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アートの力を信じる

武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科 クリエイティブリーダシップコース クリエイティブリーダシップ特論Ⅱ 第4回(2021年5月3日開催)美術館などの展示企画ディレクターの鈴木潤子さんの講演を聴講した記録を残します。

時事通信社、森美術館、日本科学未来館で通算約20年間の勤務を経てフリーランスの個人事業主として独立。 2011年から無印良品有楽町店内のギャラリースペース・ATELIER MUJIにてキュレーターとして8年間で約50件の展覧会とその関連イベントを企画運営、さらにこれまでの経験を活かしてアートやデザインを中心に、幅広い分野でPRやキュレーション、文化施設の立ち上げに携わる。直近では、「なおえつ うみまちアート」のキュレーターをされている。

20年会社勤めをしてそこから自分の力を試してみようということで約10年前に独立したとのことでしたが、会社勤めをされている時からすでに自律したキャリアを形成されている感じがして、とにかく情熱的。そして、パワフルに現場で仕事を積み上げてきているところがビシビシと伝わってきてだいぶ感化されました。

さまざまな作家との出会い、対話、コラボレーションを通じて、アートを社会に実装していくということを愚直にやられている。そして、単にアートを発信するだけではなく、むしろその場や人の「声を聴く」ことをとにかく大事にされている。「質問する力」がとても大事だとおっしゃっていたこと。

授業の中で鈴木さんは、「好きで得意なことを仕事にしてみたら、嫌なことや苦手なことがセットだった」という状況を設定し「あなたなら、どうする?」との問いを発した。

それについて様々な意見が我々の学生の中から出てきたのであるが、これがまさに鈴木さんのアートのアプローチであるということ。答えをいうのではなく、問いを発する中で周りに考えさせる、議論を巻き起こす、より深い答えを引き出す。授業のやり方、進行の仕方そのものがアートであると感じた。

「アートは答えではなく、その存在自体が問い」
「アートは一瞬しか存在できないかもしれないけれど、誰かの一生を変えるかもしれない」

とくに上記の言葉が印象的でした。

アートの力を信じて、周りの声に耳を傾けて対話する。そんなシンプルなことを当たり前のように愚直に実践されているのが鈴木さんなんだと思いました。直江津のイベントも非常に楽しみです。



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