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五感と愛着、そして公益へ

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅰ 第14回(2020年8月17日開催)ユニバーサルデザイン総合研究所代表の赤池学さんの講演を聴講した記録を残します。

赤池さんはユニバーサルデザイン総合研究所長でもありながら、ムサビで教鞭も取られ、さらには科学ジャーナリストでもあり、非常に幅広くご活躍されています。そんな赤池さんが、今回のクリエイティブリーダーシップコースの最終回をご担当されました。

これまでの取り組みについては、以下の対談記事が網羅的にまとまっているのでご参考に。

さて、私がその中でもとくに興味深いと感じたのが、21世紀品質の循環のお話。

HARDWARE(技術基盤)
機能を生み出す
  ↓
SOFTWARE(アプリケーション)
使い勝手を生み出す
  ↓
SENSEWARE(五感と愛着)
愛情・愛着・愛嬌を生み出す
  ↓
SOCIALWARE(公益)
新しい価値やビジネスモデルを生み出す
  ↓
HARDWARE(技術基盤)・・・と循環する

これまで、HardとSoftの世界で循環し、利便性を主に追及していた社会から、感性価値である五感と愛着を重視した製品サービス、そして最近では特に公益的な概念、ソーシャルな価値提供が求められるという点。

これはまさに自分が所属している組織でも目指していることではあるが、実践するのは並大抵のことではないと感じます。特にSocialwareなサービスを作ろうとすると、様々なトレードオフの関係や、長期ビジョンに基づいた執念深い取り組みが必要、、など、サービスを提供する側の粘り強いアプローチが必須になってきます。

さらにこれから向かう未来としては、自動化→最適化→自律化→自然化に向かっていくという考え方は、オムロンのSiNIC理論にも通づるものがあり、とても共感した。

消費者の意識についても、高所得者~中間層にかけてより「自然と共生する価値観」を選ぶという調査結果もあるそうだが、よりSustainableなモノに価値を見出していくライフスタイルが今後どのようになっていくのか、それをデザインしていくのは自分たちだし、どんな新しいものを創造していこういこうか、ということに対して、とてもワクワクさせてくれた講演でした。


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