蓬 詩のぶ

短歌作ったり小説書いたり思いに耽ったりしてる人。常に眠い。 アイコン画像は、産休中にボ…

蓬 詩のぶ

短歌作ったり小説書いたり思いに耽ったりしてる人。常に眠い。 アイコン画像は、産休中にボールペン習字講座を真面目に受けた結果ゲシュタルト崩壊してしまった母の字。 母、母、と母になる身で書き連ねまず利き手から母になりゆく / 詩のぶ

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 お泊まりディズニーの写真。    夏フェスでお揃いのTシャツを着ている写真。 「個人的に思い入れの強い写真(2人で撮ったやつ限定)トップ10を紹介します!!」  夕飯の後、エビスを飲んで上機嫌の君が突然そう宣言し、スマホを見せてきた。  文化祭で無理矢理撮らされた2ショット。  ちょっと奮発した、夜景が綺麗なレストランのディナー。  次が最後、というところで急にインカメラが僕たち二人を画面に写し出し、シャッター音。 「驚いた?私ね、あの時からずーっと、今が一番幸

    • 1分シマウマ

       特に祈る神もいないので、朝礼の一分間の黙祷中、私はサバンナのシマウマになる。頭の中で草原を歩き、乾いた風に立髪を靡かせる。草食動物にしては派手に思えるあの縞模様は、仲間同士で群れることで、肉食獣の目には草原と同じに見えるらしい。いわば、生きるための没個性。  ありがちな制服の会社に勤め、可もなく不可もなく、黙祷は一応目を瞑って過ごす私のこれもまたそう、生存戦略だ。  と、見慣れない人が壇上で話し始める。新任の役員。若くてイケメンでさぞかしモテるんだろうなあと眺めていたら目

      • 結婚式ゾンビ

         結婚前夜にゾンビに襲われ不幸にもゾンビになってしまった私だったが、結婚式への未練が強すぎたらしく、私としての自我を保ったまま暮らしていた。そこへゾンビと化した婚約者が現れた。彼もまた強い未練によって自我を保ったままだった。互いの腐肉が落ちるのを気にも止めず私達は抱擁し、顎がずれる程キスをした。「今からでも式を挙げよう!」元牧師のゾンビが祝詞を唱え、その場のゾンビ一同で讃美歌を斉唱する。辺りに神々しい光が満ちてきたところで初めて、これはまずい状況では?と気がついた。事実、歌声

        • ゴリラ一家と旅をした

          ポケットモンスター 「愛を語るだけのいっぴき道」ガラル編 初回はガラル図鑑No.001〜003の サルノリ バチンキー ゴリランダー の3匹。 ポケモンのゲームは、3匹のポケモンの中から最初の相棒となるポケモンを選んでスタートします。 この3匹は初代のポケモンから変わらず草タイプ、炎タイプ、水タイプのポケモンになっていて、御三家とも呼ばれています。 私がプレイしたポケットモンスターソード&シールド(初代ポケモンからのタイトル数で言うと第8世代)の御三家の草タイプ担当が、この

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          はじめに

          2021年の秋にポケットモンスターソードをプレイし始め、ダウンロードコンテンツ含め、半年かけてついに今春、クリアしました。 やり込みコンテンツはまだまだあるものの、そろそろ創作活動にも戻りたいし、noteで何か書きたいなあとぼんやり考えていたタイミングで、 #ポケモンへの愛を語ろう こんなタグを見つけたので、ちょっと乗っかって一人企画をしてみようと思い立ちました。 そんなわけで、 「愛を語るだけのいっぴき道」ガラル編 スタートです。 ルールは単純。 図鑑順に、ポケモン一匹一

          第64回短歌研究新人賞応募作30首「セーターの毛玉のような愚痴が多々」

          性懲りも無く、応募したのでした。 今は育児でいっぱいいっぱいの日ばかりだけど、 性懲りも無く、これからも続けていきたいなと思っています。短歌も、その他も。 というわけで以下、30首お焚き上げ! なむなむー (応募内容から少し改変した歌もあります) --------------------------------------------- ゴルフ場にはなりたくない地図だけで「ゴルフ場ね」と言われるような チリコンカン、チリコンカンの響き良し異国の昼の鐘にも聴こゆ コロ

          第64回短歌研究新人賞応募作30首「セーターの毛玉のような愚痴が多々」

          「一人サーカス」 第61回短歌研究新人賞応募作品

          2018年5月に応募した「短歌研究新人賞」の30首をまとめました。ありがたいことに予選通過したようで、2首が雑誌「短歌研究」に掲載されました。 30首作るのにとにかく苦労したし、お気に入りの歌もいくつかあって、別の公募に出すことも考えて長く仕舞い込んでいたんですが、この30首を詠んだときの自分はもういないし、もし何処かに残ってるとしたら尚更決別しないといけないという気持ちもずっとあって、たまたまnoteの存在を思い出したのでやっと手放すことにしました。放したところで、自分の

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