ベラルーシってどんなとこ?現地のシンママに聞いてみた
[2022/2/28更新]
2/24にロシアがウクライナに侵略して以来、テレビにかじりつきの日々が続きますね。
この記事を書いているまさに今、
停戦交渉がベラルーシで行われており
世界が固唾を飲んでその行方を見守っています。
ロシアが核もチラつかせながら圧をかける中
果たして一発で交渉がまとまるのか懸念されますが、
一刻も早く平和への一歩を踏み出して欲しい...
今回は、
この侵略戦争が始まるだいぶ前に投稿した
ベラルーシの普段の姿について再掲します。
1.ベラルーシについて知ってますか?
今回の件でロシア、ウクライナ、ベラルーシという
国名が連日報道され注目されています。
が、それ以前のあなたは「ベラルーシ」について
聞かれらどんなことを思い浮かべたでしょうか?
ドラクエの呪文?
最近ちょくちょくニュースで聞くような...
なんか危なかっしい雰囲気の国じゃなかった?
ボクの周りにいる若手会社員たちからはこんな反応が返ってきました。
そうですよね、ベラルーシは"国"なんですけど、平均的日本人にとっては「知られざる国」というのが相場かと。
でもですね、実はかなりキャラが濃いみたいですよ笑
とりあえず地理が怪しい方が大半だと思うので地図を見てみましょう。
旧ソ連の構成国で、どデカいロシアの西にベタっとくっついていて、南は有名な?ウクライナにガッツリ接してます。
地理的にもそうなんですが、政治的にも軍事的にもロシアにはべったりな感じ。国民はともかく、少なくとも大統領は。
一言でいうと、かなり立派な独裁国家です。
ヨーロッパ最後の独裁者などと悪名高いルカシェンコ大統領が20うん年もトップに居座り続けてるんですね。
反対派?握り潰せ!的な、独裁者のお手本と言って差し支えないかと。
2.あの事件もこの事件も
・選挙を不正操作し、自らが80%を得票したと宣言して、6選を果たした
・反体制派ジャーナリストの身柄を拘束するために、彼の乗っていた旅客機を強制着陸させた
・【東京五輪】 「帰国は危険」、祖母からの電話で亡命決断 ベラルーシ女子陸上選手
・2月頭には、ロシアと合同軍事演習を行い、結束してウクライナに軍事的圧力をかけていた
はい、これ全部ルカシェンコ(と言われている)。
なんか最近この手の際どいトップ多くない??
ところで、そんなおっかなそうな国にも、そこで生まれ育った人が当然いるわけで。
いったい彼ら彼女らの日常生活とはどんなものなんでしょうか。
ガチガチに武装した警察や機関銃を抱えた軍隊が街中で目を光らせたり耳をそばだてたりしてて、みんな、毎日ビクビクしてんのかな?とか。
ネットで政府や大統領のワルグチ書いたら速攻で投獄されるんじゃないか、とかとか。
なんかちょっと想像しただけでワクワク、いや背筋がゾクゾクしますね。
実際のところはどうなんだろう?ということで、たまたまSNSで知り合った現地のトモダチに、生の話をいろいろ聞いてみました。
3.現地のトモダチから聞いたこと
そのトモダチは、南東の端っこの方にあるベラルーシ第二の都市ゴメリ(ベラルーシ語ではホメリ)市内のちっちゃなアパートで暮らす30代のシングルマザー。
空手を習う小学生のイケメン男児がいます。
2年前くらいからちょくちょくチャットやビデオ通話でコミュニケーションを続けているんですが、
リアルでは一度も会ったことはございません笑
ちなみに会話は英語です。彼女、英語教師なんで。
ロシア語訛りが強いですが、だいぶ慣れました。
そんな彼女自身の暮らしやこぼれ話が、まあなかなか興味深いんです。
(1)日本人は異星人!
お約束のように日本人の印象について聞いてみたんですが、どうも一般のベラルーシ人からは、日本人は生真面目で、ジョークなど一切言わない人種と思われてるみたい。
といっても、特に日本と深いゆかりがあるわけでもなく、普通に暮らしている限り日本人との接点はまず皆無。
だから、「ん〜、いまいちよくわらんが、黙々とよく働く人たち」というくらいの印象しかないのが実際なのでしょう。
くだんのシンママもご多分に漏れず、うっす〜いイメージしかなかったそうですが、彼女がちょっと違ったのは、そんな得体の知れぬ異邦人と「ちょっと話してみるか」という好奇心と勇気(!)を持っていた点ですかね。
いざチャットしてみると、やれビデオ通話しようとか、カメラ越しに冗談をいったり、変顔したり、バカ笑いするボクを見てかなり先入観が崩壊したそうです笑
そんな日本人「ボク」との出会いを、あの「E.T.」との出会いレベルで奇跡と思って楽しんでくれている様子...。
TV番組で日本の特集を見るようになったり、「ワタシには日本人のトモダチがいるの!」「ぼくのママは日本人とトモダチなんだぜ」と吹聴して回るのが親子のプチ自慢だそうです。
(2)SNSは意外にふつうに使える
中国だと、米国製アプリなんぞご法度で、ほぼWeChat一択!みたいなことになってますが、ベラルーシでは、少なくともInstagram、WhatsApp、そしてTelegramは使えます。
使ったことはありませんが恐らくFacebookも使えるでしょう。まあ、しっかり監視はされているんでしょうけど...
大統領選をめぐる2020年のデモの際に一部インターネットの遮断(デジタル・ブラックアウト)をしたようですが、今はそういうこともなさそうです。
シンママは、SNS上でルカシェンコや政権を平気で罵倒してるけど、捕まることもなくピンピンしてる。
ジャーナリストなどよほど発信力のある反体制活動家でない限り一応平和に過ごせているってことですね。
※余談
Telegramは米国製WhatsAppの対抗馬なんでしょうが、すごく良くできたロシア発祥のアプリで、WhatsAppを越えているかもしれません。
スタンプがすごく表情豊かで個人的には一番好きなSNSアプリかも。セキュリティもLINEより高いとか。
(3)核シェルターでお泊まり保育
ベラルーシ、とくに南部はウクライナのチェルノブイリに程近い。そういえば、もうお察しですね。
1986年に起きた原発事故を教訓として、子供たちは一週間くらい?親元を離れてシェルターで共同生活をするのが慣しだそうです。毎年なのか不定期なのか一度だけなのかは聞き忘れましたが。
恥ずかしながら、この話を聞くまで、チェルノブイリがウクライナにあること、そしてベラルーシ(のゴメリ市)が至近であることを認識していませんでした。
距離にして約120km、東京から宇都宮とか沼津くらいのイメージ。福島第一原発(東京から約225km)までの半分程度の近さになります。
この話を聞いたときは、少なからず胸が痛みました。
(4)川にビーチ!
ビーチって言ったら、ふつう海にありますよね(当たり前)。
でも、ゴメリ市民の憩いのビーチは、河岸にあるんです!内陸国なので、海がないんですよね。
だから、夏になるとあーっ川行きてぇ!となる。屋台のようなものが出たり、水上スキーで往復する連中もいたりと結構賑わうようです。
シンママも坊主と一緒に毎年訪れて、なかなか際どい日光浴写真なんかを送ってくれるのが恒例です。
(5)コロナ対策はテキトー
シンママは、妹と首都ミンスクに遊びに行って帰ってきてから、オミクロン(推定)が発症して3日間くらい死ぬ思いをしたとか。
咳や熱もさることながら、生きてんのが嫌になるくらいの激しい倦怠感に襲われたそうです。
それでも「今日は食料なくなりそうだからお店行くわ」などというので、おいおいまずは保健所とかに連絡して然るべき対処をうんぬん...と言いかけたんですが、無駄。
「はは!何言ってんの、忘れた?ここはベラルーシよ!医者に行けば『まあただのSARSだね、帰って寝てな』って言われるだけなんだから。」と一蹴されました。だめだこりゃ。
※言っときますが、SARSもコロナの一種です。
彼女はワクチン(ロシア系国家はスプートニクがメジャーブランド)を接種していたんですが、かなり「反ワク」も多いとか。
ロシアやベラルーシ政府への不信感から、ロシア製に根強い不信感を持っているんです。人間、こういう時に何を信じるか、信じないかが表面化しますね。
4.やっぱり怖い国なのか?
コロナでなくても天気の悪い日は体の節々が痛んだり鬱気味になってしまいながらも、一人息子に精一杯愛情を注ぎ、夏は川沿いのビーチでスタイルのよい体をこんがり焼いて、秋冬はバリバリ英語の授業をこなし、大晦日には手料理で息子と慎ましやかに年越しする...
そして、先に触れた不正選挙に対する反政府デモに参加したり、未知の日本人とコミュニケーションするなど、行動力もあるベラルーシのシンママ。
国としては予想を裏切らないコワモテな感じが確かにありますが、一家庭に目を向ければ、普段は愛すべき幸せがあるのもまた事実なんですね。
ただ、今回の侵略にあたってベラルーシは
いち早くロシアに軍事協力をしており
ゴメリはちょうどウクライナ進軍の要衝に。
当然緊張感は否が応にも高まり
くだんのシンママも目下
かなりストレスフルな状況に置かれています。
最後に、昨夜彼女が送ってくれた、現地の「音」を
シェアします。
今回のことで「やっぱり危ない国!」という
イメージが強まってしまったと思いますが、
それはあくまで政治の話...
市民たちはボクたちと同じように平和を愛し
一日も早い解決を心から望んでいるのです。
【お知らせ】
この国や地域の人と話してほしい!というリクエストがありましたらお寄せください。
ネットとSNSがつながる限り現地人とつながり、トモダチになってイロイロ聞いてみますよ!
ではまた(=゚ω゚)ノ
※この記事の情報はあくまで各国・各地域の一個人への取材にもとづくものであり、取材対象の主観や誤認、感情もあえてそのままお届けしています。したがって正確性や代表性を担保するものではありませんので、あらかじめご了承ください。