フランス山奥、クールシュベルのリゾート開発モデルがかなりすごかった
こんにちは、令和トラベルの篠塚です⛄️3連休ぽい読み物をメモがてら保存しておきます。
先日、フランスの山奥(スイス・イタリアとの国境付近)アルプスにある世界最大のスノーリゾート「クールシュベル」というエリアへ訪れる機会があったんですが、とてつもなく感動したので情報をまとめておきます。日本人には余り馴染みがないエリア(僕も行くまで知らなかったw)かと思いますが、欧米人にとっては巨大スノーリゾートであり大人気スポットの1つです。日本ではニセコも世界的に評価が高いリゾートになりつつありますが、やっぱりヨーロッパの老舗リゾートは歴史を背景にした“リゾート開発の完成度”がまた全く違うなととても勉強になりました。
もちろん、クールシュベルの旅行もNEWTに相談ください⛷️
今日はクールシュベルの概要、特に日本ではわかりやすいニセコとの違いはどんなところ? などポイントをざっくりまとめてみます。地域開発や観光戦略に興味のある方は、ぜひご覧ください!
こんな方におすすめです
観光施策を担当されている地方自治体・政府機関の方
ホテル・リゾート・旅行代理店などで新規事業や企画に携わっている方
スキー・スノーボードなどマウンテンリゾートの開発事例に関心がある旅行好き、個人の方
海外のラグジュアリーリゾートがどんなものか気になっている方
クールシュベルとは
クールシュベルは、フランス・アルプスの「トロワ・ヴァレー(三つの谷)」の一部に位置していて、ヨーロッパを代表するスキーリゾートのひとつです。エリア全体では滑走距離が約600km以上、リフト本数も150基以上と、世界最大級のスケールを誇ります。実際にはクールシュベル1850(標高1850m)を中心に、1650や1550など複数の拠点が整備されていて、各拠点をリフトで行き来できるのが特徴です。
また、スイスとフランスアルプスに囲まれた絶景は変え難いものがあり、本当にすばらしかった。
一方のニセコ、エリア全体で滑走距離約50〜60km、リフトは30本弱。国内トップクラスのサイズ感ですが、こうして数字を比べるとクールシュベル(というかトロワ・ヴァレー)の規模が桁違いなのがよく分かるかと思います。ただし、もちろんスキー場とは広さだけが価値なのではなく、ニセコには世界有数のパウダースノー(Japowと呼ばれるらしい。初耳。)があるので、また違った強みがあるのも事実です。実際、雪質のふわふわ感は全く違った。
晴天率と雪質の違い
これはニセコと比較した自然条件の違いはこの2つ。
クールシュベルを体験していてまず驚いたことは、晴天率が70%ほどといわれているところです。実際、わたしが滞在していても「今日も快晴だなぁ」と思う日がかなり多かったというか、1週間滞在していて雪を1回しか見ませんでした。一方、ニセコはご存じのとおり雪が豊富に降るため、むしろ晴れを見ずに終わることも多いほどで、そのぶんパウダースノーの雪質は抜群です。晴れる日が多いアルプスと、降雪量が多い北海道――どちらも一長一短という感じですが、クールシュベルの場合はこの「晴れ」をとても有効活用したリゾート設計になっていることが魅力的でした。
ということで、以下、いくつかまとめてみたいと思います。
クールシュベルのすごさを感じた7つのポイント
1. ゲレンデとホテルを並行で整備してきた
クールシュベルは開発の初期段階から、ゲレンデを拡張すると同時にホテルやコンドミニアムを誘致する戦略を取っていたそうです。その結果、ゲレンデと宿泊施設が地理的に極めて一体的に設計されており、スキーイン・スキーアウトが当たり前のように楽しめます。ゲレンデを滑っていると、真横に別荘、コンドミニアムやホテルがわんさかあるのです。ニセコでも最近はそうしたスキーインアウトの施設が増えつつありますが、どちらかというとゲレンデの最下部にしか施設はありません。クールシュベルエリアは多くがゲレンデアクセスがとても快適で、リゾート開発の歴史の差や、おそらく不動産に関する法律の違いなどを強く感じました。(たぶん日本では建てられないようなところにも、とにかく宿がある。)
2. リフトを“駅”のように機能させている
これ自体は日本のリゾートも当然そうなのですが、クールシュベルは途中駅のリフト乗り場・降り場付近にすら、たくさんのホテルやレストランが集まっていて、リフト自体が街をつなぐ“駅”のような役割を果たしています。とくにクールシュベル1850の中心部(これも山全体からみると途中駅)では、リフトステーション周辺がショッピングエリアや宿泊ゾーンになっていて、人の流れが自然に集中する設計が秀逸でした。かなり高さのあるリフト付近にもホテルがあったりして、本当に驚きで、“え、ここで寝泊まりするの?”と思うような場所でも普通に営業していたりします。びびります。
ちなみにゲレンデにヘリポートと飛行場(ただし滑走路短すぎてほとんど止まれないが)も設置されており、特にヘリコプターについては1日20-30機くらいは軽く飛んでるんじゃないかくらい頻繁に見る。これもちょっと衝撃であった。晴天率が高いことも大いに影響している。
3. テラス席主体のゲレンデレストラン
これには衝撃でした。晴天率の高さがまさに影響しているんですが、クールシュベルは当然寒く気温が0〜5度くらいのレンジですが、テラスで食事を楽しむのが一般的。雪山での日射しは確かに強く、体感的にはそこまで寒くないので、みんな外でワイン(ワインカントリー、フランス🇫🇷)を飲みながら普通のランチをしていたりする。ニセコだと降雪量が多く風も冷たいので、同じようにいかない部分はありますが、これほど“屋外食”が根付いているのは面白かったです。フランスや欧米人のテラス好きカルチャー、雪山にもまさかの・・・でも、テラスで温かいココア飲んで楽しかった。
お昼過ぎになると、全席超満席。人でごった返しになる。
4. ゲレンデランチのクオリティが突出
滑走途中の山間部にあるレストランでも、ランチタイムの平均単価が100ユーロ以上なんてお店がごろごろ存在。しかも予約で満席の日がほとんどで、先に予約をしておかないと取れない。これは着いてから知り、出遅れた。
料理のレベルも非常に高い。フランスらしいワインリストの厚さにも驚かされるし、やはり食文化大国フランスならではである。ニセコもレストランの質は上がっているとはいえ、あくまでゲレンデランチの水準ではあり、「ゲレンデに高水準ランチ」は新しいカテゴリであると強く感じました。
細やかなサービスとしても、レストランで服を預かってくれる、スリッパを貸してくれてスキーブーツを脱げる、ソムリエがいる、アラカルトでなんでも注文ができる、ケーキブッフェ(これは文化なのかな?どこにでもあった)がある。などなど、とにかくサービス開発に余念がない。
5. 高級ブランドショップが集結
クールシュベル1850の街(ゲレンデのゴンドラなリフトなどが集中してるゾーン)を歩くと、エルメス、ルイ・ヴィトン、ディオールなどからロレックス、GRAFFなどなどあらゆるラグジュアリーブランドショップが普通に並んでいて、“ここは山の上だよね?”と複雑な気持ちになります。ヨーロッパの富裕層はかなりの長期滞在をするため、ショッピングニーズも高く、自然とブランド店も集積してきたらしい。ニセコでも外資系ホテルや高級ブティックは増えてきていたり、パークハイアットではルイヴィトンがポップアップを出すなどもありましたが、クールシュベルの“山の上にして表参道さながら”な光景は圧巻でした。(いや、シャンゼリゼ通りと言った方が良いか・・・)
6. スモールラグジュアリーホテルの充実とコンシェルジュ
フランスは“コンシェルジュ”文化の発祥地とも言われていて、クールシュベルに点在する小規模高級ホテルでもコンシェルジュサービスがとにかく充実している。リフトチケットの手配からレストラン予約、スキー用具のセットアップやもちろん荷物配送・受け取りや、荷解きまで全部をやってくれるため、滞在者としてはストレスが本当にゼロ。
ニセコでもハイエンドホテルは増えているものの、ここまで“なんでもどうぞ”なサービスが浸透しているのはフランスリゾートならではだなと感じました。(というか過去一番感動したサービスかもしれない)
7. フランスアルプス文化とラグジュアリーの融合
クールシュベルはモダンな側面も目立ちますが、もともとのアルプス地域の文化や伝統的な木造シャレーなど土地の歴史を大切にしている点も見逃せない。建築や内装デザインは本当に美しく、見惚れてしまうような設計。山岳地帯の暮らしや文化などがまだまだ残っていて、そこに最新のラグジュアリー要素を掛け合わせているイメージですね。ニセコも北海道独自の文化を絡めた開発が進んでいるので、今後さらに“自然×ローカル文化×ラグジュアリー”をどう融合していくのか楽しみだったりします。
まとめ クールシュベルまじすごい
クールシュベルは巨大な滑走エリアや晴天率の高さはもちろん、ホテルとゲレンデを一体化させる開発モデルや、コンシェルジュ文化、ゲレンデランチの異常なクオリティなど、とにかく“スノーリゾート”としての完成度が圧倒的に高いなと感じました。一方、ニセコは圧倒的なパウダースノーが武器で、海外投資も活発化。まだまだ圧倒的な伸びしろがある地域であり、もっとはるかに期待できるんだ。ということを強く感じることができました。
世界トップクラスのマウンテンリゾートがどう作られているのか、そしてどう人を呼び込んでいるのか――クールシュベルを訪れてみると、いろいろと学びが多いと思います。もし機会があれば、ぜひ現地で体感してみてください。もちろんニセコも最高なので、両方行って違いを比較するのも面白いのではないでしょうか。
少しでも参考にならば幸いです!
そして、国内旅行、海外旅行の際はNEWTを思い出してください!いつでもご相談くださいませ〜🥰
追記:旅行チーム、採用活動も頑張ってます。