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【後編】私の原体験ーーバンクーバーとヨガとウェルビーイングと自己変容と。

前回に引き続き、原体験のお話です。

ウェルビーイングを体現しているような街バンクーバーで
そのカルチャーを下支えしているように見えた「ヨガ」。
「心の豊かさ」が大切だという認識、
そのために身体と心を整えることが大切だよねという認識が
バンクーバーでは一般的に普及していて
「ヨガ」はそのための有効なツールとして、市民権を得ていた。

日本ではヨガは「痩せるため、美容のため、鍛えるため」というイメージで
若くおしゃれで綺麗な女性インストラクターか
筋骨隆々な日焼けした男性インストラクターが多いイメージだけど
(かなり偏った表現してますがwもちろん日本にもいい先生いっぱいいます)
バンクーバーではインストラクターの年齢層が高くて
心の豊かさを大切にしたクラスで
聞いてるだけで涙が出てくるような深いいインストラクションも多い。

そんな「世界観」に恋をした私は、
現地で大人気なヨガスタジオ「Semperviva」で
ヨガティーチャートレーニングを受けると決めた。

(このスタジオ、なんと昨年のコロナパンデミックで
クローズしてしまった...。
本当にいいスタジオだったので残念。)

結果、このスタジオでヨガのトレーニングを受けていた3ヶ月間で
ものすごい自己変容を体験することになった。

やったこととしては、

・ヨガについての講義を週2日受ける
・ヨガクラスに週2〜3回参加する
・毎日1分でいいから瞑想をする
・瞑想をした後に感じたことを書く(ジャーナリング)

という感じ。

なんかね、どんどん自分が着ていた鎧が
玉ねぎの皮をむくみたいに
一つ一つはがれていく感じ。
頭の中で考えすぎて感情の波にのまれてしまっていたのが、
心と身体が整って重心が下がり
自分をありのまま受け容れ、肯定し、愛することができるようになった。
感情は敵ではないことを知り、自分と仲良くなれた。
計算や、過去の悲しみや、自分をいじめるジャッジや、固定概念、痛み、
必要のないものを一つ一つ手放すことができた。

私は生まれて初めて、自分を愛することができた。

一緒にトレーニングを受けてた友人からも、
「表情が変わった。柔らかくなった」
とその変化に驚かれた。

スタジオの大切にしている世界観や
トレーニングをリードするティーチャーたちの価値観は
まさに「ティールパラダイム」だったと思う。
このコミュニティに参加していたからこそ、
この自己変容が起きたんじゃないかな。

ティーチャーから「これが正解だ」と押し付けられたことは
一度もなかった。
ヨガ哲学の時間は、グループワークで行われた。
「ヨガとは何か」という問いの答えは
それぞれの人の中にある、
それを探す旅路をサポートするのが
このトレーニングだ、と言っていた。

どんなインストラクションにも
「もしあなたが心地よければ」という
枕詞が付いていた。
こんなに自分の感覚を尊重されたのは
これが初めてだった。

大好きだったメインティーチャーのサラは、
日本人参加者(5〜6人)のためにと
善意でサポートタイムを用意してくれた。
その時間はクラスで聞き取れなかった部分や
ネイティブクラスの中ではしづらい質問を
サラに聞くことができた。
ものすごく聞き取りやすく分かりやすい英語で
これでもか、というくらいに親切に教えてくれた。
最大限のリスペクトが自分達に向けられているのだと
全身で受け取った。

ヨガの効果の一側面として
過去のパターンから染み付いた習慣や条件反射(=サマスカーラ)を
ヨガや瞑想を通して目の前のことに集中すること(=浄化の熱=タパス)によって
焼き尽くし、手放し、解放し、
自分を縛っている思い込み、固定観念、思考のクセから自由になる
というものがあると学んだ。

きっと、それが私の中で実際に起きたんだと思う。

私にとってヨガは、
美しくなるためや健康法などではなく
(もちろん副次的にそういう効果もあるけど)
「本当の意味での自由を教えてくれるもの」
「生きる歓びを深い次元で感じさせてくれるもの」
「身体と心と魂を結びつけてくれるもの」
「深い内観や気づきを促す自己との対話」

だと感じる。

トレーニング終盤で
グルムクというクンダリーニヨガで有名な先生の
ワークショップを受けた時に聞いた言葉。

"Wherever you have friends, that's your country.
 Wherever you receive love, that's your home."
「友人がいればどこでも、そこはあなたの母国よ。
 愛を受け取った場所はどこでも、あなたの家よ。」

Semperviva Yoga Vancouver BC

Posted by Gurmukh Kaur Khalsa on Saturday, November 26, 2016

「Identification」について話していました。
男、女、ゲイ、トランスジェンダー、既婚、シングル......
そのどれも、部分的で自分を本当に表現するものなどない。
「I am that I am(私は私)」なのよ、と言ってた。
私が私であることに、説明などいらない。
そんなメッセージを受け取りました。
彼女が醸し出す愛と優しさのエネルギーがものすごくて
直接会ってワークショップを受けられたことを幸運に思います。

彼女はこうも言っていました。

「恐れがなくなれば、怒りがなくなる。
 怒りがなくなれば、争いがなくなる。
 争いがなくなれば、平和になる。
 そのためにはSelf Love(自分を愛すること)が
 必要よ」と。

この旅路は、今も続いています。
ゴールなんてないのかもしれない。
でも「世の中を良くしたい」と探求していったら
いつの間にかバンクーバーでヨガをして
自分が癒されていました。

世界は、こんなにも美しい。
世界は、こんなにも愛に溢れている。

愛と感謝に満たされて、
私はこの旅路を淡々と歩き続ける。

誰かのお役に立てば幸いです。

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