MBTIがなんだ、HSPがなんだ
私はMBTI(人を16のタイプに分ける性格診断)で騒いでいる人も、自称HSP(Highly sensitive personの略、つまり感受性の高い人)も嫌いである。
どちらも自己診断で出た結果を名乗っているだけであり、正式に医師の診断を受けたとか、きちんとした資格のある人に診断してもらったというわけでもない。そもそも、自称HSPなどはさも自分が精神的な病気(障害と言ってもいい)を持っているかのように叫びながら、実際は正式な病名でもなんでもない。
MBTIとかHSPを誇らしげに掲げている人々は、「自分はこういう性質を持っているんだ」「だから生きづらいんだ」「繊細で傷つきやすい自分に配慮してほしい」という謎の傲慢さを持った人が(私の観測する限り)多い。
おかしいではないか。そんなの繊細でもなんでもない。むしろ図太い。
生きづらいんです、繊細なんです、傷つきやすいんです。そんなことを大声で叫べる人は強かに生きていけるだろう。「繊細な」自分に配慮するよう他人に強制できるのだから。
あなたの生きづらさを否定はしない。しないけれど、さも自分だけが生きづらいかのような、他の人はみんな楽に生きているかのような論調はやめるべきである。なぜなら人類みな生きづらいから。多かれ少なかれ、みんな苦しさやままならなさや苛立ちや寂しさを感じながら、それでもなんとか生きているのである。
自分の苦しさにばかり目が行って、他人も苦しんでいるかもしれないという想像力を失ってしまった人は哀れである。何一つ悩まず、苦しまずに生きている人などいない。それを忘れている人が多すぎる気がする。
私だって生きることは日々苦しい。苦しいけれども、それは自分だけではないということは忘れないでいたい。
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