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コロナと小児科

 コロナだと病院は儲かるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、患者受入のための病棟再編や、手術や検査の延期、コロナ以外の受診抑制など、コロナを頑張って受け入れている病院ほど、経営が苦しくなるという悲しい現実があります。
 うちの病院も例に違わず。とりわけ小児科は外来も、救急も、入院も、患者さんが激減し、「みんな元気だから良いことやん」と笑って済まされない雰囲気です。そもそも小児受診の半数以上は感染症と言われてます。ソーシャルディスタンス、マスク、手洗いというコロナ対策は、全ての感染症の対策そのものですので、子どもが熱を出す機会自体が激減しました。
 感染症週報(IDWR)を見てみると、夏風邪の代表である、手足口病、プール熱、ヘルパンギーナなど、例年に比べて驚くほど少ない事が分かりました。マイコプラズマや溶連菌なども過去最低で、水痘やおたふくもほとんどいない!突発性発疹が比較的例年に近いのは、家庭内感染が主要な感染ルートだからかなとか、ちょっとした発見もあります。それでもコロナは流行るので、冬のインフルエンザもやはり流行るでしょうが、例年よりは少ないかも。でもインフルワクチンめっちゃ大事ですよ!!
 MRSAや耐性緑膿菌感染症も少ないですね。院内の手洗いのおかげでしょうか。でもここはもうちょっと減って欲しいところ。特に最近はマスクばっかりフォーカスされて、手指衛生がまたおろそかになってる気もします。
 
 だから赤字でも良いという訳では無いのですが、決してうちの小児科だけが嫌われてるんじゃないんです〜(誰かに届いて欲しい心の声)

https://www.niid.go.jp/niid/images/idsc/idwr/IDWR2020/idwr2020-33.pdf

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