トムソーヤの鉛筆削り
うちに遊びに来る子供たち(イタリア人・ルーマニア人・ペルー人)は鉛筆削り器で鉛筆を削るのが好きだ。
というのも、彼らのうちには鉛筆削り器が無い。鉛筆削り器なんてものがあることすら知らない子供がほとんどだったのには驚いた。
イタリアの小学校では、2年生くらいからペンを使ってノートをとる。書道なんてないので、硬筆の練習をしたりもしない。
鉛筆の使用頻度が日本ほど高くないので、わざわざ鉛筆削り器を買おうなんて思わないのだ。鉛筆を突っ込んで手で回すタイプの小さな鉛筆削りしか持っていない。
なので、子供達はウチにくると、「これは何?」「鉛筆削りだよー。ほーらね」とやってみせると。一瞬で夢中になる。
その後は、ちびた鉛筆や色鉛筆を嬉々として次から次へと削ってくれる。新しいおもちゃのように、鉛筆削り器に夢中になるのだ。私の貯めていたチビた鉛筆が一瞬でなくなる。助かる。
それは、トムソーヤの壁のペンキ塗りの話のようだ。
トムのペンキ塗り。
おばさんに頼まれたつまらないペンキ塗り。それを、すごく面白いんだ!とアピールすると、それを見た他の子供が「面白そう!やりたい!」と釣られるあれだ。
あれの、鉛筆削り器版がうちでおこるのだ。
人は面白そうなものに弱い。子どもは珍しいものに弱い。ってはなし。
ま、10本くらいで飽きますけどね。