
仕事がないなら作ればいい。秋田県大館市長27歳の挑戦【CROSS DIG 1on1】
あなたが、地元を出た理由は何ですか?
様々な理由で地元を離れることにした。でも、地元を出たい気持ちと離れたくない気持ちを比べてみると…100:0ではなかったという人もいるかもしれません。好きな仕事に就くために地元を離れた人も多いのではないでしょうか。
「地元に仕事がないから若者が都会に出る」――これは日本中津々浦々の課題です。しかし、忠犬ハチ公のふるさと・秋田県大館市の石田健佑市長は、この状況を根本から変えようとしています。
石田市長は、カブトムシのベンチャー企業を創業し、その後市政に転身。27歳という若さで秋田県大館市長に就任しました。
彼が目指すのは、「挑戦できるまち」。地方から世界に通用するビジネスが生まれる土壌をつくり、若者が夢を実現できる環境を整えることです。
今回のCROSS DIG 1on1では、石田市長がどのようにして“地方からの挑戦”を後押しし、未来を切り拓こうとしているのか。石田市長(と秋田犬のマサル君)にその戦略と熱い想いを伺いました。
カブトムシ起業から市長へ――「街を変えるための決断」
石田市長が起業したのは、かなりユニークなビジネスです。
彼はカブトムシの幼虫に農業の廃棄物を食べさせ、持続可能な資源循環型ビジネスを作りました。環境問題の解決とビジネスの成功を両立させたこのモデルは、多くのメディアに注目されます。
しかし、会社が急成長するなかで彼は気づきました。「自分たちの会社だけが成功しても、大館は変わらない。」
地方を活性化させるには、一企業の成長ではなく、挑戦する人々が集まる仕組みをつくらなければならない。
そこで彼は弟に会社を託し、市政に転身。地方の未来を根本から変えるために、最年少市長として挑戦を始めました。
挑戦できる街へ――「公民連携」で変える地方の未来
「地方創生のカギは人」と石田市長は言います。
「行政はつい予算から考えがちですが、大切なのは、人が集まり、挑戦できる環境をつくることです。」
そこで彼が掲げるのが 「公民連携」 というアプローチです。
・攻めの政策:新規ビジネスの創出(民間が主導し、行政はサポートに回る)
・守りの政策:インフラ整備・住環境改善(行政が主導し、民間と協力して持続可能な街づくりを行う)
例えば、観光交流施設「秋田犬の里」には年間100万人が訪れています。地域経済に十分な効果をもたらすため、石田市長は「観光客を地元の産業に結びつける仕組みづくり」を進めています。
行政が制度を整え、民間がアイデアを活かせる場を提供することで、持続可能な成長を促していくのです。
地方発、世界へ――「日本の強み」を活かしたビジネス
「ITビジネスは都市部が有利です。でも、日本の資源や伝統を活かしたビジネスをやるなら、地方こそ魅力的な環境です。」
そう語る石田市長は、大館市を「地方発のグローバル企業が生まれるまち」にしようとしています。
例えば、大館市には比内地鶏、曲げわっぱ、豊かな森林資源など、素敵なものがたくさんあります。
これらを現代のビジネス視点で発展させ、地方の強みを活かした新たな産業を生み出していく考えです。(地方の魅力的な資源を発展させ、産業を生み出すことができれば、ほかの地方自治体にとっても良い例となりそうです。)
さらに、大館市では ライドシェアの実証実験や自動運転バスの導入 にも取り組んでいます。
人口減少の最前線にあるからこそ、未来の都市モデルをつくる最適なフィールドとなり得るのです。
「大館市での成功事例は、他の地方都市の未来を示すモデルケースになりうる」と、石田市長は確信しています。
「やりたい仕事は作ればいい」――地方で挑戦する人を全力支援
「仕事がないなら作ればいい。大館市には、その環境を整える準備があります。」
石田市長は、挑戦する若者が大館に集まり、成長できる仕組みづくりを進めています。
既存のスタートアップ支援策に加え、石田市長は 「伴走型のサポート」 に力を入れています。
「補助金を出すから移転してほしい」という政策ではなく、起業家と行政が直接コミュニケーションをとり、必要な支援を柔軟に提供するスタイルです。
「起業を考えている人は、まずは気軽に相談してほしいです。大館市には、挑戦する人を全力で支える環境があります。」
この攻めの姿勢こそが、石田市長の強みです。
地方創生のモデルケースへ――未来を共に創る仲間を募集
「地方は厳しい状況にある。でも、それを言い訳にしても仕方がない。挑戦を続けるしかないんです。」
石田市長の言葉からは、地方から日本を変えようとする強い意志が伝わってきます。
「地方には無限の可能性があります。少子高齢化の影響を受けるのも早いですが、その分、新しい挑戦ができるチャンスでもあるんです。」
「地元に仕事がない」からではなく、「ここで挑戦したい」から住み続ける。
そんな未来を、大館市は本気でつくろうとしています。
大館市の挑戦がやがて地方の未来図をつくり、私たちが暮らす日本の将来を変えるかもしれない――その道のりには様々な困難もあるでしょうが、とにかくわくわくします!
CROSS DIGのインタビュー動画で、石田市長の熱い想いを(画面越しですが)ダイレクトに感じてください。そして、コメント欄に感想をお寄せください。より良い番組を作るため、ダメ出しやアドバイス大歓迎です! チャンネル登録もお願いします!