森山直太朗「さくら(独唱)」で感動的な展開を考える

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こんなことを言うのは小っ恥ずかしいんですけどね。
でもこの曲をアレンジすること それはつまり心を揺さぶるような展開にすることと思ったわけですよ。
本当に大好きな歌なので、かなり細部にこだわりました。

1.アレンジで意識したこと

動画をご覧いただけるとわかりますが、今回は弦楽四重奏らしさをコンセプトに作りました。
また和声進行をあまり縦割りで考えずそれぞれがフレーズらしく演奏するように書いたので、ところどころで三和音が完全に成り立っていない部分もありますが、
逆に言えば「ここは内声の一部だから・・・」と縮こまらずに各パートが主体的に吹けるようになっています。

例えばテナーは随所に以下のような「裏打ち」がありますが

このような場所だと表拍のバリトンと調子を合わせて吹くことでリズム感を生み出すことができるのです。
完全な裏方ですが、あるとないとでは聴こえ方が違う非常に重要なパートです。
4本が独立したフレーズを担当することが多いので、一歩引くなんてことなく積極的に演奏することが好ましいですね。

2.こだわりポイント

・絡み合いを作る

私のアレンジではよく使う手法ですが、主旋を元にしたオブリガードを多めに入れてみました。
あんまり頻繁に使ってしまうとマンネリになってしまうのでそのギリギリを攻めた感じです。

このような音のチョイスも「主体的に吹ける」楽譜を作るための大事な要素。
内声には内声なりの役割を与えてあげることで、ただの和音構成という立場から脱却できると思うんです。
「アルトよ、テナーよ、人の後ろに隠れるな!」というメッセージと思っていただければ嬉しいです(笑)

・さくららしく

もはやこの展開を作りたくてこの曲を選んだと言っても過言ではありません。
私の選曲基準なんてそんなちっこい考えからです。
ただ、この静寂から突然雰囲気が変わる流れ いろいろな情景が想像できると思いません?
私としては何より桜吹雪をイメージしたのですが、皆さんはどうでしょう。

演奏面としては、もしお客様の意表を突きたいのであればバリトンは44小節目の4分休符をフェルマータにしてもいいかもしれません。
皆さんで息を合わせて、あっと驚くような場面転換を表現してみてください。

3.最後に

調合もAs Durと比較的読みやすい楽譜です。
これから桜の季節に本番があるという方、暖かくなってきたし春の曲を吹いてみたいという方
ぜひぜひ動画で音を聴いて検討してみてくださいよ。

当方悲しいことに花粉症で苦しんでますが、春は大好きなんです。
この楽譜が形になってくれるのは何よりの喜びなので 皆さんの楽しい演奏、期待していますね。

Shino's Studio

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