LIFULLが、Amplitude社「Pioneer of The Year賞」を日本企業として初めて受賞しました
皆さんこんにちは。LIFULLの中の人、大久保と申します。
不動産・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」のChief Product Officerを務めており、以前にもLIFULL Product Growthというマガジンでいくつか記事を書いています。
さて、私の所属するLIFULLが、プロダクトアナリティクスツール「Amplitude」の組織としての活用成果を認められ、Amplitude社の最高位「Pioneer of The Year賞」を受賞しました!
今回はその話をさせて頂きます。
Amplitude「Pioneer of The Year賞」とは?
この賞は、データドリブン文化を率いるリーダー企業に対して与えられる名誉ある「Pioneer Awards」の一つで、顧客や市場、業界に新たな価値を提供した企業が選出されます。
なかでも「Pioneer of The Year」賞は、Amplitudeプラットフォームを駆使してビジネス成長や業界発展への多大な影響を与えたリーダー企業(世界を3リージョンに分け、各リージョンから1社ずつ)に贈られるものです。
LIFULLは、プロダクトとデータを最大限に活用して革新的な成果を上げたことが高く評価され、日本からの初受賞者となりました!
世界4.5万社といわれるAmplitude利用企業の中から、組織全体としてデータと分析力を武器に新しい価値創造を実現した事が認められ、非常にうれしいです。
*賞自体は形式的に個人を表彰する形となっていますが、LIFULLのプロダクトチーム全体として取り組んだ成果が認められたものです!
とりわけ、プロダクトマネジメントとアナリティクスを融合させることで、プロダクト価値とビジネス成果を飛躍的に向上させた革新的な取り組みが高く評価されました。
そもそもプロダクトアナリティクスとは
プロダクトアナリティクスとは、ウェブやアプリのユーザー行動データを収集・分析し、プロダクトの改善に役立てる分析手法です。
代表的なツールにはAmplitudeやMixpanelがあります。
*私はAmplitudeの知見しかないので、そちらをメインに説明します。
これらは主にアクセス解析に強みを持つGoogle Analyticsと比べて、プロダクト内におけるより細かなユーザー行動データをイベントレベルで捉え、複雑なファネル分析やコーホート分析が可能です。
さらには、マーケティングの観点で高頻度に使われる分析アプローチをテンプレートとして用意しており、リテンション、クラスタリング、相関分析などを、圧倒的なシンプル操作で行えるのが大きな特徴です。
これにより、単なるアクセス解析に留まらず、ユーザー体験の質的な深掘りとプロダクト改善に活用しやすいのが特徴です。
「Pioneer of The Year」賞受賞の背景
LIFULLが「Pioneer of The Year」受賞に至るまでには、以下の取り組みが大きく寄与したと考えています。
プロダクトマネジメント×プロダクトアナリティクスの掛け合わせ推進
LIFULLでは、プロダクトマネジメントとプロダクトアナリティクスを融合させる取り組みを推進してきました。
プロダクトマネージャーがAmplitudeで収集したデータをもとに仮説検証を高速で行い、プロダクト改善につなげることで、データドリブンなプロダクト開発を実現しました。
このアプローチにより、ユーザー理解とプロダクト成長の好循環が生まれ、その実績が評価されました。
データドリブン文化の圧倒的なスピードアップ
GoogleアナリティクスからAmplitudeへの移行は、データ分析力の格段の向上をもたらしました。
誇張ではなく、以前1週間かかっていた分析が1時間で完了するなど、圧倒的なスピードアップを実現できています。
こうした変化により、日常的にデータドリブンな意思決定が可能となり、プロダクトチームの大幅なスピードアップに繋がっています。
Amplitudeを活用し、世界トップクラスの成果を挙げるに至った背景
最初の数ヶ月は、Google Analyticsと使い方の違いを認識できなかったりと戸惑いがあったものの、社内で成功事例が出始めると、社内でも猛烈な勢いで利用者が増えました。
Amplitude Japanから、LIFULLのWeekly Learning User数(Amplitudeの分析結果が組織内に共有される数 ≒ 組織内での学習回数。細かい定義はこちら)が世界的に見ても最高水準(4.5万社中、Top20)にあるとの高評価を受けました。
これは導入・運用支援に入っていただいている株式会社DearOne様やAmplitude Japan様のサポートの賜物です。
プロダクトアナリティクスを軸とした新しいデータドリブン文化の浸透が実を結び、世界最高峰のベンチマークに迫る解析能力を獲得できるようになりました。
その結果、プロダクトチームの実験回数や成功率、コンバージョンリフトなどの定量指標が大きく改善し、プロダクト改善と事業成長の好循環を生み出すことができています。
裏話:賞応募の際の言語の壁
賞への応募にあたっては、言語の大きなハードルがありました。
海外のアワードなので、当然応募はすべて英語で行う必要があります。
これを克服するために、社内の生成AIツールを活用し、審査員に印象を強く残せる内容に仕上げました。
具体的には、過去のLIFULL Product Growthの関連記事を入力データとして利用し、説得力ある内容を作成できました。
実際に結果にも繋がったと言うことで、社内の生成AIツールの利用先進事例としても寄与し、「Pioneer of The Year」受賞を機にさらなるAI活用を推進するきっかけともなっています。
終わりに
プロダクトアナリティクスがもっと日本で普及してほしい
LIFULLは、Universal Analyticsが終了することを見据え、Google Analytics 4への移行ではなく、プロダクトアナリティクスツールであるAmplitudeの本格導入を選択しました。
これによりユーザー行動データのリアルタイム収集と解像度の高い分析が可能となり、実験と分析のスピードが格段に向上しています。
2023年12月時点だとまだプロダクトアナリティクスは、日本ではそれほど普及していないですが、海外だとスタートアップでも最初に導入するべきマーケティングスタックの一つとされています。
Amplitudeを最大限に活用し、プロダクトとデータを回すことで成長を加速させるアプローチは、もっともっと広がってほしいと心から願っています。
LIFULLは先行事例として、今後もプロダクトアナリティクスの有用性を積極的に発信し、業界全体のデータ活用力向上やイノベーションに貢献していければと考えています。
プロダクトのグロースを推進する仲間を募集しています
最後に一つだけ宣伝させてください。
LIFULLでは、一緒に働いてくれる仲間を絶賛募集中です!
カジュアル面談もやっていますので、興味のある方はぜひご連絡ください。