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突然のフルマラソン

これまで試験や仕事の記事ばかり書いてきたので、唐突に異なるテーマをぶっ込んでる感が否めないが、筆記試験が終わって初の週末、なんと富山マラソンに参加してきたので、その挑戦について書いてみる。

これは私の人生初のフルマラソンである。

これまで、ハーフの大会には何度か出ていて、タイムは遅いもののペースを守って完走するところまではできてきた。「よし、そろそろフルも挑戦してみるか〜」と思ったのが今年の初め。

初めて出るなら、家から近くてコースにも馴染みのあるところがいいなあと思い、まずは地元の大会に応募したが、落選。ほかの大会で良さそうなところはあるかなあと思い探したところ、故郷である富山の大会が受付中だったので、申し込んだ。

ちなみに、このときはまだ例の試験を受けるかどうかが決まっておらず、試験日程もまだわからない時期。まさかフルマラソン1週間前に試験を受けることになるとは思わなかった。日程が被らなかったのがせめてもの救いである。

大会前は、練習不足

フルマラソンを走り切るには、普段からまめにランニングをして月間100キロとか200キロとか走っておけと聞く。しかし私の場合、平日は仕事が忙しく、さらに6月以降は試験勉強も始めたので、マラソン練習のため時間と体力を確保することが難しかった。

特に、大会直前の9月後半〜10月に仕事がMAX級に忙しくなったのは痛かった。本来、気温が下がってきて走りやすくなったこの時期にこそ30キロ走などの長距離練習をしておきたいところだ。しかしその時間が取れず、週末に2時間程度のジョギングをするのが精一杯だった。当然、月間100キロになんて到達することもなく、練習不足のまま本番を迎えることに。

前日、大雨の中移動

大会前日は、雨。受付を済ませるため、昼前に富山入り。駅のあちこちにランナーを迎えるメッセージがあり、嬉しくなる。まわりを見渡すとランナーらしき人達もちらほら。

歓迎メッセージが嬉しい。

大会後は寿司を食べる予定にしていたので、ランチには氷見牛ステーキ丼をチョイス。

氷見牛でスタミナチャージ!

スタミナをチャージした後は、大雨の中を歩いて受付会場へ。寒くて服が濡れて冷たくて風邪をひくかと思ったが、会場で迎えてくれたボランティアの皆さんの温かさに元気が出た。後で知ったが、悪天候により遠方から来る列車に遅れが出て、受付時間も予定より延長されたそうだ。ランナーの皆さんもボランティアの皆さんもお疲れさまです。

ゼッケンやらTシャツやらを受け取った後は、マラソングッズ売り場などのブースを見て回って、記念に富山限定のTABIO(五本指ソックス)を購入。

走ってるときは靴下のデザイン見えないけどね(笑)

晴れたら会場近くの富山環水公園に寄って世界一美しいスタバでも見てこようかと思っていたけど、雨だったのですぐに駅のほうへ戻る。駅前にある別のスタバで時間を潰し、電車に乗って高岡へ移動し、ホテルへ。夕方まで休憩し、ご飯を食べて大浴場であったまって、早めの就寝。

当日は晴天!前半は観光気分で楽しむ

大会当日は見事な秋晴れ。ちょっと風はあったけど、寒すぎず快適な気候だった。コンディションも悪くない。目指すは完走、あわよくば5時間30分くらいで終えたい…!なんて考えていたが、これが想像以上にきつかった。

スタート地点は高岡市役所前。初心者なので、後方からスタート。号砲が鳴ってからゲートを通過するまでに10分ほどかかった。序盤はとにかく飛ばさず、軽いジョギングくらいの気持ちで進む。高岡大仏にこの先の道中の無事を祈ったり、特別に展示されていたドラえもんデザインの路面電車にテンションが上がったりと、完全に観光気分である。

前半は足取り軽く順調だったが、中間地点の、この大会のコースのメインかつ一番の難所とも言われる新湊大橋に差し掛かる頃には、脚に疲労が溜まってきていた。ここは無理せず歩いて景色を楽しむことに。

海王丸がお出迎え。
新湊大橋。高低差と風が体力を奪う。

後半は時間と痛みとの闘い

後半は、1キロ1キロがとてつもなく長く感じた。給水・給食地点が近づけばもうすぐ休憩だ〜と歩き、食べ物を手に取ればしっかり味わわねばと歩きながら食べ、食べた後はお腹が痛くなってはいかんという理由で歩き…という感じで、だんだん走るより歩く時間のほうが長くなっていく(ちなみに、富山マラソンの給食はなかなか充実していて、私は昆布おはぎチーズ入りかまぼこいなり寿司が気に入った)。

もう5時間半でのゴールはとっくに諦めている。6時間半すら危ういかもしれない。脚もどんどん痛くなってきて、30キロ以降はほとんど歩いていた。こうなると目指すところは、コース内の関門を制限時間内に通過し、最後まで失格になることなくゴールまで辿り着くのみ。

こんなとき、以前の自分だったら、歩いてしまっている自分が情けなくて、痛みのある中なんとか走ろうとして、痛過ぎて泣きながら脚を引きずっていただろう。というか、過去に初めてハーフマラソンに挑戦したときがまさにそうだった。あのときの苦しさを覚えているので、今回は焦らず無理せず歩くことができている。

焦ったら最後まで脚がもたないかもしれない。
まだ先は長いぞ。
今できることをするんだ。
景色を楽しもう。
応援に感謝。

そんなことを自分に言い聞かせながら、歩く。

しかし時間も気にしなければならない。関門が近づいたらちょっと走って駆け込み、あとは歩いて食べてストレッチして…とやっていたら、だんだん残りの距離が少なくなってきた。

ギリギリで完走

ゴールが近づくと、沿道の応援が増えてきて勇気づけられた。子どもから大人まで、全然知らない人たちが、我がことのように必死で声を張り上げて、あるいは楽器をかき鳴らしたり踊ったりして応援してくれる姿に感動を覚える。

最後の関門を制限時間数分前に通過し、最後の力を振り絞ってゴールへ。「最後の直線だけでも」と踏ん張って走り、ゴール手前でゲストの有森裕子さんと握手したら、そこからゴールまでの間の走るスピードが上がった。有森さんのパワー凄い。

スタートから約7時間。当初の予定はだいぶ狂ってはしまったが、無事に42.195キロを完走できた。

ありがとう富山

私の初フルマラソンは、目標タイムにまったく届かず、途中からほとんど歩いてしまったにも関わらず、絶望することも情けなくなることも悔しくなることもなく、最初から最後まで楽しく過ごせた。これはひとえに、大会を支えてくれたスタッフやボランティアの方々、一緒にゴールを目指したランナーの皆さん、沿道で応援してくれた方々のおかげだと思う。それと富山の素晴らしい景色と、美味しい食べ物のおかげ。

ありがとう皆さん、ありがとう富山。

走り終わった直後は、もう当分マラソンはいいや…と思ったけど、こうやってnoteに書きながら振り返っていたら、やっぱりまた挑戦したいという気持ちになってきた。想定外だらけの初フルマラソン、ようがんばったちゃ

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