ライティングの先生が変わっちゃった問題

Hello!
みなさん、こんにちは。
留学のための しけんや英語塾主宰、TOEFL受験コンサルタントの 
しけんやしのぶです。
今日もご訪問いただき、ありがとうございます。

出講先の留学予備校でも、今週で春期講習が終わります。
これで、わたしの予備校でのライティングを教える授業も終わりにするつもりです。あとは、塾のライティングに集中します(予備校では、それ以外のReading / Listening / Speakingを教えますヨ)。

さて、この講習から通常授業、またはその逆の区切りの時点で、ひとつの問題が(すくなくともこの予備校においては)起こります。それは、

ライティングの先生が変わっちゃった問題

です。

先生が変わると、「いままでの先生と、書き方が違うんですけど!」「いままでの先生に教えてもらったように書いたら、これはおかしい、って言われたんですけど!」

などと、complaintsが出てくることがあるんですね。

で、これは、なんというか、学習者の側の、transitionにおけるstruggleの一環で、まあ、すぐに慣れるんですけど、実はとても重要なことを示唆していますよ。

まず絶対に押さえておかなければならないことは、
① ライティングの授業は、(テンプレート式の)「書き方」を学ぶ場所ではない

ということです。何でしょう?「書き方」って。

Integrated Writingであっても(あんなに問題の形式がガッチリ固定されていても)「書き方」はさまざまです。そもそも、ワード数が、150~225語と指定されているのにもかかわらず、300語でも満点が出る時点で、もはや、なんでもいいよってことなんじゃないでしょうか。

150語でぎゅっと凝縮しても満点、300語でdetail多すぎてもはや「要約」を超えて「reproduction」のレベルで書いても満点、あるいは、475語で、redundancyまみれの「要約」(「  」 必要!)を書いても、4.5(5点満点)が出るんですね(わたしが実験しました)。

これ、同じ「書き方」ですかね。

違いますよね。

② 「良い答案」にはいろいろある。

これからわかることは、「良い答案」には、実はいろいろある、ということなんですね。受験生が知るべきことは、ここなんです。今まで数学とかで、「別解」などを示してもらっていたと思うんですが、ライティングの答案には(そして論述問題の答案一般ついても)、「良い答案」には、ほんと、いろいろあるんです。それが全ていいんです。感想文を書いても、「良い感想文」にはいろいろあるんですね。だから、それぞれを読むと、それぞれに良いんです。

小説も、評論も、同じ書き方のはずがありません。「良い作品」は、それぞれ違うんです。

だから、受験生としては、「良い答案」として、欠くことのできない要素は何なのか、これが、ライティングの授業で、学ぶことなんですね。

③ ダメな答案は、同じである。

逆に、ダメな答案は、ダメ、としか言えないんですね。どうせ・・・

1) 要約として入れるべきポイントが入っていない
2) パラグラフを、そこで分ける意味がわからない
3) 1文のレベルで、解読しないとわからないことがある

この辺に集約されます。

同じなんです。

学習者としては、自分の答案を少しでも改善するために、②の「良い答案」の特徴を知り、③の「ダメな答案」の要因をひとつでも多くつぶしていく、というのが勉強の方向性となります。

その意味では、「良い答案」の多様性がわかるという意味で、先生が変わることは、必ずしも、悪いことではありません。「良い」の範囲が大きく広がるからですね。

そして、学習者は、自らの視野も広げていくことになります。一番最初に、「今までの先生に習ったように書いたら、ダメって言われたんですけど!」と書きましたが、ダメに決まっていますよ、自分では習ったように書いたつもりだけど、③の「ダメな答案」の要素が多すぎるんですね。まだまだ練習・勉強が不足していて、自分の答案に「ダメ要素」が満載なんですね。それだけのことです。

「先生が変わっちゃった問題」は、実は、「ライティングとはどういう勉強をするものなのか」がよくわかるgame-changerにもなりうるんですね。

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