四度目の正直で、本音が聞こえた
ずっと働き方に悩んできた。もう悩みたくないと思うほどに。嫌だと思うほどに。
働き方改革なんて言わないでくれと、週3会社員だとかパラレルワーカーなんて言って選択肢を増やさないでくれと思ってきた。
選択肢が増えれば増えるほど、生き方は自由だなんて言われるほど、わたしは悩んでしまうから。模索する時間があるなら、もっと目の前の仕事のことだけを考えていたいのにと思い続けていた。
フリーランスになってから来月で3年半が経つ。会社員を知らないフリーランスのわたしにとって、2年目が過ぎた頃からフリーランスはちょっとした地獄のようだなあと思ってきた。
適切なフィードバックを得られる環境がないことは、成長の停滞につながるから。
仲間がいない環境は、自分の視野や挑戦の幅を狭めるから。
目の前のお金のみでやりくりを続ける環境は、心をひどく圧迫するから。
だからだろうか。3年目に突入したあたりから、フリーランスなのに居場所を求めるようになっていた。
「もっと成長が欲しいから」といって組織を探した。
「仲間が欲しいから」といって組織を探した。
「安定した収入が欲しいから」といって組織を探した。
そんなわたしの声に応えてくれたのかわからないけれど、この1年間で合計4つの会社の入社を検討する機会をもらった。
小さな制作会社だったり、編集プロダクションだったり、ガチガチのスタートアップだったりと、事業内容も組織規模も雰囲気もまるで異なる。
雇用形態も、業務委託・週3の契約社員・週4の契約社員・週5の契約社員・週5の正社員と、いろいろな選択肢があった。副業禁止の会社もあれば、副業OKの会社もあった。
それでも、結局わたしは一つ残らず辞退した。
理由はいつも同じで「もっとPhotoliにコミットしたいから」だった。
1年前は週1.5日、8ヶ月前は週3.5日、今は把握してないけれどたぶん週4.5日くらい。月を追うごとにコミット量は増えていて、わたしは望んでそうした。
ただ、フルコミットしたいかどうかと聞かれると、即答できるわけではなかった。それは「したいかどうか」ではなく「するべきかどうか」を考えてしまうからだ。
Photoliは、事業規模がまだまだ大きいとは言えない。人件費が一番収支を圧迫する環境下で「フルコミットしたいんですよね」と言うのはわがままのようにも思えた。
そして、自分のリソースを全てPhotoliに使うことが、Photoliの成長と自分の成長のための最適解なのかどうかもわからなかった。
週3は会社員、週4はフリーランスとしてお互いで得た知見を活かしながら働く流行みたいなものがある。副業を奨励しない会社は悪だ、みたいな風潮すらある。
その中で「一つの組織に所属したい」と願うのは、古びた誤った考えなのではないかと思ってしまった。間違った選択をするのが怖くて怖くて仕方がなかった。
それを払拭できたのは、直近、4社目のお誘いをいただいたタイミングだった。詳しく話を聞いてみると、自分自身の今後のキャリアにも繋がる上、Photoliでの知見も活かせるし、その逆もまた然りの状況。魅力的だった。
でも、どうしてもなんだかモヤモヤした。「本当にいいの?」と奥底で自分が尋ねているような気がした。
友人、家族、仕事仲間に話したら、その反応は十人十色だった。「そろそろ会社にくらい入ってみたら?」と心配顔の母に「いや、違う気がする」と父。
「別の会社の方が良いと思う」と言ってもらうこともあれば「しのにフリーランス以外は無理でしょう(笑)」と笑う声もあった。
どの意見も納得感があったけれど「それだ」感のある答えではなかった。たぶん、ずっと気づいていた感情を、どうにか見て見ぬ振りしようとしていたのだと思う。
「誰よりも早く成長したい。でも、教育体制も何もないPhotoliでそれは叶う?」
「ちゃんと稼ぎたい。でも、収益が安定していない今のPhotoliでそれは叶う?」
言葉にするとあまりにシビアだったけれど、本音だった。だって、わたしはもっと強く、高く遠くまで飛べる人間になりたいのだから。そして「生きる」をしなければならないのだから。
でも、そう考えたとき、人に甘えて生きようとしている自分がいることにも気がついた。
環境や人に成長させてもらおうとしてどうするんだ。成長も仕事の幅もお金も、どうして人に委ねようとしているんだと。ああ、ダサすぎる。
だから、ふうと息を吐いて、希望を言葉にしてみた。
「誰よりも早く成長したいと願うなら、仕事の幅を広げたいと思うなら、しっかりと稼ぐことを求めるなら、今のわたしはできればPhotoliで実現したい」
そう言葉にしてみて、とてもしっくりきた。
実現できるのかどうかはわからないけれどなんとかしてみたいし、自分に所属があるという事実で実現できる可能性をほんの少しでもつぶしたくない。そう思ったのだ。
でも「愚かだな」と思う。
世の中には企業がたくさんあって、教育体制の整っているところも多いと聞く。起業を前提に基礎知識を身につけるために企業に所属する経営者の話も聞く。
客観的に見たら、一度会社に入ってみたら良いとは思う。経験してみてからだって、決めるのは遅くないはずだ。
それでも、心が「どうしても嫌なんだ」と泣き叫び始めたのだから、その声を無視したくない。誰がなんと言おうと、わたしはこの選択を正解にする。
まとめると、今後、フリーランスとしての2月以降の新規のご依頼は基本的にストップすることにしました。
(直接すでにお付き合いのある方からのご依頼はお請けできるかなと思いますので、大したことは意識せずお声がけいただけたら嬉しいです)
Photoliに関しては、新規のご依頼めちゃめちゃお待ちしています。今後Photoliでできることは何かしらにまとめていきたいと思いますが、たとえば
● InstagramやTwitterなどのSNS運用
● 企業や自治体などとのタイアップコンテンツ制作
● 「写真」「旅」などにまつわる、デザイン・撮影・ライティングを伴うなにがし
などはご協力できることが多いかなと思いますので、お気軽にご相談ください。フットワーク軽めな組織なので、関東以外でのお仕事も大歓迎です。
ちなみに、代表の横尾は今、佐賀県・唐津市を経て、長崎県にいるようです。そういう組織です。
それでは、鈴木しのでした。
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