接続詞を意識したら、新書が読めるようになった
本を読むとき、なんだか難しく感じて手が止まってしまったことはないだろうか?
小説はすらすら読めるのに、論説文チックな文章になると、拒否反応が出て、飛ばし読みしたくなる衝動に駆られることがよくあった。
ところが、接続詞に注目してみるだけで、新書がぐっと読みやすくなり、その面白さに気づくことができた。
今回は、そのちょっとした気づきと体験をシェアしたい。
新書が嫌いだった
高校生の頃、先生方が新書を読むといいとよく言っていた記憶がある。特に、岩波新書なんかが推奨されていて、たしか課題図書として読まないといけないこともあったと思う。
読まないととは思うけれど、専門書や学術書、実用書がメインの新書はとっつきづらく、読み始めはするけれど、途中で飽きてやめてしまうということが続いた。
そうこうしているうちに、読書自体がなんだか嫌になってしまった。
本を読むためのテクニック
そんな私が、新書をもう一度手に取るきっかけになったのが、『本の読み方 スロー・リーディングの実践』という本。
高速に情報処理する読書ではなくて、じっくり味わう読書を目指すコンセプトで、じっくり本を味わうための方法論が、かなり具体的に書いてある。
特に、逆説の接続詞に着目する、対比構造をしっかり把握するという2つのテクニックが、新書を読むのにとても有用だった。
逆説の接続詞
「逆説の接続詞」は、難しい評論を読み解くポイントとしてあげられている。
「しかし」や「だが」のような逆説の接続詞に注目し、紙の本であれば、◇などの記号をつけて読んでいく。
「受験の国語みたいだな」と思ったけれど、これが意外といい。
自分はKindleで読んでいるので、ただ意識するだけだが、それでも効果がある。文章を追うとっかかりができて、内容がすんなり頭に入ってくる。
実際のところ、本当に読めているかはわからない。でも、少なくとも、読めている感覚さえあれば、嫌にならずに読み通せる。
対比構造
対比は、「Aは〜、Bは〜」というような対句的表現に着目し、その主語をしっかり押さえておくというものだ。
「何と何が対比されているのかな」と意識しておくことで、文章を頭の中で整理しやすくなって、読み進めやすくなる。文章の構造が見えてきて、理解できているような気がしてくる。
目で追っているだけで、内容がすり抜けていくようなことはだいぶ減る。
それに、構造を意識して読むと、仮に理解できない部分があったとしても、それはそれとして置いておいて、全体としてどういう流れになっているかは把握できるから、読み進められる。
新書が読めた
『本の読み方 スロー・リーディングの実践』を読んだ直後に手に取ったのが『なぜ働いていると本が読めないのか』という一冊だった。
新書だから、なんとなく敷居が高く感じていたのだけれど、テクニックを試してみたかったから、読んでみた。
接続詞と対比を意識して読んでみた。接続詞と対比をきっかけに、掴んでいくのは文章の構造だ。そして、構造を把握しようとするということは、筆者が最終的に何を言いたくてこの文章を書いているのか、を意識することにもつながる。
そうしたら、部分部分で最終的な主張に繋がりそうな部分は、覚えておこうと意識したり、流れがわからなくなったら少し戻って確認してみたり、自然にそういう読み方になった。
文字が素通りしていくということはなくて、自分から文章を掴んでいこうという積極的な読書になった。気づくと夢中になっていて、いつの間にか全部読み切っていた。
「なんか、新書って面白いな」と思った。
ビジネス書とは違って、読むのに時間がかかるし、いますぐ使えそうなハウツーや気分を高揚させてくれるような成功譚は書いていない。でも、常識だと思っていたことが、ほんの数十年前には常識でなかったことを知ったり、あらたな興味深い世界を垣間見れたり、世界が広がるような感覚を味わえる。
そのあとも『本はどう読むか』を読み終わり、いまは『バカの壁』を読んでいる。Kindle Unlimitedで利用している本の半分は新書で、まだまだ読みたい本がたくさんある。「新書は読めない」という思い込みが外れただけで、世界が一気に広がった。
まとめ
接続詞に注目するだけで、新書がぐっと身近に感じられるようになった。このちょっとしたテクニックが、読書の楽しさを再発見させてくれたのだ。新書を読むのが苦手だと感じている人には、ぜひこの方法を試してみてほしい。きっと、新しい発見が待っているはずだ。
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