31. 【映画編】マネー・ショート 華麗なる大逆転 〜リーマンショックを予見した変人たち〜③
Buongiorno a tutti!
最近花粉症がようやく快方に向かってきて、朝起きられるようになってきました。嬉しい限りです。
さて今回はついに、『マネー・ショート』最終回です。
これまで映画のことはほとんど触れてこなかったのですが、リーマン・ショックについての前提知識はある程度理解いただけたかと思います。
・あらすじ
さて映画の中では4組の登場人物が存在し、それぞれのストーリーが同時に進行します。
金融トレーダーのマイケル、ヘッジファンドのリーダーのマーク、ドイツ銀行の行員ジャレド、そして引退したトレーダーであるベン。
彼らはさまざまな経緯で、住宅ローンが実体とはかけ離れたバブル状態であることを知り、それを機に世界経済の破綻を予測、一世一代の賭けに出ます。
ここで映画に必要な知識をもう一つだけ。
世界経済の破綻に賭けるとはどういうことかと言いますと、彼らは住宅ローンの暴落を見越して「空売り」という方法を使いました。
・空売りの仕組み
通常の株などの売買は「安い時に買い、高くなったら売る」というのが大原則です。
みなさんも株の売買といえばおそらくこれをイメージされているのではないかと思います。
空売りはそれとは逆で「高い時に売り、安い時に買う」という動きをします。
①実際に持っていない商品を高値で売り、②後でその分の商品を買うという株をやらない人からすると不思議なことをやるんですね。
僕もトレーダーではないので、実際に空売りをしたことはありませんが。。
例をあげましょう。
現在1株10,000円の企業Aがあるとします。
その企業が将来的に不祥事や経営不振などで株価が下がることを予想したあなたは、実際には持っていない企業Aの株を100株売却します。(100万円分)
この時点で、あなたは企業Aの株を-100株と売却利益の100万円を持ってことになります。(実際には手数料などがかかりますが、今回は省きます)
やがてあなたの予想通りに企業Aの不祥事が発覚、株価は10,000円→100円まで下がりました。(普通なら株価99%減はあり得ないと思いますが)
そのタイミングであなたはマイナスになっていた分の100株を購入します(10,000円分)
結果的にあなたは株の売買で差額の99万円を獲得するというわけです。
この空売りを英語でshortと言い、映画の原題であるThe Big Shortはまさに世紀の空売りという感じですね。
・見どころ
話を映画のストーリーに戻しましょう。
登場人物の4人はあり得ないと思われていた住宅ローンの崩壊に賭けたのですが、最初は周りの人に馬鹿にされたり、資金援助を断られたりと反応は冷ややかでした。
おそらく、実際のリーマンショック以前の米国でも同じような反応だったことでしょう。
この映画の個人的な見どころは、ヘッジファンドリーダーのマイクがサブプライムローンの実態を探るべく実際にローンを借りている人たちの話を聞きに行くシーンです。
最初は住宅ローンの崩壊など信じていなかったマイクでしたが、サブプライムローンの債務者の話を聞くうちに、「これは本当に未曾有の金融危機がおきるのではないか」と思い始めるところはめちゃくちゃドキドキします。
映画の中身を話し始めると、面白みがなくなってしまうので、この辺りにしておこうかと思います。
今回書いたマネー・ショートの3記事を読んでもらえれば映画も楽しめるかと思います!
執筆時点ではAmazon Primeで見ることができるので、ぜひGWに金融の勉強をしてみましょう、ブラッドピットもかっこいいですよ!笑
それではまた。
Grazie mille e alla prossima volta!