味噌の種類
味噌の種類を知りたい
和食のレシピ本を見ていたら、味噌の種類が色々と出てくるんですが、違いがわからないので調べました。ざっくり理解できるようにまとめてました。ちなみにレシピ本はこちら。がっつり本格派のレシピです。
まず味噌って何?
そもそも味噌って何?食べているけど、飲んでいるけど、使っているけど、何?豆で発酵くらいまではわかるけど、残りがわからない。
調べてみると味噌らしき文字が日本の歴史に出てきたのは701年の大宝律令(りつりょう)。鎌倉時代になって味噌汁ができ、戦国時代で大活躍。その名残が、武田信玄の「信州味噌」、豊臣秀吉や徳川家康の「豆味噌」、伊達政宗の「仙台味噌」。
そんな味噌は、大豆と塩と麹の3つで作られています。この麹の種類が3種類あってそれが味噌の種類をわけるひとつの要素です。その他の要素は色と味。
3種類の麹
米と麦と豆。その他、これらをブレンドした調合味噌というのもあり。麹の種類は地域で分けられます。概ね米麹で作られます。その割合8割ほど。麦の麹で作られるのが、中国、四国、九州あたり。豆の麹は中京。中京ってどこかって言うと東京と京都の間で名古屋あたり。
地図にするとこんな感じ
画像引用:TOKYO GAS 「味噌の種類の違いを知りたい!」味噌の種類の違いと正しい保存方法
麹(こうじ)
麹(こうじ)とは、米や麦、大豆などをコウジカビにより発酵させてもの。どこにあるのかわかりませんが、今では機械で作られることが多いみたい。売ってた!
見学に行ってきた茅ヶ崎のシェア畑のオーナーも麹屋さんを営んでいました。びっくり。こちらがそのシェア畑の記事。
畑は結局、自分のうちの庭につくりました。
味の違いによる分類
甘口と辛口があります。辛さは塩の量。甘さは麹の量。麹の量を「麹歩合(こうじぶあい)と呼びます。麹の量が多いと甘くなります。
色の違い
味噌の色は、メイラード反応によるもの。メイラード反応(Maillard reaction)は、アミノ酸と糖が反応して褐色化すること。醸造期間がながくなるとメイラード反応が進み、色が濃くなります。
赤味噌
赤い味噌はメイラード反応が進んだもので、熟成期間が長いもの。赤味噌には豆麹を使ったものや、米麹をつかった津軽味噌や仙台味噌も赤味噌として有名です。
白味噌
一方、白味噌とは短期熟成なのでメイラード反応があまり進んでいないもの。麹歩合が多いので甘い。信州味噌の白味噌はあっさりしていて、西京味噌は甘みが強い。
地名と味噌の関係
信州だとか仙台だと西京だとか八丁だとか、味噌の前についてる名前は何かというと地名です。
画像引用:マルコメ「味噌の種類と地域性」
西京味噌
東京に対して西の京は京都。「西京味噌」は、京都府味噌協同組合が定義していて、京都府内で作られているなどの条件を満たさないと名乗れないことになっています。ワインなどの原産地統制名称制度のAOC(フランス)やDOC(イタリア)に似ています。
信州味噌
信州とは長野。色が淡く、辛口。日本で一番多く生産されていて全体の4割を締めています。武田信玄の味噌です。戦場では塩分補給としても味噌は使われていて、味噌玉にして携行していました。色が淡く辛口。
北海道味噌
北海道は冷涼な地域なため、本州と同じ作り方では美味しい味噌がうまく作れず、独自に製法を作り出す必要がありました。米麹で、麹歩合が高く、塩分は控えめ。長期熟成。じゃがいものなどによく合う。
仙台味噌
伊達政宗が兵糧として味噌を積極的に作るようにしていた歴史が仙台にはあります。麹は米麹。赤い色で辛口。蒸した大豆を使って長期熟成させています。「仙台味噌は出汁いらず」と言われるほど旨味と香りが高い。
八丁味噌
豊臣秀吉や徳川家康由来の兵糧。八丁味噌。八丁とは愛知県岡崎市の岡崎城から西へ八丁の距離にある八丁村のこと。現在は「八帖町」。ちなみに西京、東京に対して八丁は中京に位置する。
越後味噌
越後は新潟。赤く辛口。丸米といって米を潰さないまま使った麹を使っているので味噌のなかに米粒がうているように見えるので浮麹味噌(うきこうじみそ)とも呼ばれます。
九州、四国、中国は麦味噌
麦は独特の芳ばしさと甘みが有ります。農家の方々が自家用に作っていたことから田舎味噌とも呼ばれています。瀬戸内麦味噌、薩摩味噌、九州麦味噌などあり。すべて淡色で甘口。
赤だし
赤だしとは、八丁味噌などの豆味噌に米味噌をあわせて作った味噌汁です。出汁には濃い目のかつおだしを使うのかな。「赤だし」の名前の由来は、豆味噌を豆味噌を布で包んで出汁で揺すりだしたものが赤茶色だったからだそうです。
参照
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