平井大「THE GIFT」で展開の広げ方を考える
この曲調、とても好きです。
特徴的な転調もあり、音域的にも申し分ないため聴いてすぐさま取り掛かったのですが
音楽的に展開を広げることになかなか苦戦しました。。。
最初は5分ほどのフルVer.を元に進めていたのですが、オブリガードやメロディー配置の関係から今回は同じアルバムに収録されていたMovie Edit Ver.で書くことに。
しかし結果として、その中でバリエーションを持たせることはできたのでは、と考えています。
1.アレンジで意識したこと
良い曲の前提で言いますが、この手の曲はアレンジがなかなか難しいです。
Aメロとサビのメロディーラインがほぼ同じであること、
ギターのアドリブのように編成楽器が違うからこそ映える場面があることなど
どうしようかというアイデア出しにかなり時間を使いました。
その結果、曲全体としてのマンネリを避けるために内声のフレーズをたくさん作りました。例えばサビは同じラインが2回続きますが、1回目と2回目でアルト、テナーは違う旋律を吹いています。
また均一なリズム感を表現するために、基本的に8分音符の動きが常に発生するように書いています。メロディーも含めてこのように組むことで常に一定のテンポ感が生み出されるのです。
2.こだわりポイント
・トップバッターはまさかのバリトン
初の試みです。
かなり飛び道具的な発想だと思いますが、どうせ色々な曲があるうちの一曲だしこういうのがあってもいいんじゃない?なんて気持ちで書きました。
原曲もAメロは低音がバリバリ効いているわけではないし(当アレンジでは2回目がアルトになりますが)それに寄せた、と考えてもいいかもしれません。
・締めはアルトのアドリブ風フレーズ
全部は見せられないですがちょっとだけ・・・
原曲は裏でこっそりギターがアドリブソロを弾いています。それを丸々コピーしようとも考えたのですが音域的な制約が痛いので
いっそのこと曲調だけ合わせてサックスらしさを追求してしまおう!と思い切って路線変更しました。
このソロを作るのに同じ雰囲気のサックスソロを聴いたのですが、やはりポップス吹きはすごいですね。
心に刺さるような旋律をその場で奏でるアドリブ力、見習いたいです。
3.最後に
結果4本それぞれにほぼほぼ均等に出番を回すことができました。
またメロディー以外のパートもゆったりと吹けると思うので、フレーズ感をいろいろ調整してみて皆さんにしかできない演奏を考えていただけると嬉しいです。
Shino's Studio