原マルチノが繋げてくれた長崎とポルトガル
正確には、原マルチノだけでなく、伊藤マンショ・千々石ミゲル・中浦ジュリアンも含めた天正遣欧少年使節なのだけど、原マルチノの語感が良くて唯一覚えていたので、原マルチノが繋げたというタイトルにした。
これは、2019年に旅行した長崎とポルトガルで偶然発見した繋がりに対する記録。
2019年の3月に、長崎県雲仙市千々石町という小さな町で行われる観櫻火宴なる祭りを見に行った。観櫻火宴は、鎧を着た武者たちが松明を手に持ちながら練り歩く珍しいお祭りだ。「いやさかー」という掛け声と共に数百人規模の鎧武者たちが練り歩く姿は荘厳だった。
祭りの始まりには小さな催し物もあり、その中の寸劇で、天正遣欧少年使節がヨーロッパに向けて出発する直前の劇もあった。その中で、原マルチノの名前はなぜか記憶に残っていた。場所が千々石町ということで、千々石ミゲルが縁あることがわかると思う。
長崎旅行から時間が半年ほど経ち、2019年の10月にスペインとポルトガルを回る旅行に行った。その旅行の中でコインブラという街に寄った。目的は、コインブラ大学のジョアニナ図書館。コインブラ大学はポルトガルで最古の大学である。また、ジョアニナ図書館は実写版の美女と野獣に出てくるワンシーンのモデルになっていて、「世界の美しい図書館」みたいな特集ではほぼ確実に紹介される図書館でもある。ちなみにジョアニナ図書館が18世紀に建てられているので、どちらかといえば新し目の図書館だ。
図書館は噂通りかなり綺麗で荘厳で素晴らしかったのだが、個人的には図書館の展示の一部に、日本語のコーナーがあったことに驚いた。さらに、その中に、天正遣欧少年使節の資料が含まれていて、彼らとの繋がりがあったことにさらに驚いた。3月に長崎に行っていなかったら、ポルトガルで見ても「ふーん」くらいにしか思っていなかったかもしれないが、長崎に行っていたことで、ポルトガルでの出会いがかなり感慨深いものになった。遠い地で偶然が重なったことに旅の味わい深さを感じ、とても良い旅行になった。個人的には、この旅行のハイライトといっても過言ではなかったと思う。
ぜひ、観櫻火宴にもコインブラにも行ってみて欲しい。
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