的に大きなダメージを与えました。
三密をさけ、みんながマスクをして、こまめに手洗いして、距離をとって。新しい日常で、どのくらい患者数の増加が抑えられるか。でも正直、思ったより増えるのは早かった。ウイルスは社会の弱点から確実に広がりました。第一波と今の世代間の感染率の差は、そのまま意識の格差です。「検査数が増えただけ」、「若い人が多いから大丈夫」。そんな楽観論もあります。確かに重傷者は「まだ」少ない。でも感染者はリスクに応じて、1−2週間後に一定の割合で重症化します。そして社会はつながっていて、無症状、軽症の人からリスクの高い人にも広がります。陽性率、高齢者率、経路不明の割合も増え続けている今、感染拡大防止には次の一手が必要です。
第一波を踏まえて、地域の医療体制は強化されました。保健所のPCRだけでなく、外注検査、院内検査の導入で、検査のキャパは確実に増えました。開業医さんでも検査が出せるようになり、PCRセンター立ち上がり、疑わしい人はより早く検査できる体制になってきてます。入院できる病院も、療養できる宿泊施設も増えました。でも医療だけでは、感染の広がりそのものを抑えることはできません。感染者の多い地域と少ない地域を混ぜるGo-Toは今始めるべきものではありません。苦しい旅行飲食業界は、地域内で顔の見える者同士で支えあえるような支援のほうが嬉しい。
感染の広がりを抑えるためには、早期発見と、積極的疫学調査による濃厚接触者の検査や隔離が必要です。感染者が増えれば保健所には一気に過重な負担がかかります。感染拡大を防ぐためには、保健所の力は、疫学調査に集中できるように支援して欲しい。京都はまだ発生届はFAX運用です。事務作業があまりに煩雑です。早くオンライン登録システム(HER-SYS)を整備してください。
積極的疫学調査に、濃厚接触者の洗い出しは不可欠です。せっかく作った厚労省の接触者確認アプリ(COCOA)をもっと宣伝して欲しい。早めに検査でき、無意識に周りに移してしまうことも防げます。みんなが使えば使うほど、効果的な封じ込めにつながります。イベントも、多人数の飲食も、旅行でも、スマホを持ってる世代は導入しないと参加できないくらいのことはしてもいいと思います。
目標は、コロナによる死亡だけでなく、すべての原因による超過死亡を減らすこと。かかった人を責めても、政府を責めても、WHOを責めても仕方ありません。全国一律の緊急事態宣言をもう一度、しなくてもいいように。生活と命を守るためにも、自分達ができることも、まだまだあります。