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ありがとうタンブラーTumblr

 以前は(と言っても今年の3月まで)、noteとは別のブログサービスを使って、今とは違う筆名でネットに詩やエッセイを投稿していた。「タンブラー(Tumblr)」と「はてなブログ」の二つである。今回は、前者の「タンブラー(Tumblr)」(以下、タンブラーと表記)について、それを使ってみて学んだことを僕なりにまとめてみた。

 ご存知の方も多いかも知れないが、タンブラーはブログとしてというよりはSNS的な要素のほうが強く、また、事務局やサーバーはアメリカにあるため、日本でその仲介をしているスタッフ陣が運営のサポートをしているような状況である。そのため当然のように外国人の利用者が多い、無料のブログサービスである。しかも、通常の無料サービスでよく表示されるような広告もなく、アフィリエイトやグーグルアドセンスも普通に利用できる。

 僕がこのサービスを利用し始めたのは2年ほど前になる。始めの頃は日本人ユーザーとコンタクトが取れずに孤立無援な状態であったが、それでもめげずに写真やらテキストやらを毎日のようにアップしていた。習うより慣れろと思ってしていた行為である。

 しかし、誰からもフォローもなければコメントもない。丁度今、このnoteを使い始めたばかりの状況と何ら変わりはないが、明らかに違う点が一つあった。それは、利用しているのは日本語を知らない外国の人達ばかりということだ。だから日本語のテキストを投稿しても読めないし理解できない人がほとんどであったに違いない。よって、一向に伝わらないし反応もない。まあ、今考えれば当然であるが、その時はそれを考える余裕もないほど、他にも色々と勉強していたので自分の落ち度を改めることはしなかった。

 結果、段々と意欲もなくなっていき、とうとう投稿も一週間に数回程度の頻度になってしまった。こんな状況が翌年の8月まで続いたものだから、さすがに僕もしびれを切らしてしまい、以降は投稿をしばらく休止していた。

 そして、気持ちを切り替え、思い切って今度は「詩」を中心にした写真入りの記事を投稿することにした。そんな中で、見通しの持てないこのような状況を打開してくれたもの。それは、これまで意味も分からず何となく付けていたハッシュタグ(#)だった。ここに試しに「#詩 #自由詩 #散文詩 #短歌 #随筆」などの日本語でしかも漢字のタグを数個入れるようにしてみた。それまでは、練習も兼ねて、自分で撮影した山野草などの植物の写真を主に投稿していたため、自分でも親切だと思うくらいに、一緒に英語名や学名(ラテン語名)などもテキストやハッシュタグに入れていたのだ。がしかし、この気遣いが実は最大のミスとなっていた。それが証拠に、完全に「詩」と「散文」と、そして「エッセイ」の投稿に変えてみて、しかも、意図したわけではないが、ハッシュタグもそのまま、「#詩 #自由詩 #散文詩 #短歌 #随筆」などを使うようになったら徐々に日本人と思われる方のアカウントでスキ(いいね)が送られてくるようになった。しかも、このタグのリンクをクリックすれば、同じく「詩」を書いている同志のブログへのリンクが開かれるではないか!

 実は、タンブラーで詩を投稿している日本人は極めて少ない。僕を含めて、頻繁にブログをアップしていてコメントやダイレクトメッセージなどで交流したり、相互フォローをしたりできたユーザーは10人に満たなかった。他は、写真家、画家、エンジニア、学生、ニート、主婦(主夫)など、いずれも詩作とは直接関わらない人達ばかりだ。それでも、順調に100人を越える相互フォローを半年ほどで実現した。僕はプライベートな目的でインスタグラムを利用しているが、それらのSNSなどで100フォローは比較的簡単に得られたし、現時点では、もともと記事へのハッシュタグは入れていない投稿で1000を越えるフォロワー数になっている。だが、タンブラーでのそれは、かなり難しい。しかも、ジャンルが「詩」だから、なおさらだ。そんな状況下での偶然の気付き。ハッシュタグ様様である。そんなわけでタンブラーでは、ネットにおけるハッシュタグの効果や意味を、身をもって知ることが出来た。つまり結果としては非常に勉強になったということだ。

 ところが、一難去ってまた一難。順調な日々は半年とは続かず、運悪く原因不明のサーバーエラーが発生し、なんと僕のアカウントは無効にされてしまった。通常であれば、規約に触れる違反行為などに対しては、事前に注意喚起のメッセージやメールが届くことになっている。しかし、この時は何の前触れもなく、しかもブログを使用している途中でこの事態が発生したのである。明らかに運営側の問題である。正直、何が起こったのか自分でもわからない状況であった。日本のサポートスタッフに問い合わせてみたが、直接、アメリカの本部と連絡をとって対応してもらうしか無いということだったので、英語でのやり取りが億劫な僕は、「それならいいや。」と諦めざるを得なかった。

 それでも、まだ納得がいかないところもあったので、同じようなケースが他にも起きているんじゃないかとネットで検索をかけてみたら、全く同じトラブルと思われるケースを画像入りで見ることが出来た。「僕だけじゃなく、やっぱり、同じような目にあっている人が他にもいたんだ。」そう思った。ただ、その人は本部とやりとりをして、アカウントを復活させてもらったということで、その後もタンブラーを利用し続けているようだ。他にも似たようなケースがいくつかヒットしていたが、ほぼ同じような内容だった。これで一応、気が済んだので、思い残すことなくタンブラーとはサヨナラをすることが出来た。呆気ない最後であった。

 念のため、誤解のないように言っておくが、この記事はタンブラーという特定のブログサービスを否定したり、批判したりするものではない。むしろ、タンブラーはとても面白く、他のブログサービスにはないユニークなところがたくさんある。使ってみれば、その良さが解り、一度利用を休止したユーザーが再び投稿を再開するなどのケースも他のブログと違って多いのもその特徴の一つであるようだ。また、使い方によっては強力なビジネスツールにもなる。僕自身も、あんなトラブルさえなかったら、今でもユーザーとして利用し続けていたに違いない。本当に残念である。

 さらに、最後になってしまったが、タンブラー本部および日本のサポートスタッフの皆様には敬意と感謝の意を述べたい。特に、日本のサポートスタッフの方には、困ったとき相談にのっていただいたり、アドバイスや励ましの言葉をたくさんいただいたりした。自己弁護ではなく、これは僕の本心であることも付け加えておく。