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フランス紀行 二日目 《モン・サン・ミシェル》

起きてからすぐツアーバスの集合場所まで電車で向かった。朝ごはんを食べていなかったので、パン屋さんでクロワッサンダマンドと厚焼きのクッキーを買った。

日本でもクロワッサンダマンドは好きでよく食べるが、フランスのそれは一味違った。あまりに美味しかった。

ミネラルウォーターのボトルに水で溶ける玄米茶の粉を溶かして即席のお茶ボトルを作ったのだが、これがとっても便利だった。硬水で飲みづらいミネラルウォーターを飲みやすく美味しくしてくれる名品である。

パーキングエリアでトイレ休憩を挟みつつ、四時間かけてモン・サン・ミシェルに着いた。

着いてすぐ、カメラが壊れた。

絶句である。

本当に何回壊れれば気が済むのか!!
前回の関西遠征でも二回ほど壊れたが、何と今回もハーフカメラが壊れた。突然シャッターが押せなくなった。嫌われているのだろうか。

絶句していても時間は過ぎるばかり。代替機に持ち替えてフィルムをセットする。

13:30に到着したが17:00にはパーキングエリアに戻らなくてはならなかった。シャトルバスのバス停からからツアーバスの集合場所までは一時間ほどかかるから、16:00にはモン・サン・ミシェルを出ないといけないらしかった。

バスで向かう途中唐突に姿を現したモン・サン・ミシェルは、あまりに異質だった。まさに陸の孤島のように、そびえ立っていた。広い干潟の上に高貴なお姫様のように建築されたお城。テーマパークじゃない。映画のセットでもない、本物、の。

正確には城ではなく修道院ではあるが、私の目には幾重にも守られた騎士と城に見えた。

階段を何段も何段も登っていくと、聖堂に着く。聖堂内は静謐な空気に満ちていた。あまりに綺麗なので、現実なのか疑ってしまう。それくらいの美しさだった。しかし、どこか苦しいような切実さを持った雰囲気もあって、歴史の深さを思い知らされた。

聖堂はもちろん、上層階の回廊も美しかった。今回の旅は、画像に関してはあえてあまり調べていなかったので、お土産屋を抜けた先に回廊があった時は息を呑んでしまった。

時間が押していたので買い物もほどほどにバス停に戻った。

バスに揺られながら、モン・サン・ミシェルが遠ざかっていく。私は鳥籠から解放された青い鳥のような気持ちでいた。どこか『籠』のような、海に閉じられた城だった。

ツアーバスで集合場所まで戻るのに五時間以上かかった。そこから地下鉄に乗り換え、20分。ようやくホテルに戻れそうだ。

明日はオルセー美術館とオランジュリー美術館。よく寝て明日に備えよう。

2024/09/10

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