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保険屋よりも抵抗がある女性推進という仕事。

会社を辞めて、自分で頑張ろうと決めてからあっという間に1年が経とうとしています。明らかにこの1年でタフになったし、決断力は倍増した。どんなセールスも断られてからが本当のスタート!とプルデンシャルで習ったか習ってないか忘れてしまったけど、ご多分にも漏れず、私もセオリー通りしっかり断られ、ようやくスタート地点に立てた気もします。女性推進やDE&I、その他日々この手の課題に取り組まれている方にご笑納いただきたい実話をお届けしたいと思います。


使命感という甘美で耽美なとっておきの誘惑。


Career Bloomという会社を設立して、ちょうど半年が経ちました。自分でこの道を進もうと決めたのは1年ほど前。前職プルデンシャルでも女性採用・育成に携わっていたこともあり使命感に燃えていました。
ああ、なぜこの時気づかないのでしょう。使命感ほど危険な入口はありません。恋は盲目。どんな人も恋に落ちるとチンパンジーと同じくらいしか判断能力がないと言われているように。仕事の使命感は、時に人の人生を大きく変えるほど盲目にさせます。

キャリアが開花しますように!と願いを込めた会社名。

使命感ではご飯は食べられない

「志ある女性が、働くことが当たり前になる社会にするぞ!」と、四半世紀実現できていない課題に片足どころか顔面から突っ込む日々がはじまりはじまり(拍手!)当たり前にキャリアを続けられる社会を目指すことに、何の疑いも持っていなかった私は最初の壁にぶつかります。
「女性に大きな決断は向いてない。女性に役職がついていないのは向いていないからだ」
「そもそも能力がある女性は評価されている。評価されていないのは能力がないから」
「仕事をしたければ、すればいい。ただそれだけのことに課題を感じないし、そんな主張をする人だとは思っていなかった。」
など。最初に言われた時は何も言えなくなって固まりましたねー。世紀のフリーズ。でも、冷静に考えてみれば、このような反対意見はごろごろあって然るべき。使命感の魔力の一つが「自分を信じて疑わない」ということ。世の中の課題、進まない何かには必ず理由があって、背景理解が欠如していたことを猛省しました。言われてみれば確かにその通りで、マイノリティには特別な配慮をすべきですが、数を揃えれば力をポジティブに発揮するのか、女性が果たして会社を代表するような決断に向いているのかなど、突き詰めた時に「全国的YES」であるという証明は確かに聞いたことがない。
ただ、労働人口が不足している日本において女性の躍進は必須。それは事実。たくさんのご指摘をいただいた中でも、とても大事にしている言葉の一つが「酒がまずい」と言われたこと。そうか、この話にはアレルギーであり、嫌悪感を抱く人がいるということ。それは大変失礼しました!自分の主張だけを語ることに何の意味ないことに気づき、目が覚めました。おはよう世界!
※私の考え方や伝え方に思慮の浅さがあっただけに過ぎず、ご指摘内容は全て私を心配いただいているからこそのコメントです。(どうしても苦労の話に聞こえてしまう文章力なので、まだまだ精進します!)

世界平和か、新興宗教か。

人というのは一体どうして、こうも忘れてしまう生き物なのでしょうか。そうです、「女性推進」とは一種の新興宗教のようなものなのです。これは今までシニア男性と働いている中で学習したことでした。
24時間働けますか世代、昼夜問わず仕事に生きてきたシニア男性と、私たちは考え方が違う。ゴールは一緒でも、信じていることが一緒でも、スタンスが違う。それは宗教くらい違う。そう思っています。だからこそ理解すること、相手を尊重することが極めて大事で、乱暴に合流させてはいけない。そして、女性推進を良しとするチームは勢いを増していますが、過去の成功例を踏襲している人から見たら新興宗教のようなものでは?と考えています。豚肉を無理やり食べさせているような、それくらいの気持ちでいつも私は過ごしています。語弊がないように書き添えますが、「会社が続くために変える」ただそれだけです。今までのやり方を否定するわけでは全くない、昼夜問わず仕事に向き合ってきてくださったシニア男性のおかげで今の日本の発展はあると感謝しております。

“24時間戦うのはしんどい”ので“3、4時間戦えますか?”と、
令和バージョンを作ったことが粋で好きです。

そして、私はある日完全に目覚めるのです。
「私の企画書は、何も企画していない。世界平和の啓蒙と一緒だった」
ああ、もう雷が、、、完全に起きました。おはよう世界!(2回目)

夢を売って、不動産を売って、保険を売って。それでも私は女性推進を売れない。

私は新卒から一貫して営業職。toBもtoCでもセールスについては一通り経験していますし、勉強もかなりした方だと思います。無形商材も、人生で2番目に高い買い物だと言われる保険でも、それなりの数字を上げてきました。
「私はセールスが得意である」という大誤解をしていたことに気づきます。
ビジネスである以上「売れる」ことが大前提です。想いだけが強いのであればNPOにすれば良い。それならきっと誰も文句は言いません。私は女性推進を売り物にできていなかった。それは「目に見えない、触れない、効果がわからない」というセールスとして難しい条件に加えて、「必要ではない」(人によっては)のです。

思いの丈を綴った企画書だったけど、冷静に考えてみたら性善説なことしか書いてなかった。課題があることなんてみんなわかっていて、その先に何をするのか、これは企画書ではない。ただの妄想であり理想だ。
世界平和は誰もが正しいとわかっているし、そこに異論はない。でも、会社を上げて今日この企画書を読んだ瞬間から予算計画を変えて、毎日を変えるかと言われたらそうではない。事実私だってそうだ。世界平和だけではない、温暖化だって、CO2削減だって、脱炭素だってわかってはいるけれどペットボトルのお茶を昨日も飲んだ。ゴミだって毎週捨てている。
そうか、私の企画書は夢と理想を語っているに過ぎなかった。世界平和を今日からやりませんか?と同じくらい、何も言えてなかった。

クライアントは男性である。

目覚めた私は、そこからやっとスタートに立ちました。応援してくれる人は沢山いて、比較的同性からは支持をされる事業です。でも、私たちのクライアントは男性であり、決済するのも男性です。こんな基本的な事実を見誤るほど使命感とは危うい。体感、保険を販売するよりもよっぽど難しいし、嫌われ方(アレルギー)が確実にある分野です。これを法人のトップに持っていくこと。超絶難しいセールスです。セールスの血が騒ぎますね。世の中のセールス自慢の皆さん、ぜひこの分野においでいただきたい、ってほどに難しい。保険もなかなか苦戦しましたが、男女問わず必要なものでした。今回は「性別」という変数が加わり、これはもう難問!笑(という思いを込めてタイトルにつけました)

次回:それでも私はI can fly!

だいぶ長くなりそうなので、続きはまた次回。
ようやく起きた私は、ここからセールスの原理原則を思い出します。そんな話を次回はしようかなと思います。まだまだスタートしたばかりの私たちですが、きっといつか誰かが悩む道と思って、記録を続けたいと思います。

総じて、私の周りの男性陣に大変感謝しております。私のことを信用しており、期待しているから、そして距離が近いからこそストレートなご意見をいつもいただきます。反論処理というセールスの基本がありますが、まだまだ打たれてる数が足りていませんので引続きご指導くださいませ!


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