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詩作のための練習詩

詩作のための練習詩(短詩五音六句)

 一言で「短い詩」と言っても、定型詩では、すでに俳句や短歌がありますよね。川柳なども盛んですね。ここでなぜ、あえて、それらとは違うことをやるのか。その理由と意義について、実際に僕が作った詩を見ながら考えてみたいと思います。ここで取り上げる詩は三十音で、三十一文字(みそひともじ)より一音少なく、字数のみで言えば短歌の親戚です。

 早速ですが、最近、私が作ったものから一つ。


◯ 一瞬の 静寂まで 消え去って
  僕だけを 置いてゆく 秋の夜  <若夜>

 (いっしゅんの しじままで きえさって
  ぼくだけを おいてゆく あきのよる)


 短歌にどっぷりと漬かっている、いわゆる「短歌漬け」の人には、ちょっとスパイスの効いた短詩ではないかと思います。敢えて五音ずつ、空白を入れてありますが、なかったらどう読みますか。きっと、無理やり五七五七七に押し込めて読もうとするんじゃないですかね。
 
 実は、この詩はもともと、私が作った五音十五句の詩の中の第三連なんです。もう別の場所でも公開してしまっていますが、以下参考までに載せておきます。

 

「秋の夜(よる)」

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 さっきまで 鳴いていた
 こおろぎの こえが止み

 ひとしきり 鳴いていた きりぎりす
 それもまた 鳴き止んで

 一瞬の 静寂(しじま)まで 消え去って
 僕だけを 置いてゆく 秋の夜

 (20210901/私之若夜=しのわかや)


全体の中の部分としての詩句

 短歌くらいの文字数の短い詩を、それよりも長い詩の中に組み込むような詩の作り方を、僕はしばしばやります。しかも、この詩の場合は、一連が「五音四句」、二連が「五音五句」そして三連が「五音六句」と句の数が増えてゆくようになっています。このスタイルの詩は、残念ながら、まだこれ一つだけですが、結構気に入っているので、またどこかでやりたいなあと思っていました。そのための準備と練習も兼ねて、最終連の「五音六句」の定型だけ取り出し、量産体制に入りたいと思い、只今以下のブログへ作品を継続投稿しています。
 
 amebaブログ「わかやの詩作トレーニング」
 URL https://ameblo.jp/shino-waka/

 ある程度やってみないとわからないところもあるので、構想がまとまってきたところで、またレポートしたいと思っています。興味がありましたら、上記のブログを参照してください。2021年10月6日現在で、写真(Canvaで作成したもの)と一緒に短詩を40編ほどすでにアップしています。短歌や俳句とは違い、未完成品のパーツのようなものなので、作品とは呼べないものばかりですが、これらをもとにして、もう少し長い詩を組み立てていくようなイメージを自分の中では描いています。見通しがついたら、自分で写真撮影やら取材やらをしながら、今度は完全な詩作モードに切り替えていきたいと思っています。