#55 2011/10/3 良くも悪くも(無料)

事務所に入って音楽をやる上で、自分には扱いづらいポイントがたくさんあったと思う。
その中の一つが、あざといことをやらされるのがあまり好きではないということだった。

ただ、やらされるあざとさが好きではないだけで、本人がそれを目指してやっているものは寧ろ良く思える。

表からどちらなのかは判断がつかないと思うが、少なくとも自分がそれをやるかどうかは選べる。僕は選びたくなかったということだ。

「こういうのやっていってもらっていい?」

「自分はできればやりたくないです」

「いやでも…そういうもんなんで〜」

こういうやり取りが割と何回もあった。

他の人もやっているから、という理由で何故やらされなければいけないのか。

昔から「何かをやる理由」を優しく納得させてくれる人が好きだった。

「それはこうだからこうなんじゃない?」という論理が欲しかった。

もしくは「私がこうしてほしいからこうして」というワガママでも良かった。

「みんなやっているから」では気持ちが成り立たなかった。
そういうことを言ってくる大人や周りの人間は大体好きじゃなかった。


最近、といっても数ヶ月前だが割と長い付き合いの女友達と高円寺で二人で飲んでいた。

酒が来て、手を付けずにいるとグラスをグイッと押してくるようないかつめの友人だ。(はよ飲めや、ということらしい)

しばらく飲んでいると「あんた、まだ適当に生きてるん?」みたいなことを聞かれた。

「そうね」と答えた。

「そんなん駄目やろ」
「何で駄目なんですか?」
「いや、んなもん駄目やろ」

「だから何で?」

「いや、私が駄目だって思うから駄目なんや!」


ああ、だからこの人とは長い付き合いなのだろうな、と思った。


THURSDAY'S YOUTH
篠山浩生

・ノイ。新曲 Lyric video

・THURSDAY'S YOUTH Latest single "日向のにおい"


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