「グラナパダーノ」というチーズ
わたしがよくつかうチーズに「グラナパダーノ」というイタリアのチーズがあります。今回は、このチーズがどんなチーズか解説します。
チーズには8種類ある
以前も書きましたが、チーズには、プロセスチーズという加工されたチーズ(プロセスは「加工」という意味)と、7種類のナチュラルチーズがあり、合わせて8種類あります。
ナチュラルチーズは、フレッシュタイプ、白カビタイプ、青カビタイプ、ウォッシュタイプ、シェーブルタイプ、セミハードタイプ、ハードタイプがあります。グラナパダーノは、このうちの「ハードタイプ」です。ハードタイプは熟成タイプのチーズで長期で熟成されていくチーズで、水分が少なく、旨味であるアミノ酸が、分解されて白い斑点や粒になります。
グラナパダーノが作られている場所
グラナパダーノ(Grana Padano)は、同じイタリアのハードタイプチーズで有名なパルミジャーノ・レッジャーノに比べて安価。ちなみに「パルメザン」チーズというのは、このパルミジャーノ・レッジャーノの模造品です。
グラナパダーノは、原料が牛乳。作り方の動画がこちら。
「グラナ(Grana)」は、「粒」という意味。長期熟成の間にアミノ酸が粒になる、その粒です。「パダーノ(Grana Padano)」は、アルプス山脈からアドリア海にかけて流れるポー川流域の平野、「ポー谷」(Val Padana)を意味しています。またの名を「パダーナ平原」。アルプス山脈とは、イタリア半島のあたまの部分にある山脈。
これがアルプス山脈
アドリア海(Adriatic Sea)とは、イタリア半島の右側(東側)にある海で、クロアチアとかボスニア・ヘルツェゴビナにも面した海です。
そして「パダーノ」こと、ポー谷という平野部はここ。
パダーノ
このパダーノにあるイタリアの州は、ロンバルディア州、トレンティーノ=アルト・アディジェ州、ヴェネト州、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州。でもピエモンテ州でもグラナパダーノはつくられています。
グラナパダーノを作っているイタリアの州は、ピエモンテ州(DOP)、ロンバルディア州(DOP)、ヴェネト州(DOP)、トレンティーノ=アルト・アディジェ州(「トレンティーノグラーナ」という。DOP)、エミリア=ロマーニャ州(DOP)。
けっこう広範囲で作られています。
イタリアの20州
Italie_par_régions_sans_noms.svg: Otourlyderivative work: Crypticfortune (talk) - Italie_par_régions_sans_noms.svg, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=8652190による
キッチンハズバンド
グラナパダーノは安価で美味しいので、イタリアでは、どこの家庭にもあり、冷蔵庫に欠かすことのできない「キッチンハズバンド」として定着しています。
グラナパダーノの作り方
朝夕2回搾乳したミルクを5~7時間休ませた後、分離した脂肪分を取り除きます。
そのミルクを温めて乳酸菌、レンネット(凝乳酵素)を加えると、カゼイン(主な乳たんぱく質)が凝固します。その凝固したもの(凝乳)からホエイ(乳清)を除去すると、カードができます。そのカードを小さくカットし加圧して水分を出します。その後、型を外して高濃度の食塩水に漬けます。食塩水から出した後は乾燥させ、熟成庫の中で熟成させます。
グラナパダーノの食べ方
そのまま。または、おろしてパスタ、グラタン、サラダ、スープに。
グラナパダーノに合うワイン
パダーナ平原近くの産地の辛口の白ワインやコクのある赤ワイン。
購入した店
鎌倉のポルタム
参照
https://cheese-media.net/?p=1826