大好きな著者の本のレビューをなんとなしに読んでいたら、「読んでみたけど、真新しいことはなにもなかった。内容がありきたりです」と冷たく一刀両断するような批判レビューが目に飛び込んできた。 ありきたりか……。 私はこのレビューを読んで「ひどいこと書くなぁ」と思いつつも、複雑な気持ちになった。 懺悔をすると、過去の私も別の本に対して「ありきたりで、なんだか読み応えのない本だなぁ」と思ってしまったことがある。 「その知識はもう知っていますよ」と言わんばかりに。 でも、今の私
私の20代は、どうもぱっとしなかった。 本当は好きなことをして自由に生きたい夢があったのに、そのまま社会の波に流されるようにして派遣社員として働いていて、心のなかはいつもどんよりと暗く重い状態。 母に虐待されたことや、父に家政婦として家庭の役割を押し付けられたり、今思えば、悲劇のヒロインぶっていたところもあるのだが……とにかく体も重くて意識も心もスッキリしない、まるで呪いにでもかかっているような日々を送っていた。 「もうこんな苦しい毎日なんて嫌だ!」と思っていた私は、ふ
小学校の入学をひかえている我が家の息子は、TVゲーム実況者のYoutube動画が大好きだ。 最近は「ガーデンオブバンバン」というホラーゲームの実況が流行っているらしい。 内容をシンプルに説明すると、見た目だけはゆるキャラみたいに可愛らしいくせに、この世の終わりを告げんばかりに怖い顔をして襲ってくるモンスターをかいくぐりながら迷宮探索をするゲームだ。 息子と動画を観ながら「愛嬌のあるモンスターだなぁ」と油断していた刹那。 本格的なホラー映画顔負けの演出に私の表情は凍りつ