細谷 功氏著「具体と抽象」を読んで
おはようございます🤗
今日は過ごしやすい気温ですね。
暑い日が続くと、疲れが溜まりやすくなるので、今日は長めにヨガをして今机に向かっています。
今日は一昨日と昨日で読んだ本のまとめを自分の備忘録的に書いていきたいと思います。
それでは、いってみましょう!!
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●細谷 功氏著「具体と抽象」
具体と抽象について、すごく読みやすく、わかりやすく書いてある本でした。
冒頭に具体と抽象の概念について、
「具体=わかりやすい=善」
「抽象=わかりにくい=悪」
というのが一般的に認知されていると書いてあります。
うーん、まさにそう。
しかし、抽象は人間の思考の基本中の基本であり、人間を人間たらしめ、動物と決定的に異なる存在としている概念だと著者は書いています。
抽象化を制するものは思考を制する
大袈裟に聞こえますが、そのくらい抽象という概念には威力があり具体と抽象の行き来を意識することで、間違いなく世界が変わって見える。
具体的表現は解釈の自由度が低いため、他者との解釈の差がほとんどない。それに反し、抽象的表現は解釈の自由度が高いため、人によって解釈が大きく異なる場合がある。
つまり、解釈の自由度が高いということは、応用が利くということ。
これが抽象の最大の特徴である。
●言葉と数は人間が抽象化を利用して編み出した代表的なもの
では人間と動物の違いとは何か?
それは「言葉」や「数」を操れる知能を持ち合わせているかいないか。
言葉がなければ、コミュニケーションも知識の伝達も不可能。
様々な道具や物、技術や化学などを発展させて伝承させることが出来たのも、言葉や数によって、それらを記述し、記録することができたから。
言葉と数を生み出すのに必要なのが「複数のものをまとめて、1つのものとして扱う」という「抽象化」
言葉と数を成立させるためには「まとめて同じことを考える」ことが不可欠である。
抽象化とは一言で表すと
「枝葉を切り捨てて、幹をみること」=「特徴を抽出する」ということ
様々な特徴や属性を持つ事象の中から、他のものと共通の特徴を抜き出し、ひとまとめにして扱うことが抽象的な考え方。
裏を返せば、共通の特徴とは関係のない他の特徴を全て捨て去ることを意味している。
人間が楽しんだり悲しんだり悩んだりするのは「良くも悪くも」抽象化という行為のお陰。
複数のものを共通の特徴を以って、グルーピングし「同じ」と見なすことで、1つの事象における学びを他の場面でも適用することが可能になる。
つまり「1を聞いて10を知るということ」。
●抽象化とは「パターン認識」の能力
抽象化とは複数の事象の間に法則を見つける「パターン認識」の能力。
「例え話」は説明しようとしている対象を具体的につかんでもらうために、抽象レベルで同じ構造を持つ別の、且つ、相手にとって卑近な世界のものに翻訳する作業といってもいい。
例え話の上手い人とは
「具体→抽象→具体」という往復運動による翻訳に長けている
では、上手い例え話の条件とはなんなのか?
①例えの対象が誰にでもわかりやすい、身近で具体的なテーマになっている
②説明しようとしている対象とテーマの共通点が抽象化され「過不足なく」
表現されている
つまり
「共通点と相違点」を適切につかんでいることが抽象化、ひいては例え話の出来栄えを決定するということ。
「具体と抽象」というのは、「目に見えるもの(こと)と目に見えないもの(こと)」「表層的事象と本質」といった言葉にも置き換えることができる。
議論の上で大事になってくる視点はまさに「具体と抽象」という視点。
つまり「抽象度のレベル」が合っていない状態で議論すると、永遠に解決されない。
抽象度が上がれば上がるほど、本質的な課題に迫っていく。
●抽象は「解釈の自由度が高い」ことを意味する
抽象概念は「受け取る人によって好きなように解釈ができる」ということ。
自由度の高さは「具体的」に物事を捉える人にとっては「よくわからない」という否定的な解釈になり、「抽象的」に物事を捉える人にとっては「想像力をかき立て、自分なりの味を出せる」という肯定的な解釈になる。
基本的に具体の世界は「量」重視であるのに対し、抽象の世界は「質」重視であるとともに、「量が少なければ少ないほど、あるいはシンプルであればあるほどよい」という世界である。
抽象化の帰結として、
抽象度が上がるほど異なる事象が統一され「同じ」になる一方で、
抽象度が下がって具体化するほど数が増えるということになる。
どこまで「単純化」することができるか、これが抽象の世界の全て
対象が複雑であればあるほど、それをいかにシンプルにするか、まさに「具体と抽象とのギャップの大きさ」を追求すること。
具体の世界だけで生きていると、1つ1つの事象に振り回されるのに対し、事象を1つの同じものと捉え「最終的に何を実現したいのか?」という抽象的な考え方をするとブレることが少なくなるため、効率も上がる。
大きな目標があって初めて個別のアクションが有機的につながり「個別の無機質な行動」が異議としてつながりをもった生きた行動につながる。
身の回りの「一見遠い世界のもの」をいかに抽象レベルで結びつけられるかが、創造的な発想力の根本
●実行に必要なものは何か?
抽象と具体のいずれか一方だけではだめ。
具体と抽象の往復が必須である。
それは何故か?
抽象度の高い目標ほど一般性が高いため範囲が広く、具体性が高い方が現実的になるから。
「計画と行動」における具体と抽象それぞれの特徴とメリット・デメリットを知った上で、両者をうまく使いわけ、使いこなすことが大切。
具体と抽象は、常にセットで全体を俯瞰し、それらを連携させた上で計画と実行のバランスをとっていくことが重要である。
具体の世界と抽象の世界は、マジックミラーで隔てられているようなもの
抽象的考えの人には具体的考えは理解できるが、具体的考えの人には抽象的考え方が理解しにくいということ。
状況と相手に応じてちょうどよい抽象度でコミュニケーションすることが重要。
「抽象的だからわかりにくい」と「具体的すぎてわかりにくい」は常に背中合わせ。
高い抽象レベルの視点を持っている人ほど、一見異なる事象が「同じ」に見え、低い抽象レベルの視点を持っている人ほど「違って」見える。
したがって、抽象化して考えるためには「抽象度の高い、共通点はないか」と考えることが重要になる。
●どうすれば抽象化思考を身につけることができるのか?
多種多様な経験を積むことはもちろんだが、読書をしたり、映画をみたり、芸術に触れたりして、実際には経験したことのないことを疑似体験することで、視野を広げることができる。
そうすることにより、一見異なるものの共通点を探すことができるようになり、徐々に無意識の癖のように習慣化されていく。
●抽象化だけでは生きにくい
よくも悪くも身の回りの事象を「解釈」することを覚えてしまった人間は、自然をありのままに眺めることが非常に難しくなってしまっています。
抽象レベルの概念はそれが固定化されやすいという性質を持っており、偏見や思い込みを生み出し、私たちの判断を狂わせます。
「思考」という最強の武器を手に入れた一方で、野生の行動力を失わせたのも抽象という概念なのかもしれない。
頭の中に大きな精神世界を作り上げた人間は、物理的な世界ではある意味、動物に劣って当然とも言えます。
「考えると行動できなくなる」のも抽象の世界がもたらした弊害である。
だからこそ、「抽象化」と「具体化」をセットで考えることが重要。
これらは1つだけでは機能せず、必ずセットになって初めて機能する。
まずは徹底的に現実を観察し、実践の活動を通して世の中の具体をつかみ、それを頭の中で抽象化して思考の世界に持ち込む。
そこで過去の知識や経験をつなぎ合わせて、さらに新しい知を生み出したのちに、再び実行可能なレベルまで具体化する。
これが人間の知とその実践の根本的なメカニズムということになる。
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物事を俯瞰して、抽象化して考え、具体化して実行する、耳にタコができるくらい聞いていますが、なかなか難しいですね😅
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました🤗
今日1日、みなさまにとってステキな1日でありますように✨
それでは、いってらっしゃい!