2012/10/27 #254 自分を裏切ること
この頃はインディーズで2位、みたいなことを割と素直に喜べていたような気がする。
この後どんどん何故かそういうものがどうでも良くなっていってしまった。
自分の体感を超えることがなくなったから、だと思う。
2012年ぐらいの時はまだ自分の音楽がインディーズとはいえ"チャートインする"ということに驚きがあった。
その後の活動はフェスやラジオやテレビに出ても「まぁこれくらいセールスや動員があるならこれくらいの位置にはなるよな」みたいに、至って冷静な自分がいる事の方が多かった。
インディーズでチャートインすることの方が、成功度としては下かもしれないが裏切りがあった。
昔から恐らく自分が自分を裏切る感覚というのが自分にとって大事なものなのだと思う。
大きな遠出をして「こんな所まで来れちゃうんだなぁ」とか。「付き合えないと思っていたのに付き合えたなぁ」とか。これも意外に自分に対する裏切りなように思う。
音楽においてもそういう裏切りを求めていたのかもしれない。
初めてのことが楽しいのはもちろんあったが、自分が意外とこんなことも達成できてしまうんだな、という感覚はいつからか得られなくなってしまった。
その原因は実力不足もあるし運でもある。
けど原因がなんにせよ音楽からそれを得られなくなったのは事実だ。
自分が音楽を作ることが好きなのは間違いないが、正直なところ音楽によって得られる裏切りの方がより好きだったんだと思う。
2014年以降の活動でも、オールナイトニッポンをやれたことや、そこでオードリーに会えたことなんかはやっぱり記憶にかなり残っている。
とはいえ、現状できることは「音楽を作ることが好き」という感情ほぼ一点でゾンビのようにやっていくことだとも思っている。
THURSDAY'S YOUTH
篠山浩生
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