歩行者天国には大道芸がよく似合う。
「エンターテイメント亀戸!」と題して、東京都江東区亀戸で日曜祝日に実施されている歩行者天国にて、大道芸を展開しています。
1/8に2024年第一回となるエンターテイメント亀戸!を実施しました。
この日は寒かった…
そして、3連休最終日、その前二日間がさいたまにて大きなフェスティバルが行われていた影響もあったのか、あちこちの大道芸イベントに顔を出す、いわゆる「大道芸ファン」もやや少なめでした。
言うなれば、限りなく、素の歩行者天国に近かったように思います。
イベント感を期待していた出演者には、ちょっと厳しかったと思います、正直。
それでも、きちんと場をつくってくれた出演者のみんなは、さすが、という他ありません。
ありがとうございます。
毎回、いろんな環境があるわけですが、どんな環境であっても素敵な時間をつくりあげてくれているパフォーマーのみんなのおかげで、今、この瞬間があるのだな、とも感じました。
そして、今回、亀戸で生活をするひとたちが大道芸を支えてくれているのも、感じました。それを踏まえて、初心を思い出したので、今回はそのことを記録しておきます。
僕にとっての大道芸原風景
僕が大道芸の現場に出会ったのは、1990年代後半です。
気付くと30年近く前のことなので(30年!)、記憶も曖昧ではあるのですが、初めて印象に残った大道芸は、渋谷の歩行者天国でみたサンキュー手塚さんでした。
浪人生活が終わるか、その受験前か、冬の寒い文化村通りでパントマイムを披露していました。女子高生に囲まれて、ソフトクリームのマイムを披露していたような…
大道芸や芸能をまるで知らなかった僕は、その時、「なんかヤバいひとがいる」と思ってさっと通り過ぎるのですが。
その一瞬が、強く記憶に残っているんですから、強烈な印象であったのは間違いありません。
当時、新宿の歩行者天国もありました。
大学に入学した後、僕の中では、新宿の歩行者天国が、日常的に大道芸が行われるメッカの一つでした。
(後に、井の頭公園も大道芸に出会い、僕の大道芸に大きな影響を残しますが、それは今回は割愛。)
余談になりますが、思い返すと、今よりも大道芸に対して、社会は比較的おおらかであったようにも思います。もちろん、社会情勢によって、公共の場から追い出されたり、ということがありましたが、緊急のことがなければ、大道芸を黙認して受け入れる空気があったようにも感じます。
今も駅前での大道芸は見るけれど、どうなのかしら。
なんとなく、日陰感ある(夜に大道芸をしている印象が強いからかもしれません。)
ヘブンアーティストが始まって以降、今風に言うと忖度があって、大道芸人が自重しているだけなのか、僕が大道芸事情を知らないだけなのか。管理の下の大道芸が多数である印象があります。
社会的に認められて、堂々と大道芸ができるのは良いことだとは思います。
さておき。
僕にとっての大道芸の原風景は、かつての新宿の歩行者天国でした。
大道芸人が勝手に集まり、大道芸という名のエンターテイメントを繰り広げて、まちに彩りを添える。
歩行者天国の景色に、大道芸はよく似合う。
初心
亀戸の大道芸を引き受けるにあたり、思ったのは、この「歩行者天国」の風景なのですよね。
こんな「文化」を復活させたい。
新宿は、日本を代表すると言っても過言ではないまちで、たくさんのひとが休日ともなれば、自然と集まってきます。
そこに当たり前のようにいる大道芸人。
大道芸を目的にするひとよりも、たまたま通りかかったであろうひとが多いであろうショータイム。
そして、立ち上がる人の輪、笑い声、歓声…
今回のエンカメ!は、そんな景色をちょっと思い出しました。
そして、自分が何を作りたかったかも思い出しました。
まちに生きる大道芸を育てたい。
大道芸人が集まるまちの環境をつくりたい。
さりげなく大道芸が楽しめて、まちに馴染む景色をつくりたい。
年の初めに、初心を思い出した、良いエンターテイメント亀戸!Vol.9でした。
さりげなく、とても楽しい時間を。
ぜひ亀戸に遊びに来てください。
今年、亀戸でお会いしましょう。