要約の第1文のクオリティを上げる
要約をするのは、
その技術だけではなくて(つまりWritingだけではなくて)、Reading・Listeningでは、英文の全体を読み取るときの姿勢に大きく役立ちます。だから、当塾ではListeningのコースをとって勉強されている方には必ず、レクチャーの要約を英語でしてもらっています。あとで要約をするつもりでレクチャーを聞くと、明確に「聞く目的」ができるんですね。
となると、What is the lecture about?となっても、よもや It's about pterosaurs. (それはプテロサウルスについてです。)なんていう答えはなくなります。ところが、一般的にはまだまだそういう答えが普通のようです。そういうのは、内容を理解するのが簡単(すぎる)英検2級くらいまでにしてはいかがでしょうか。それ以上のレベルになったら、もう少し、要約の第1文のクオリティを上げても良いかと思います。それはとりもなおさず、読む姿勢・聞く姿勢の向上を意味しています。
今回は、
例を3つほどあげて説明したいと思います。これらの例を踏まえて、今後の取り組みに活かしていただければうれしいです。
例1)The reading passage is about pterosaurs.
これが良くないのは、
1)内容を読まなくても、英語がわからなくても、誰でも書ける(言える)
2)読み手(採点者)はこの次に何がくるか、予測できない。(体長か?生きていた時期か?骨密度か?もう何も手がかりがないので、もはや、この1文はなくてもよかった、ということになるわけです。
でも、これが
The reading passage introduces three reasons for supporting pterosaurs' ability to achieve powered flight. リーディングパッセージはプテロサウルスが羽を動かして飛行できたことを支持する3つの理由を紹介している。
となると、良いまとめになっています。
1)pterosaursの「飛び方」が問題になっていること
2)その能力があったとする理由の1番が次に来ること
がこれでわかります。この文なら、書く意味があります。また、この文を書こうとして英文を読んだり、聞いたりすることで、その目的が明確になります。
例2)The reading passage is about deserts.
1と同じ理由で、これを述べる意義がわかりません。これを
The reading passage introduces theories regarding the mysterious formation of deserts.とすると、トピックも明確だし、次に何が来るかもわかります。砂漠の不思議なでき方を説明しようとするわけです。
例3)The reading passage is about forts.
これも「砦(とりで)」の何について、どうしているパッセージなのかが全くわかりません。そこで、
The reading passage explains the functions of forts during the period of westward expansion.とすると、
1)時代背景
2)トピック(とりでの機能)
3)の、説明、ということがわかります。次には One function was…のような英文が来るのでしょう。
このように見てくると、
トピック、トピック、とよく言っているものは、実は「大見出し」のようなもので、それだけでは何も伝えられていないことがわかります。もう少し詳しいめに、「トピック」「の何」なのか、そこまでを言語化しながら読み・聞くことになります。そして authorの目的はpresent theoriesなのか、casts doubt on conventional ideasなのか、provide in-depth explanationsなのか、ということを、読み取る・聞き取るわけですね。
今回はこちらの動画で同じようなお話をしましたが、要約のクオリティを上げる(しかも第1文)だけで、英文に対する取り組み方が変わってくるかもしれません。
しけんや英語塾では、受講生にTOEFLを様々な方向から勉強していただいています。こちらからお問い合わせください。