日本語の展開方法と英語の展開方法

TOEFLのSpeakingの練習をしていると、どうしてもわたしたち日本人はつまづく所があります。それは英語そのもの、と言うことでもあるけれど、もう一つは、言語文化、というか、言語習慣、というような、要するに、「話し方」の問題です。それはこのテストが「対話」ではなくて、「独りトーク」の形式をとっているからなおさらその辺りが際立ってくるんですね。

よくあるのは、「大スピーチを打ってしまう受験生」
「友達と一緒に勉強するのと、ひとりで勉強するのと、どちらが良いか」のような問題に答えるために、
Ever since the onset of the Industrial Revolution, school education has been evolving…とか言ってしまうんですね。この調子だとまだまだ結論が出なさそうです。。。で、この受験生は、「時間内に言えない」と悩んでしまいます。それはそうです。そんな突拍子もないイントロを言うことが予期されていないからです。

あるいは、「なかなかダイレクトに言えない(言わない)」んですね。色々言うから「慮ってほしい!」という感じで。本来ならば、答案としては、Making many friends is a primary purpose of attending school. なんだからみんなで勉強したらいいんだ、なんていうところを、

If you don't have friends around you and study by yourself, you can focus on your work effectively. There are some people whose grades improve when they study alone. なんて先に言っちゃうんですね。「え?成績上がるんですか?」と。なのに、However, making friends has some advantages. とか言い出すんですね。こうなると、どっちの主張をしているのかわからなくなります。

そうではなくて、まずはダイレクトに、答えとその理由をずばり言いましょう。
友達大切!
多い方がいい!
とします。そのあとで、どうしてそのように考えるかを色々追加します。

いずれの場合にも、〜大きなイントロを掲げる場合にも、反対の意見について展開していく場合にも、あるいは、例外から入る場合にも〜、多分、受験生の多くは、「そこから展開できないと困る!」と思っているんだろう、と思うんですね。だから、周りから、周りから、となる。でも、そうじゃない方の理由は言えてますよね・・・。ちょっとおかしいですね。きっとどちらにしても、そこそこ言える、というのが実際のところでしょう。だとしたら、ダイレクトに言った方がいいですね。

● ネットワークが広がると将来にも役立つ
→ 誰かのありがちな例
● 協調性
→(どうせ、ですけど)社会に出て、職場ではみんなと仲良くやっていかないといけないので、友達を作る練習はどんどんやっておいたほうが良い、みたいな。

色々ありますね。こう言うのは、「最もありがちなもの」の方が、相手にもわかりやすいです。奇をてらうのはよくありません。相手がわからないと困るからですね。

そもそも、われわれは、45秒しか与えられていません。
大きなイントロを述べたり、
例外から話したり、
別の意見の長所を述べたり、
する時間はないんですね。でも、日本語の言語習慣としては、そういうぐるぐる回る感じが欲しいんです。なのに、TOEFLは、「ダイレクトに述べて、それをサポートする」ことを求めているんですね。

普段の言語生活で、意識的に、英語(というか、TOEFLの答案)ふうに、日本語で話してみるのも試してもいいかもしれませんね。私はたまに授業で日本語で話す時に、やります。「理由が3つあります。」とか。


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